青山悟 刺繍少年フォーエバー @ 目黒区美術館


青山悟《東京の朝》2005年 ポリエステルに刺繍(コットン、ポリエステル糸)中尾浩治蔵 撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery

 

青山悟 刺繍少年フォーエバー
2024年4月20日(土)- 6月9日(日)
目黒区美術館
https://mmat.jp/
開館時間:10:00–18:00(入場は17:30まで)
休館日:月(ただし、4/29、5/6は開館)、4/30、5/7
展覧会URL:https://mmat.jp/exhibition/archive/2024/20240420-427.html

 

目黒区美術館では、目黒区出身の青山悟による初の美術館での個展「刺繍少年フォーエバー」を開催する。

青山悟(1973年東京都生まれ)は、工業用ミシンを用い、近代化以降、変容し続ける人間性や労働の価値を問いながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表している。ロンドン・ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を1998年に卒業、2001年シカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号を取得。近年の主な展覧会に、「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」(森美術館、東京、2023)「あなたのアートを誰に見せますか?」(東京藝術大学大学美術館陳列館、2023)「ドリーム/ランド」(神奈川県民ホール、2022)「Re construction 再構築」(練馬区立美術館、2020)、「The Lonely Labourer」(ミヅマアートギャラリー、東京、2019)、「Unfolding: Fabric of Our Life」(Center for Heritage Arts & Textile, 香港、2019)など。2021年には、新型コロナウイルス感染症の影響により「日常」が変容した社会への対応として、即興的に刺繍したシリーズをオンラインで展示し販売するプロジェクト「Everyday Art Market」を行なった。

 


青山悟《News from Nowhere (Labour day)》2019年 シルクスクリーンプリントに刺繍、ドローイング 個人蔵 撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery


青山悟《N氏の吸い殻》2023年 ポリエステル・オーガンジーにミシン刺繍 作家蔵 撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery

 

「永遠なんてあるのでしょうか」。この言葉は、青山が近年取り組んでいるテーマ。青山の作品に現れる刺繍されたタバコの吸い殻などは、社会から姿を消そうとしているさまざまな「消えゆくもの」へ視線を促すモチーフであり、問いかけを意味する。手仕事としての刺繍が、ミシンという工業機械に取って代わられることは、現代社会における労働や資本主義の問題を示唆すると同時に、ミシンで大量生産される製品と美術作品の違いとは何かという問題も示す。また、本展タイトルにある「刺繍少年」は、青山が2004年にロンドンのクラフツ・カウンシルで参加した刺繍を扱う男性作家のみの展覧会「Boys Who Sew」(キュレーター:ジャニス・ジェフリーズ)に由来する。青山の作品は刺繍は女性がするものという偏った男女の役割に対して、ジェンダーやエイジズム(年齢差別)といった問題も浮かび上がらせる。本展では、目黒区内の青山の出身校を描写した初期の作品から新作までを展示する。

 


青山悟《Map of The World (Dedicated to unknown Embroiderers)》2014年 ポリエステルにポリエステル糸と蓄光糸で刺繍 野村道子(ワイルドスミス美術館)蔵 撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery


青山悟《About Painting》2014-2015年 紙にポリエステル糸で刺繍 タグチアートコレクション タグチ現代芸術基金蔵 撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery

 

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