絵ごころでつながる−多磨全生園絵画の100年 @ 国立ハンセン病資料館


「絵を持つ「絵の会」会員、新憲法公布記念の書画展開催にあたって」1946年

 

絵ごころでつながる−多磨全生園絵画の100年
2024年3月2日(土)- 9月1日(日)
国立ハンセン病資料館 企画展示室
https://www.nhdm.jp/
開館時間:9:30–16:30 入場は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
企画担当:吉國元(国立ハンセン病資料館学芸員)
展覧会URL:https://www.nhdm.jp/events/list/6494/

 

国立ハンセン病資料館では、1923年10月31日に開幕をした「第壱回絵画会」を起点とする国立療養所多磨全生園の100年の絵画活動の歩みを、初公開のものを含む多くの絵画作品と関連資料で一望する展覧会「絵ごころでつながる−多磨全生園絵画の100年」を開催する。

「第壱回絵画会」は、第一区府県立全生病院(現・多磨全生園)の礼拝堂で同院の入所者が描いた絵画を展示した初の催し。その後、戦時中に結成された絵画サークルの活動が戦後に本格化し、近年は集団から個人での作品作りへと変化し活動が継続されてきた。ハンセン病患者・回復者に対する強制隔離という苦難の中の絵画活動は、描き手同士だけでなく、描き手と職員をもつなぎ、やがて描き手と社会をつなぐものになっていった。

 


国吉信《桜》制作年不詳


鈴村洋子《無題》制作年不詳

 

本展では、いくつかの公募展で入選歴を持ち1989年に自身の詩画集を出版した国吉信や、多磨全生園の園内誌に掲載され同園での出来事を元にした短編小説『オリオンの哀しみ』(1952)の著者である氷上恵介、故郷の景色である富士山を多く描いた望月章のほか、長洲政雄村瀬哲朗鈴村洋子などの強制隔離という苦難の中で制作された作品が展示される。

会期中には、アーティストの青柳菜摘による朗読会や、静岡県立美術館館長の木下直之による講演会、カンザス大学美術史学部准教授の金子牧と本展担当学芸員の吉國元によるトークイベントも行なわれる。また、関連企画として多磨全生園を「いのちの森」として描いたカイズケンによる絵画展も開催する。

 


望月章《湖に映る雪山》制作年不詳


氷上恵介「表紙カット『山桜』」1950年

 

関連イベント
朗読会「描き手の言葉を読む」
2024年5月5日(日・祝)14:00-15:30(開場:13:30)
朗読:青柳菜摘(アーティスト)
会場:国立ハンセン病資料館 映像ホール
定員:100名(事前申込制)

講演会「世の途中から隠され、再び現れてきたこと -義足と絵画」
2024年6月1日(土)14:00-15:30(開場:13:30)
講師:木下直之(静岡県立美術館館長)
会場:国立ハンセン病資料館 映像ホール
定員:100名(事前申込制)

トークイベント「100年の絵画史を展示すること」
2024年7月13日(土)14:00-15:30(開場:13:30)
講師:金子牧(カンザス大学美術史学部准教授)× 吉國元(本展担当学芸員)
会場:国立ハンセン病資料館 映像ホール
定員:100名(事前申込制)

絵画教室「多磨全生園を描こう-あおぞら絵画教室」①
2024年3月30日(土)10:00-15:00
講師:吉國元(本展担当学芸員)
会場:多磨全生園内 資料館通りの桜並木
定員:12名(先着順/保護者、介助者等の同伴可)

絵画教室「多磨全生園を描こう-あおぞら絵画教室」②
2024年4月29日(月・祝)10:00-15:00
講師:吉國元(本展担当学芸員)
会場:多磨全生園内 全生学園跡
定員:12名(先着順/保護者、介助者等の同伴可)

絵画教室成果発表展「多磨全生園を描こう-あおぞら絵画教室」
2024年6月5日(水)-7月31日(水)
会場:国立ハンセン病資料館 1階 ギャラリー

ワークショップ「多磨全生園の昔を描きおこす」
2024年7月27日(土)10:00-15:00
講師:吉國元(本展担当学芸員)
会場:国立ハンセン病資料館 1階 ロビー
定員:15名(先着順/保護者、介助者等の同伴可)

ワークショップ成果発表展「多磨全生園の昔を描きおこす」
2024年8月2日(金)-9月1日(日)
会場:国立ハンセン病資料館 1階 ギャラリー

ミュージアムトーク[ハイブリッド開催]「絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年」
2024年3月23日(土)14:00-15:30(開場:13:30)
講師:吉國元
会場:国立ハンセン病資料館 映像ホール/オンライン
定員:当館映像ホール140名/オンライン100名(事前予約制)
https://www.nhdm.jp/events/list/6599/

展示解説「担当学芸員によるギャラリートーク」
2024年3月9日(土)、4月27日(土)、5月25日(土)、6月22日(土)、7月20日(土)、8月10日(土)、8月24日(土)、9月1日(日)14:00-14:40
会場:国立ハンセン病資料館 企画展示室(申込不要)

 

関連企画
「いのちの森を描く」カイズケン絵画展
2024年3月2日(土)-6月2日(日)
国立ハンセン病資料館 1階 ギャラリー
https://www.nhdm.jp/events/list/7280/

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