プラチャヤ・ピントン「The Heat of the Empty Forward」@ SCAI PIRAMIDE

©️プラチャヤ・ピントン

 

プラチャヤ・ピントン「The Heat of the Empty Forward」
2025年2月15日(土)-4月26日(土)
SCAI PIRAMIDE
https://www.scaithebathhouse.com/
開廊時間:12:00–18:00
休廊日:日、月、火、水、祝
展覧会URL:https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2025/02/pratchaya_phinthong_the_heat_of_the_empty_forward/

 

SCAI PIRAMIDEでは、2000年代より数々の国際展で作品を発表してきた、東南アジアを代表するアーティストのひとり、プラチャヤ・ピントンの日本初個展「The Heat of the Empty Forward」を開催する。

プラチャヤ・ピントン(1974年タイ、ウボンラーチャターニー生まれ)は、価値、労働、交換など、日常的な相互作用の根底にあるシステムに対する深い考察に基づいた作品を発表してきた。その制作過程において、協働的プロセスや対話を重視することでも知られる。20年以上に及ぶ活動は、タイの現代美術におけるコンセプチュアルな実践の重要な流れをかたち作るものとなっている。シラパコーン大学で美術を学んだ後に渡独し、フランクフルト造形美術大学シュテーデルシューレを修了。その後、現在に至るまでバンコクを拠点に活動している。

2005年にバンコクのチュラロンコン大学アートセンターで初個展「Missing Objects」を開催。以来、世界各地で作品を発表。近年の主な個展と国際展に、「No Patents on Ideas」(シンガポール美術館、2024-2025)、釜山ビエンナーレ2024、シンガポール・ビエンナーレ2022(※第13回ベネッセ賞最終候補)、第17回イスタンブール・ビエンナーレ(2022)、第14回リヨン・ビエンナーレ(2017)、台北ビエンナーレ2012、ドクメンタ13など。2025年はシャルジャ・ビエンナーレ16や第4回タイランド・ビエンナーレへの参加、パラサイト(香港)やCCAベルリンでの個展などが決定している。日本では「他人の時間」(東京都現代美術館、2015/国立国際美術館、2015)や「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」(国立新美術館、2017)に参加。2008年にはJENESYSプログラムにてトーキョーワンダーサイト(現・トーキョーアーツアンドスペース)に滞在。制作活動に並行し、2006年にバンコクにアーティスト・ラン・スペース「Gallery VER」、2011年から2016年にかけてプロジェクト・プラットフォーム「Messy Sky」を立ち上げ、2020年にはeコマース・サイト「expensive to be poor」を共同設立した。

 

プラチャヤ・ピントン《The Organ of Destiny,(///////)(7)》2023年

 

日本初個展となる本展において、日本の軽工業に興味を抱いたピントンは、兵庫県姫路市にあるゴルフクラブ製造工場との実験的なコラボレーションを試み、製造段階で加工される金属形状を使用し、展示空間に繊細なフレームを設置する。また、出身地のタイ東北部に関する代表作で、ラオスの地雷を再鋳造し幻肢痛を治癒する鏡へと変容させた作品シリーズ《The Organ of Density》も展示する。鏡を照らす電球には、現在もなお東京都北部の工場で熟練の職人により生産されている、1879年にトーマス・エジソンが発明したものと同じく、綿をフィラメントに利用した電球を使用する。また本展に際し、東南アジアの近現代美術を専門にキュレーター、ライターとして活動、11月に開幕予定のタイランド・ビエンナーレの共同アーティスティックディレクターを務めるデイヴィット・テが「同胞を見出す:プラチャヤ・ピントンのポエティック・ライセンス(Found Familiars: Pratchaya Phinthong’s poetic license)」を寄稿している。

 

プラチャヤ・ピントン《Spoon》2019年 プラチャヤ・ピントン《.....》2018年

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