FATHOM—塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン @ 京都精華大学ギャラリーTerra-S


塩田千春《愛についての手紙》2022年 Photo: Doung Eng ©️JASPAR, Tokyo, 2023 and Chiharu Shiota

 

京都精華大学55周年記念展
FATHOM—塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン
2023年11月17日(金)- 12月28日(木)
京都精華大学ギャラリーTerra-S
https://gallery.kyoto-seika.ac.jp/
開場時間:11:00-18:00
休場日:日
企画:伊藤まゆみ (京都精華大学展示コミュニケ―ションセンター特任教員/ギャラリーTerra-Sキュレーター)
吉岡恵美子 (京都精華大学芸術学部教員)
展覧会URL:https://gallery.kyoto-seika.ac.jp/exhibition/231117/

 

京都精華大学は開学55周年記念展として、それぞれ異なる時代に同学で洋画を専攻し、現在は「絵画」の範疇を超えた表現を展開する3名のアーティスト、塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエンによる展覧会「FATHOM—塩田千春、金沢寿美、ソー・ソウエン」を開催する。

塩田千春(1972年大阪府生まれ)は、過去に誰かが使っていたベッドや衣服、窓枠などを用いた大規模なインスタレーションで知られる。生と死という人間の根源的な問題に向き合い、場所やものに宿る記憶といった「不在の中の存在」を浮かび上がらせてきた。塩田は1996年に京都精華大学美術学部(現芸術学部)を卒業し、渡独。2015年には第56回ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館代表に選ばれ、2019年には森美術館で個展「魂がふるえる」を開催。同展は韓国、台湾、オーストラリアへと巡回した。

金沢寿美(1979年兵庫県生まれ)は、「個と集団」をテーマに、その両者を行き来するようにして生まれる“間にある世界”を壮大なインスタレーションによって表現してきた。近年は新聞紙の一部を残して鉛筆で塗りつぶしたものをつなぎ合わせたインスタレーションも発表している。2005年に京都精華大学大学院芸術研究科修士課程を修了。在日韓国人三世として育った金沢は、日本と韓国の企画展やレジデンスプログラムで作品を多数発表しており、2013年と2014年には北朝鮮に最も近い島で知られるペンニョン島に滞在し、実際の鉄条網を使ったプロジェクト作品を発表している。昨年は森美術館の「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」に出品。2023年にはロンドンの大和日英基金 大和ジャパンハウスで個展「Erase and See」を開催している。

 


金沢寿美《新聞紙のドローイング》2021年 撮影:木奥惠三 公益財団法人現代芸術振興財団


金沢寿美《新聞紙のドローイング》(部分)2022年 森美術館

 

ソー・ソウエン(1995年福岡県生まれ)は、大学在学中から一貫して、自己を成り立たせる「身体」や「他者」、「記憶」への関心を軸に、絵画制作を探究している。2020年に桑園創よりソー・ソウエン(Soh Souen)に名義を変更。近年の主な展覧会に「Your Body is the Shoreline」(√K Contemporary、東京、2023)、「ソ―・ソウエン『絶えず壊れてきたし、壊れ続けている(壊れてはいない)』」(rin art association、群馬、2023)、 「第17回福岡アジア美術館アーティストイン・レジデンスの成果展 2022 境界を縁どるー石、呼吸、埋立地」(福岡アジア美術館7階アートカフェ/ロビー他、福岡、2022)などがある。

大学卒業後にドイツに渡った塩田、在日韓国人三世として育った金沢、2020年にアーティストネームを改名したソーは、共通してアイデンティティについての問いを表現の核に据えて制作している。本展タイトルの「Fathom(ファゾム)」は、人が両手を左右に広げた時の幅に由来する「身体尺」のひとつで、水深を図るのに用いる単位(6フィート=183cm)を意味し、さらにそこから派生して、「理解する」「探究する」という意味にも使われる。本展においては、自らの身体行為を通して何かを探り、浮かび上がらせようとする3名の態度・手法を象徴的に表している。

 


ソー・ソウエン《my body, your smell, and ours》2020年 撮影:井口忠正 The Mass


ソー・ソウエン《Bellybutton and Breathing》2022年 撮影:野村如未 福岡アジア美術館

 

関連イベント
ソー・ソウエン パフォーマンス「Eggsercise」 ※申込不要
2023年11月17日(金)11:00-15:00
会場:京都精華大学 明窓館2Fエントランスほか

オープニングトーク ※申込不要
2023年11月17日(金)17:00-18:00
会場:京都精華大学 明窓館3FギャラリーTerra-Sほか
※アーティストトーク終了後、レセプション開催(予定)

アセンブリーアワー講演会:塩田千春「1000の夢を描く」
2023年11月18日(土)14:00-15:30
出演者:塩田千春
聞き手:吉岡恵美子(本学芸術学部共通教育 教員 / 副学長)
生駒泰充(本学芸術学部洋画専攻 教員)
佐川晃司(本学芸術学部洋画専攻 教員)
会場:京都精華大学 明窓館2F大ホール / オンライン
https://www.kyoto-seika.ac.jp/lecture/assembly/2023second_a02.html
※要申込

キュレーターによるギャラリートーク ※申込不要
2023年12月9日(土)、12月23日(土)各日14:00-15:00
会場:京都精華大学 明窓館3FギャラリーTerra-S

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