リン・ハーシュマン・リーソン『!Women Art Revolution』上映会 @ KAG


リン・ハーシュマン・リーソン『!Women Art Revolution』

リン・ハーシュマン・リーソン『!Women Art Revolution』上映会
2022年2月11日(金)17:00–18:30 2022年5月14日(土)15:00ー16:30
特別講座:片岡真実(森美術館館長)
2022年2月11日(金)19:00–20:30 2022年5月14日(土)17:00ー18:30
Cafe & BAR KAG(岡山県倉敷市阿知3丁目1-2)
https://hostel-kag.jp/
EEE(Education, Education and Education)プロジェクト:http://www.kuragei.com
定員:40名
鑑賞料:1,000円(学生無料)
協力:株式会社クラビズ
※要予約(予約ページ

ゲリラガールズの個展や『パンク!日常生活の革命』など、数々の企画を実施している岡山・倉敷を拠点とするEEEプロジェクトは、メディアアートを代表するアーティストのひとりとして知られるリン・ハーシュマン・リーソンが、長きにわたって美術界におけるフェミニズム運動を取材したドキュメンタリー映画『!Women Art Revolution』の上映会を倉敷市内のCafe & BAR KAGで開催する。

リン・ハーシュマン・リーソン(1941年オハイオ州クリーブランド生まれ)は、写真や映像、パフォーマンス、インスタレーション、そして、先端的なテクノロジーを取り入れた表現を通じて、人間とテクノロジーの関係、アイデンティティ、政治的抑圧とメディアの関係など、現代社会が抱える諸問題を探究してきた。代表作のひとつに挙げられるパフォーマンス《Roberta Breitmore》(1973–78)では、架空の人物「ロバータ・ブライトモア」に扮して、銀行口座を開いたり、クレジットカードをつくったり、アパートを借りたりするなど、現実社会の中でオルター・エゴとしての生活を演じた。そのほか、レーザーディスク技術を使用した最初期のインタラクティブ・アートとして言及される《Lorna》(1984)や、コンピューター・ネットワーク上のアイデンティティや人工知能、クローン技術などに言及した映画『Teknolust』(2002)など、常に同時代のテクノロジーに関心を持ちつづけ、近年はロボットやスマートフォン、再生医療や遺伝学の最先端のテクノロジーなどを取り入れた制作も展開している。

1960年代後半より第42回ヴェネツィア・ビエンナーレ(1986)や『WACK!: Art and the Feminist Revolution』(ロサンゼルス現代美術館、2007)を含む数々の展覧会で作品を発表。2014年に開かれた大規模な回顧展『Civic Radar』は、カールスルーエのZKMを皮切りに、ダイヒトールハーレン(ハンブルク)、レームブルック美術館(デュイスブルク)、イエルバ・ブエナ・アートセンター(サンフランシスコ)を巡回。2021年には、ニュー・ミュージアムで大規模な回顧展『Twisted』が開催された。


リン・ハーシュマン・リーソン

『!Women Art Revolution』は、リン・ハーシュマン・リーソンが40年以上にわたって取材した膨大なインタビュー素材や作品資料、アーカイヴをまとめ、フェミニスト・アート・ムーブメントがいかにしてアートと政治を融合し、美術界を根底から覆してきたのかを明らかにする。ジュディ・シカゴ、ゲリラ・ガールズ、ローズリー・ゴールドバーグ、ハーモニー・ハモンド、アナ・メンディエタ、アーリーン・レイブン、ハワルデナ・ピンデル、ルビー・リッチ、レイチェル・ローゼンタール、ローリー・ストークス・シムズ、ナンシー・スペロなど、ムーブメントの一端を担ったアーティストやキュレーター、批評家、美術史家が、1960年代の反戦運動や公民権運動の影響によるムーブメントの契機から、1970年代に広がったフェミニスト・アートの発展の歴史を詳述し、その射程は、ジェンダーから人種、階級、セクシュアリティの複雑さについての新しい捉え方まで多岐にわたる。

本作上映後、同会場にて森美術館館長の片岡真実による特別講座を開催。片岡は、昨年から今年にかけて森美術館で開催された『アナザーエナジー展:挑戦しつづける力—世界の女性アーティスト16人』で、本作にも出演したスザンヌ・レイシーを含む、男性中心的な価値観が支配的な位置を占めてきた美術界で50年以上にわたって創作活動を続けてきた女性アーティストを紹介している(マーティン・ゲルマンとの共同企画)。


リン・ハーシュマン・リーソン『!Women Art Revolution』(字幕/山瀬世韻、監訳/清水知子(筑波大学))


リン・ハーシュマン・リーソン『!Women Art Revolution』(字幕/山瀬世韻、監訳/清水知子(筑波大学))

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