ジョアンナ・ピオトロフスカ「砦」 @ HAGIWARA PROJECTS

“Untitled” 2017, silver gelatin hand print, 21x27cm ©Joanna Piotrowska Courtesy of HAGIWARA PROJECTS

 

ジョアンナ・ピオトロフスカ「砦」
2023年3月25日(土)– 4月22日(土) 4月29日(土)※会期延長
HAGIWARA PROJECTS
https://www.hagiwaraprojects.com/
開廊時間:12:00–19:00
休館日:日、月、火
展覧会URL:https://www.hagiwaraprojects.com/joannapiotrowska

 

HAGIWARA PROJECTSでは、不穏な空気が漂う緊張感に満ちた画面で、家族や社会の複雑で曖昧な関係性に問いを投げかける、ポーランド出身の写真家ジョアンナ・ピオトロフスカによる、日本初個展『砦』を開催する。

ジョアンナ・ピオトロフスカ(1985年ワルシャワ生まれ)は、家族の構造や人間の行動と、社会や文化的生活を含む広いシステムとの関係性に焦点を当てた作品を制作している。奇妙に絡み合う身体や、護身術のマニュアルにある身振りや動作を行なう女性を撮影した作品を通じて、優しく親密な日常のジェスチャーを、解放と抑圧という新しいシナリオに変換する。現在はロンドンを拠点に活動。近年の個展に『Entre Nous』(ル・バル、パリ、2023)、『All Our False Devices』(テート・ブリテン、ロンドン、2019)、『Stable Vices』(クンストハーレ・バーゼル、2019-2020)、『Sleeping Throat, Bitter Thirst』(ケストナー・ゲゼルシャフト、ハノーバー、2022)など。主なグループ展に『Being: New Photography 2018』(ニューヨーク近代美術館、2018)、『Yorkshire Sculpture International 2019』(リーズ・アートギャラリー)、第16回リヨン・ビエンナーレ(2022)、第59回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展(2022)など。そのほか、『Frowst』(MACK、2014)、『Frantic』(Humboldt Books、2017)、『Stable Vices』(MACK、2021)などを出版している。

 


“Untitled” 2017, silver gelatin hand print, 120x95cm ©Joanna Piotrowska Courtesy of HAGIWARA PROJECTS


(左)“Untitled” 2017, silver gelatin hand print, 27x21cm、(右)“Untitled” 2017, silver gelatin hand print, 27x21cm
ともに©Joanna Piotrowska Courtesy of HAGIWARA PROJECTS

 

本展では、大人たちが自宅で家具や調度品を使って造作したシェルターを撮影したシリーズと、動物園の檻や囲いを撮影したシリーズ「Enclosures」を紹介する。砦作りや秘密基地といった子供の遊びを思い起こさせるシェルターだが、ピオトロフスカの撮影した大人が造作したシェルターは、家庭内での権力の階層、不安、押し付けられた慣習、さらには政治的、経済を要因とする不平等の概念を鑑賞者につきつける。また、動物の生活を「豊かに」するために人間が設計した玩具やオブジェを撮影した「Enclosures」は、そこに存在する保護と抑圧の二項対立を際立たせている。

 


“Enclosure LI” 2021, silver gelatin hand print, 130x160cm ©Joanna Piotrowska Courtesy of HAGIWARA PROJECTS


“Enclosure XLV” 2019, silver gelatin hand print, 30x24cm ©Joanna Piotrowska Courtesy of HAGIWARA PROJECTS

 

Copyrighted Image