ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術 @ 兵庫県立美術館


ドロテ・フィッシャーとコンラート・フィッシャー 1969年 Photo: Gerhard Richter

 

ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術
2022年3月26日(土)– 5月29日(日)
兵庫県立美術館
https://www.artm.pref.hyogo.jp/
開館時間:10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月
担当学芸員:河田亜也子(兵庫県立美術館学芸員)
※招待チケットプレゼントあり

 

兵庫県立美術館では、20世紀後半のアートに決定的な変革をもたらしたミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを振り返るとともに、その国際的な展開において重要な役割を担ったコンラート・フィッシャーとドロテ・フィッシャーの貴重な資料から作品制作のプロセスを紐解く展覧会『ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術』を開催する。昨秋よりDIC川村記念美術館、愛知県美術館と巡回してきた本企画も、兵庫県立美術館が最後の展示会場となる。

本展タイトルに並ぶ、1960-70年代に台頭したふたつの美術の潮流「ミニマル」と「コンセプチュアル」。主に1960年代のアメリカ合衆国で展開したミニマル・アートは、作家の手仕事やその痕跡を廃し、工業用素材や既製品を用いて、単純で幾何学的な形やその反復から成る作品を指す。ミニマル・アートに続いて現れ、同時代に国際的な広がりを見せたコンセプチュアル・アートは、物質的な制作物以上に、その元となるコンセプトやアイデアを重視した作品を指し、そこでは特定の形式に縛られることなく、言葉や印刷物、日用品、作家自身の行為、それを記録する写真や映像など、多様な媒体が用いられた。

 


ソル・ルウィット《ストラクチャー(正方形としての1、2、3、4、5)》1978–1980年 滋賀県立美術館 ©️2021 The LeWitt Estate


ソル・ルウィット《モデュラー・ストラクチャーのためのワーキング・ドローイング》1970年 ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館 ©️2021 The LeWitt Estate; Foto: Achim Kukulies, Düsseldorf

 

本展タイトルの副題に挙げられたドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻は、1967年にデュッセルドルフにギャラリーを開き、こうした同時代の動向が国際的に展開する上で、ギャラリーという立場から重要な役割を担った。フィッシャー夫妻は展覧会を手掛けた作家たちの作品を収集するだけでなく、その制作過程に関わる書簡や指示書、ドローイングといった多彩な資料も保管しており、現在、それらのコレクションは、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館に収蔵されている。

本展では、同美術館の全面的な協力のもと、フィッシャー夫妻旧蔵の貴重な作品と資料、ならびに日本国内に所蔵される主要作品を通じて、「工業材料と市販製品」「規則と連続性」「数と時間」「「絵画」の探究」「場への介入」「枠組みへの問いかけ」「歩くこと」「知覚」「芸術と日常」の9つの章立ての下に「ミニマル」と「コンセプチュアル」のふたつの芸術動向を振り返る。

 


ゲルハルト・リヒター《エリザベート(CR104-6)》1965年 東京都現代美術館
©️Gerhard Richter 2021 (07042021)

 

関連イベント
講演会「ミニマル/コンセプチュアルって何?現代美術の楽しみ方」
講師:林寿美(インディペンデント・キュレーター)
2022年4月9日(土)14:00–15:30(開場:13:30–)
会場:兵庫県立美術館ミュージアムホール
定員:110名(先着順)
※要観覧券、芸術の館友の会会員優先座席あり

学芸員による解説会
2022年4月23日(土)、5月7日(土)各日:15:00–15:45(開場:14:30–)
会場:兵庫県立美術館レクチャールーム
定員:40名(先着順)

こどものイベント
※詳細決まり次第、公式ウェブサイトに掲載

 


ギルバート&ジョージ《アーチの下で(ボックス)》1969年 ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館
©️2021 Gilbert & George; Foto: Achim Kukulies, Düsseldorf

 


巡回情報
DIC川村記念美術館
2021年10月9日(土)– 2022年1月10日(月・祝)

愛知県美術館
2022年1月22日(土)- 3月13日(日)

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