ACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol. 5「引き寄せられた気配」@ トーキョーアーツアンドスペース本郷

 

ACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol. 5
引き寄せられた気配
2023年2月11日(土)– 3月26日(日)
トーキョーアーツアンドスペース本郷
https://www.tokyoartsandspace.jp/
開館時間:11:00–19:00
休館日:月
展覧会URL:https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2023/20230211-7161.html

 

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、TOKASプログラム参加経験者を中心に注目すべき活動を展開するアーティストを紹介するACT(Artists Contemporary TOKAS)の第5弾として、海老原靖、鮫島ゆい、須藤美沙の作品を通して、見えないものの存在を捉え、さまざまなスケールでその実体とイメージするものの関係性を問う展覧会『引き寄せられた気配』を開催する。

海老原靖(1976年茨城県生まれ)は、大衆に消費される存在や薄れていく記憶の儚さを探求し、絵画や立体、写真、パフォーマンスなどさまざまな表現を試みる。本展では、映画のビデオテープを一時停止した状態の一瞬を捉えた油彩作品「NOISE」シリーズを発表する。海老原は、映像の中に認識されない瞬間があることを提示することによって、私たちが生活する中で認知し、意識に残る記憶もごく一部であることに気づかせるとともに、消えていく図像と増殖するイメージの混沌に関する考察に鑑賞者を誘う。鮫島ゆい(1988年京都府生まれ)は、「見えるもの」と「見えざるもの」をつなぐ、あるいはその両者の境界を示すことをテーマに絵画表現を中心とした作品を制作する。本展では、近年取り組む絵画シリーズ「呼び継ぎ」を中心に、古代遺跡や使われなくなった誰かの道具、伝承、オカルトなどを題材として、多角的に空間を構成する。器の欠損部分をほかの器の破片を利用して埋めることで、新たな器として再生する金継ぎ技法のひとつである「呼び継ぎ」を絵画制作に取り入れ、作品の中でつなぎ合わされた異なる歴史や物語を持ったイメージの断片から、そこには描かれていない存在を手繰り寄せる。須藤美沙(1982年群馬県生まれ)は、天体観測や神話に関心を寄せ、体感し難い宇宙空間を紙にピンで無数の穴をあけるという細かな手作業をとおして表現し、宇宙との距離を縮めることを試みてきた。本展では、太陽観測衛星「ひので」が捉えたX線画像をはじめ、研究者へのインタビューや集積したデータをもとに、太陽や土星、天の川などをモチーフとしたインスタレーションを発表する。

 


須藤美沙《Lunar Orbital Platform-Gateway》2022年 紙(スタードリーム-FS) Photo: 加藤健

 

2018年度にはじまったACTでは、これまでに『霞はじめてたなびく』(佐藤雅晴、西村有、吉開菜央)、『停滞フィールド』(田中秀介、広瀬菜々&永谷一馬、渡辺豪 ※会期1週間で新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止)、『停滞フィールド 2020→2021』(田中秀介、広瀬菜々&永谷一馬、渡辺豪)、『接近、動き出すイメージ』(齋藤春佳、中澤大輔、ユアサエボシ)を開催。公募展、企画展、海外派遣など、TOKASが幅広く展開するプログラムに参加した経験を持つアーティストを中心に、ゆるやかなテーマの下、複数のアーティストを紹介している。

 


鮫島ゆい《呼び継ぎ(memento/blue)》2022年 パネルにキャンバス、アクリル、油彩


海老原靖《Rose#01》2009年 キャンバスに油彩(「NOISE」シリーズより)

 

関連イベント
アーティスト・トーク
出演:海老原 靖、鮫島ゆい、須藤美沙
2023年2月11日(土)16:00-17:30
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
無料、予約制(予約フォーム:https://www.tokyoartsandspace.jp/form/index.php?no=62

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