あざみ野コンテンポラリー vol.13「CLOTH×OVER 糸と布 日常と生を綴る」@ 横浜市民ギャラリーあざみ野


 

あざみ野コンテンポラリー vol.13
CLOTH×OVER 糸と布 日常と生を綴る
2022年10月8日(土)– 10月30日(日)
横浜市民ギャラリーあざみ野
https://artazamino.jp/
開館時間:10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:10/24
企画担当:佐藤直子(横浜市民ギャラリーあざみ野学芸員)、日比谷安希子(横浜市民ギャラリーあざみ野学芸員)
展覧会URL:https://artazamino.jp/event/azamino-contemporary-20221030

 

横浜市民ギャラリーあざみ野では、「糸」「布」を素材として、「縫い」「織り」「刺繍」「染め」などの手法を通じて制作を続ける遠藤薫、小林万里子、YU SORAの3人を紹介する展覧会『CLOTH×OVER 糸と布 日常と生を綴る』を開催する。本展は、美術という枠や社会的評価にとらわれず、さまざまなジャンルのアーティストが行なっている表現活動を紹介するシリーズ展「あざみ野コンテンポラリー」の13回目の企画となる。

糸や布は、人々の生活に密着した素材として、地域の歴史や文化に根ざして発展を遂げ、継承されてきたものも多く、その土地ごとの独自性を持つ。同時に、それらは人類の長い歴史とともに歩んできたことから、普遍性を包含した素材だということも推知することができる。また、布は伸縮性に富み、裂いたり切断したり、縫い合わせたりすることで形を変え、人の身体や物を包み覆い、また内部と外部の境界となる機能なども果たし、日常的に触れることも多いが故に、さまざまな記憶を呼び起こし、原初的な快・不快の感覚にも深く関わるものでもある。本展では、こうした身近な素材や手法を用いながら、日常の機微、労働や手仕事の視点、ひいては生成と消滅の循環について考察したアーティストそれぞれの表現を紹介します。

 


遠藤薫《閃光と落下傘》2020年、古布 撮影:デルフィン・パロディ 提供:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)

 

遠藤薫(1989年大阪府生まれ)は、沖縄や東北をはじめ国内外で、その地に根ざした工芸と歴史、生活と密接な関係にある政治の関係性を紐解き、主に染織技法による作品を発表している。布の生と人々の生を、自身の身体を用いて「使う」ことでパフォーマティブにトレースし、工芸の本質を拡張することを制作の核とする。近年の主な展示に『琉球の横顔』(沖縄県立博物館・美術館、2021–2022)、『Welcome, Stranger, to this Place』(東京藝術大学大学美術館 陳列館、2021)、『第13回 shiseido art egg』(資生堂ギャラリー、東京、2019 ※shiseido art egg賞受賞)など。現在開催中の国際芸術祭「あいち2022」では、一宮市博物館豊島記念資料館で作品を発表している。

小林万里子(1987年大阪府生まれ)は、織る、染める、編む、刺すといったテキスタイル技法を用い、多様な素材を組み合わせることで、世界に存在するさまざまな結びつきを表現してきた。重層的に織りなされる色や形によって現れる混沌のイメージの中から、生命の本質的な姿を描き出すことを試みている。近年の主な個展に『オーバーストーリー』(KOTARO NUKAGA、東京、2021)、『All of the world』(s+arts gallery、東京、2019)、『青にめざめ、赤にねむる』(Art for Thought、東京、2018)、『循環の森』(FEI ART MUSEUM、神奈川、2018)、主なグループ展に『Reborn-Art Festival 2021-22』(石巻)、『FIBER&FACES 12+1ー変容する繊維ー Metamorphosis』(アーツ千代田3331、東京、2019)、『六本木アートナイト2015(WS)』などがある。

YU SORA(1987年韓国京畿道生まれ)は、日本と韓国を拠点に、災害や事故などで突然失うこともある日常や些細な日々をテーマに、白く柔らかい布に黒い糸で刺繍を施し、日常の風景を記録するような立体・平面作品を通じて、日常とは何かについて問い直すような空間をつくりだしている。近年の主な個展に『普通の日』(A-Lab、尼崎、2021)、『些細な記念日』(Gallery Lotte、ソウル、2018)、『普通の日』(Stay gold、ソウル、2018)、『引越し』(YCC Gallery、横浜、2017)、主なグループ展に『Art Award Tokyo Marunouchi』(新丸ビル、東京、2020)、『彫刻の家』(旧平櫛田中邸、東京、2019)、『中山英之展 , and then』(TOTO ギャラリー間、東京、2019)、『六本木アートナイト 2019』(Tokyo Midtown 六本木、東京)などがある。

 


小林万里子《Apotheosis》2019年、土、粘土、珪藻土、木綿、麻、羊毛、アクリルガッシュ/h.110×w.150cm


ユ・ソラ《日々をかさね》2022年、ミクストメディア、インスタレーション

 

関連イベント
出品作家によるクロストーク
出演:遠藤薫、小林万里子、YU SORA
2022年10月8日(土)14:00-15:30
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 3階アトリエ
定員:40名(要事前申込、先着順)
料金:500円(当日支払)
※申込方法は公式ウェブサイトを参照。

ワークショップ「私たちの住んでいる家」
講師:ユ・ソラ
2022年10月22日(土)14:00-16:00
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 3階アトリエ
対象・定員:小学生以上・10グループ(要事前申込、先着順)
料金:1,000 円/ 2人目以降 500円(当日支払)
※申込方法は公式ウェブサイトを参照。

あざみ野カレッジ企画展関連講座
「ルース・アサワの芸術」

講師:沢山遼(美術批評)
2022年10月29日(土)14:00-16:00
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 3階アトリエ
定員:40名(要事前申込、先着順)
料金:一般 1,000 円/カレッジご登録者 500円(いずれも当日支払)
※申込方法は公式ウェブサイトを参照。

担当学芸員によるギャラリートーク
2022年10月23日(日)14:00-14:30
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1

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