赤瀬川原平 写真展 「日常に散らばった芸術の微粒子」@ SCAI PIRAMIDE


©︎Genpei Akasegawa Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE

 

赤瀬川原平 写真展 「日常に散らばった芸術の微粒子」Selected by 伊藤存・風間サチコ・鈴木康広・中村裕太・蓮沼執太・毛利悠子
2023年1月26日(木)– 3月25日(土)
SCAI PIRAMIDE
https://www.scaithebathhouse.com/
開館時間:12:00–18:00
休館日:日、月、火、水、祝
ゲストキュレーター:豊田佳子(資生堂ギャラリー・ディレクター)
展覧会URL:https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2023/01/genpei_akasegawa_photo_exhibition/

 

SCAI PIRAMIDEでは、ゲストキュレーターに資生堂ギャラリーの豊田佳子を迎え、幅広い分野を横断する独創的な活動で知られた赤瀬川原平の残した未発表の写真約4万枚の中から、6名のアーティストが自身の関心の下に選んだ写真群を紹介する展覧会『赤瀬川原平 写真展 「日常に散らばった芸術の微粒子」』を開催する。

赤瀬川原平(1937-2014)は、1960年代に篠原有司男、吉村益信、荒川修作らとともに結成した「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」、中西夏之、高松次郎との活動「ハイレッド・センター」、自身の作品《模型千円札》が「通貨及証券模造取締法」違反に問われた「千円札裁判」などを通じて、「反芸術」を代表するアーティストとして知られる。イラストレーター、漫画家、小説家など、多彩な活動のなかでも、80年代からは町中にある奇妙な物や光景を撮影する「超芸術トマソン」「路上観察学会」「ライカ同盟」と名付けた活動を展開した。

その書斎にある16段の大きな引き出しには、赤瀬川が1985年から2006年までに撮り溜めた35ミリのリバーサルフィルムが保管されている。いつ、どこで、何を撮影したのか、撮影したカメラの種類が記されて保管された写真は、路上観察学会のために撮影されたものだけでなく、観光写真的なもの、花や植物、家族やペット、近所を撮影した写真も多い。

本企画では、赤瀬川の活動をリアルタイムに知る最後の世代として、1970年代、80年代生まれのアーティストから、赤瀬川になんらかの影響を受けた、もしくは共通するアイディアが見出せる、伊藤存風間サチコ鈴木康広中村裕太蓮沼執太毛利悠子が写真のセレクションを担当する。6名はそれぞれ約20枚の写真を選び、①赤瀬川から受けた影響や赤瀬川に対する想い、②写真を選んだ理由(セレクションのテーマ)をまとめた。赤瀬川は『老人とカメラ 散歩の愉しみ』(実業之日本社、1988年)に撮影した写真のスライドを眺めることのたのしさについて書いているが、本企画はアーティストがそれを追体験し、鑑賞者がそのたのしさを感じ取れるような内容を目指すとともに、赤瀬川独自の視点で切り取られた風景に、現代のアーティストが視点を重ねることを試みる。

なお、展覧会にあわせて、本展と同様に赤瀬川の未公開の写真で構成した写真集『1985-1990 赤瀬川原平のまなざしから』 (りぼん舎、2023)が出版される。

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