試展―白州模写 「アートキャンプ白州」とは何だったのか @ 市原湖畔美術館


高山登《Headless scenery - Sunrise Sunset 遊殺—日の出・日の入》1988年

 

試展―白州模写 「アートキャンプ白州」とは何だったのか
2022年10月29日(土)– 2023年1月15日(日)
市原湖畔美術館
https://lsm-ichihara.jp/
開館時間:10:00–17:00(土曜・祝前日は9:30-19:00、日曜・祝日は9:30-18:00) 入館は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29-1/3)
特別協力:田中泯
ゲストキュレーター:名和晃平
出展作家:榎倉康二、遠藤利克、剣持和夫、高山登、原口典之、名和晃平
展覧会URL:https://lsm-ichihara.jp/exhibition/the_trace_of_hakushu/

 

市原湖畔美術館では、ダンサー・田中泯の呼びかけのもとに1988年から2009年まで形を変えながら20年以上にわたって、山梨県・白州を舞台に展開された一連の試みを振り返る企画展「試展―白州模写 <アートキャンプ白州>とは何だったのか」を開催する。

ダンサー・田中泯は、身体・労働・自然の本質的で密接な関係に憧れ、1985年に仲間たちと共に山梨県白州に移り住み、「身体気象農場」を開始する。88年、田中の呼びかけの下、「芸能と工作」の実験場を目指し「白州・夏・フェスティバル」がはじまる。実行委員会が木幡和枝らを中心に結成され、以来、舞踊・芝居・音・美術・物語・建築・映像・農業などジャンルを超えた「祭り」として、「アートキャンプ白州」(1993-1999)、「ダンス白州」(2001-2009)と形を変えながら20年以上にわたって開催された。幅広いジャンルの第一線の実作者が世界各地から集い、神社、林の中、農道、道路、民家の中や庭、農地など、さまざまな場所を舞台に、1,000を超えるイベント、ワークショップを展開し、膨大な数のボランティアも参加していた。

1988年の「白州・夏・フェスティバル」には、それ以前の70年代から田中とのコラボレーションを試みてきた榎倉康二、高山登、原口典之が中心となって美術部会を結成し、野外美術プロジェクト《風の又三郎》が実施された。田中がアーティストたちに出した「土地を借りる交渉から制作まで、すべてアーティストが自分でやること」という条件の下に、美術部会が99年に解散するまで、総勢70人のアーティストが参画している。また、白州には多くの若いボランティアが関わり、そこから現在活躍する数々のアーティスト、建築家、クリエーター、プロデューサーが輩出されていった。

 


剣持和夫《無題》1988年


原口典之《Bussei No.11 HAKUSHU》1988年

 

本展では田中泯の全面協力の下に、その膨大な資料、写真、映像などのアーカイブや、出版、稀有な野外美術プロジェクトに参加した美術家たちのトリビュート作品などを通して、「白州」の全貌を詳らかにする。トリビュート作品として、榎倉康二による白州のためのデッサンなどの遺作、原口典之が白州で実現できなかった《オイルプール》(白州では「水のプール」)、高山登の《遊殺》のほか、フェスティバルのきっかけをつくった剣持和夫、はじまりから20年以上にわたって関わり続けた遠藤利克の作品が出展される。また、18歳の夏から10年にわたって白州に関わり続けた名和晃平は、本展ゲストキュレーターとして参画し、全体の会場構成を行なうとともに、自らの“白州時代” に制作したドローイングに加え、本展のための新作を出展する。

 


榎倉康二《干渉》1988年

 

関連イベント
オープニングセレモニー&シンポジウム ※定員に達したため、申込受付終了。
出演:田中泯、名和晃平、巻上公一、北川フラム
2022年10月29日(土)13:00-14:30(開場:12:30)
会場:市原湖畔美術館 多目的ホール
定員:60名 ※要事前申込(公式ウェブサイトを参照)
参加費:1,000円(別途要入館料)

田中泯「場踊り」
2022年11月5日(土)15:00-15:40(開場:14:30)
会場:市原湖畔美術館
定員:200名 ※要事前申込(公式ウェブサイトを参照)
参加費:一般・大高生、65歳以上=2,500円、中学生以下=1,500円(入館料込み)

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