VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち


川内理香子《Raining Forest》油彩、カンヴァス、227.3cm×363.6cm×6cm

 

VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち
2022年3月11日(金)– 3月30日(水)
上野の森美術館
https://www.ueno-mori.org/
開館時間:10:00–17:00 入館は閉館30分前まで
会期中無休
展覧会URL:https://www.ueno-mori.org/exhibitions/voca/2022/
※招待チケットプレゼントあり

 

現代美術における平面表現において、国際的に通用する将来性のある若い作家の支援を目的とする『VOCA展2022 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち』が、3月11日から3月30日までの20日間にわたり、上野の森美術館で開催される。

VOCA展は、実行委員会が依頼した日本全国の美術館学芸員、美術を専門とする研究者、ジャーナリストらが、それぞれ40歳以下の作家1名(組)を推薦し、推薦された作家全員に展覧会への出品を依頼する形式を採用しており、東京以外に拠点を置く作家の作品を東京で紹介する機会も担っている。展覧会に先立って行なわれる選考会を通じて、出品作家の中からVOCA賞を含む各賞の受賞者を決定。本年度は、家村珠代(選考委員長/多摩美術大学教授)、荒木夏実(東京藝術大学准教授)、植松由佳(国立国際美術館学芸課長)、川浪千鶴(インディペンデント・キュレーター)、前山裕司(新潟市美術館館長)が選考委員を務めた。

出品作家33名(組)からVOCA賞に選ばれたのは、川内理香子(1990年東京都生まれ)。受賞対象となった《Raining Forest》は、動物たちや臓器、星々が、塗り重ねられた油絵具から彫り出すように描かれた3メートルを超える絵画作品。「食」への違和感と興味を抱く作家による〈Mythology(神話)〉シリーズの代表作で、「自己と他者、内部と外部といった境界が曖昧な内臓の襞のようであり、グローバル化と分断が支配する現代に多層的な問題を提起している」と推薦した森啓輔(千葉市美術館学芸員)はコメントを寄せる。選考委員長を務めた家村は、「皮膜のように重ねられた柔らかい絵具層から、植物、動物、内臓、文字が、自然に浮かび上がってきているように見える。その一方で、頓着のなさを装って意図的に刻まれた痛々しい傷のようにも見えた。ひとつの細部に向かう視線が、他の細部へと加速度的に繋がり、イメージが交代する。イメージの生成を問い直す秀作である」と選考所感を述べている。

 


鎌田友介《Japanese houses (Taiwan/Brazil/Korea/U.S./Japan) 》アクリル塗料・インク・鉄・アクリル板・インクジェットプリント・紙・韓国に存在した日本家屋の部材、木材 227.5×364×18cm


近藤亜樹《ぼく ここにいるよ》アクリル、木製パネル 194.5×162.5×5cmが2枚

 

次点となる奨励賞には、鎌田友介(1984年神奈川県生まれ)と近藤亜樹(1987年北海道生まれ)、佳作賞には、谷澤紗和子(1982年大阪府生まれ)と堀江栞(1992年フランス生まれ)がそれぞれ選出された。なお、大原美術館が独自に選考する大原美術館賞には小森紀綱(1997年鹿児島生まれ)が選出された。受賞者によるトークは、会期中に公式ウェブサイトで公開する予定。

『VOCA展』会場に隣接する上野の森美術館ギャラリーでは、関連企画として、『青野文昭 どこから来てどこへ向かうのか』を同時開催。VOCA展2001出展作家の青野文昭がインスタレーションを発表する。また、2023年に30周年を迎えるVOCA展を第1回開催(1994)より協賛し、VOCA賞受賞作品を収蔵してきた第一生命保険株式会社(以下、第一生命)では、第一生命ロビーにて、過去のVOCA賞受賞作品29点すべてを公開する『VOCA 30 Years Story / Tokyo』を3月11日から11月30日まで開催する(2022年VOCA賞受賞作品は4月以降に展示)。同展は、第一生命ロビーでの展示終了後に、『VOCA 30 Years Story / Kobe』として、兵庫県立美術館王子分館の原田の森ギャラリーでの展示を予定している。

 

出品作家(50音順)
泉川のはな、大関智子、尾関諒、加藤笑平、鎌田友介、川内理香子、川島崇志、木浦奈津子、小森紀綱、是恒さくら、近藤亜樹、THE COPY TRAVELERS(加納俊輔、迫 鉄平、上田 良)、齋藤春佳、柵瀨茉莉子、塩原有佳、System of Culture(小松利光、佐々木祐真)、髙田裕大、多田圭佑、舘田美玖、谷澤紗和子、張小船[Boat ZHANG]、手嶋勇気、長原勲、野原万里絵、平田尚也、藤田紗衣、堀江栞、水上愛美、武藤江美奈、村田啓、むらたちひろ、本山ゆかり、ユアサエボシ

 

関連イベント
※受賞者によるトークは、会期中に公式ウェブサイトにて公開予定。

 


谷澤紗和子《はいけい ちえこ さま》アクリル、紙・解体された家屋の廃材・アクリル板 上段左から 86×88×5 cm 96×96×5 cm 70×50×5 cm 下段左から 96×97×5 cm 60×72×5 cm 86×88×5 cm


堀江栞《〈後ろ手の未来〉#2、〈後ろ手の未来〉#3、〈後ろ手の未来〉#4、〈後ろ手の未来〉 #5、〈後ろ手の未来〉#6》 岩絵具・膠、綿布・和紙・木枠 194×60×3.5cmが5枚


小森紀綱 《絵画鑑賞》油彩・アクリル・膠、麻布・木製パネル 194×390×3.2 cm

 


同時開催
青野文昭 どこから来てどこへ向かうのか
2022年3月11日(金)– 3月30日(水)
上野の森美術館ギャラリー
開場時間:10:00–17:00

VOCA 30 Years Story / Tokyo
2022年3月11日(金)– 11月30日(水)
第一生命ロビー(東京都千代田区有楽町1-13-1 第一生命保険株式会社 日比谷本社1F)
開場時間:8:00–20:00
会期中無休

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