エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1「新たな生」崔在銀展 @ 銀座メゾンエルメス フォーラム


Jaeeun Choi, White Death (2023) Photo: Yasushi Ichikawa

 

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1「新たな生」崔在銀展
2023年10月14日(土)-2024年1月28日(日)
銀座メゾンエルメス フォーラム
https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/
開館時間:11:00–19:00 入場は閉館30分前まで
休館日:不定休 ※エルメス銀座店の営業に準ずる
展覧会URL:https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/231014/

 

エルメス財団は、2023年10月から2024年5月にかけて、「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ」を称し、アートにおけるエコロジーの実践を問う展覧会を銀座メゾンエルメス フォーラムで開催する。個展とグループ展のふたつの展覧会のダイアローグの形をとる本企画は、40年にわたる制作活動を通じて環境や自然との対話を継続してきた崔在銀の個展「新たな生」で幕を開ける。

崔在銀(1953年ソウル生まれ)は、1976年の来日を機に前衛いけばなに魅せられ、草月流の三代目家元、勅使河原宏に師事し、その空間概念や宇宙観を学ぶ。86年には草月プラザのイサム・ノグチによる彫刻ガーデン《天国》で、土のインスタレーション《Earth》を発表。同年より、和紙を埋めたのち時を経て掘り起こす「World Underground Project」を開始し、作品の完成を各地の地中の環境に委ねる試みを展開した。90年代には第21回サンパウロ・ビエンナーレ(1991)に参加、韓国の大田国際博覧会Expo’93では政府パビリオン「Recycle Art Pavilion」のデザインを手がけ、第46回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(1995)に日本館展示作家のひとりとして参加。2001年には映画『On The Way』を発表し、ロカルノ国際映画祭、モントリオール国際映画祭、東京国際女性映画祭などに出品する。その後も「ルーシーと彼女の時間」(サムソンロダンギャラリー、ソウル、2007)、「アショカの森」(原美術館、東京、2010)、「The house that continuously circulates, Convent of St Agnes of Bohemia」(プラハ国立ギャラリー、2014)などの個展や第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2016)など、幅広い活動を展開している。

 


Jaeeun Choi, Installation view of Earth (1986) Sogetsu plaza Isamu Noguchi sculpture garden, Tokyo. Photo: Anzai Shigeo


Jaeeun Choi, Underground Project / Kyung ju, Korea (1986 Buried – 1990 Take out) Photo: Muto Shigeo

 

崔は、朝鮮戦争休戦後に停戦ラインの北緯38度線から南北2kmずつ設けられた帯状の緩衝地帯「非武装地帯(DMZ)」における継続的なプロジェクトとして、自然が自己組織を通じて実現している生態系を未来のビジョンとし、森の復元を試みる「Dreaming of Earth Project(大地の夢プロジェクト)」を2014年に構想。2019年に同プロジェクトの構想に基づいた展覧会「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」(原美術館、東京、2019)を開催。その後も「Nature Rules(自然国家)」として継続してプロジェクトに取り組む。

本展では、生存に関わる自然生態系の事実を直視しながら、自然との理想的な共存関係を再構築するプロセスとして、「World Underground Project」や「Dreaming of Earth Project」などの現行のプロジェクトのほか、切迫した環境危機の様相に静かに迫る白いサンゴを用いた新作《White Death》など、過去作と新作を織り交ぜながら紹介する。時代の問題意識を反映しながらも、深い洞察に基づく独自の活動を続けてきたひとりのアーティストの視点を通じてエコロジーの課題を振り返り、作品の中を循環する時間、有限無限の生命といったアートが問い続ける普遍的な問いを、等身大の対話として思索されるものとして共有する。

なお、崔の個展に応答するダイアローグ2となるグループ展「つかの間の停泊者」は、2024年2月16日から開催。ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカの4名それぞれの実践から浮かび上がる自然と人間のエネルギーの循環の姿を紹介する。「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ」は、森美術館の「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」の関連企画にも位置づけられ、ニュービーと保良は両展示に参加する。

 


Jaeeun Choi, Installation view of Past -Future (1988) The National Museum of Contemporary Art, Korea. Photo: Joo myeong deok


Jaeeun Choi, Installation view of Disappearing Souls… (2022) Photo: Keizo Kioku Courtesy of MISA SHIN GALLERY

 


エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ2「つかの間の停泊者」ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカ
2024年2月16日(金)-5月31日(金)
銀座メゾンエルメス フォーラム

関連企画
私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
2023年10月18日(水)-2024年3月31日(日)
森美術館
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/eco/index.html

 


Kate Newby, I can’t nail the days down (2018) Kunsthalle Wien, Vienna, Austria. Photo: Jorit Aust


Takeshi Yasura, this ground is still alive (2022) Reborn Art Festival 2021-2022, Miyagi. Photo: Taichi Sato

Copyrighted Image