新・今日の作家展2021 日常の輪郭 @ 横浜市民ギャラリー


 

新・今日の作家展2021
日常の輪郭
2021年9月18日(土)– 10月10日(日)
横浜市民ギャラリー 展示室1階B1階
http://ycag.yafjp.org/
開館時間:10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:9/20(月・祝)
企画担当:大塚真弓(横浜市民ギャラリー学芸員)
出品作家:田代一倫、百瀬文

 

横浜市民ギャラリーでは、同時代の表現を多角的に取り上げ、幅広い世代の作家の作品を通して現代美術を考察する企画展『新・今日の作家展2021 日常の輪郭』を開催する。本年度は「日常の輪郭」を副題に、田代一倫、百瀬文の作品を紹介する。

本企画は、横浜市民ギャラリーが開館した1964年から2006年まで開催していた「今日の作家展」を継承する形で、2016年に「新・今日の作家展」と改名し、毎年、異なる副題の下に、複数のアーティストを紹介している。東日本大震災や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行をはじめ、大小さまざまな思いがけない事象の発生や進行は、身近で当たり前であった日常を、めまぐるしく、あるいはゆるやかに変容していく。その変容の過程で、私たちは変化に逡巡したり、順応したりしながら日々を送りながら、一方で、変わることのない、繰り返される日常を改めて意識することもある。本展では、出来事の複層性や自己と他者との関係性のゆらぎをあらわす作品を通じて、なにげなく過ごしていた時間を思い起こしたり、見慣れた環境や物事を再認識したりすることにより、私たちの日常の曖昧な輪郭をとらえながら「今日」に向き合うきっかけを提示する。

 


左:田代一倫《はまゆりの頃に》より、2013年 中:田代一倫《ウルルンド》より、2017年 右:田代一倫《横浜》より、2021年


田代一倫《はまゆりの頃に》より、2012年 ※参考作品

 

田代一倫(1980年福岡県生まれ)は、故郷・福岡を含む九州北部や韓国、東日本大震災以降の三陸や福島など各地を訪ね、それぞれの土地と人、地域性との新鮮な出会いから肖像写真を撮影している。2006年には写真家たちが福岡で運営するアジア フォトグラファーズギャラリーの設立、運営に参加し、2009年には東京のphotographers’ galleryの運営に参加。2010年に九州産業大学大学院博士課程造形表現専攻を満期退学。近年の個展に『2011-2020 三陸、福島/東京』(ふげん社、東京、2021)、『2011-2020 三陸、福島/東京/新潟』(砂丘館、新潟、2020)、『ウルルンド』(photographers’ gallery、東京、2017)など。近年のグループ展に『近くへの遠回り』(ウィフレッド・ラム現代芸術センター、キューバ、2018)、『東京・TOKYO 日本の新進作家vol.13』(東京都写真美術館、2017)、『歴史する! Doing history!』(福岡市美術館、2017)など。これまでに『はまゆりの頃に 三陸、福島 2011〜2013年』(里山社、2013)、『ウルルンド』(KULA、2017)といった写真集を発表している。

 


百瀬文《Born to Die》2020年


百瀬文《Flos Pavonis》2021年

 

百瀬文(1988年東京都生まれ)は、人と人とのコミュニケーションの間に生じる欲望や抑圧、身体のあり方を主題に制作を展開している。2013年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了。主な個展に『I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U』(EFAG East Factory Art Gallery、東京、2020)『サンプルボイス』(横浜美術館アートギャラリー1、2014)など。主なグループ展に『彼女たちは歌う』(東京藝術大学 美術館陳列館、2020)、『六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声』(森美術館、東京、2016)、『アーティスト・ファイル2015 隣の部屋——日本と韓国の作家たち』(国立新美術館、東京、2015/韓国国立現代美術館(果川館)、2015-16)などがある。また、その映像作品は京都国立近代美術館や韓国国立現代美術館をはじめ国内外で紹介されており、そのほか、パフォーマンスも発表しており、2021年にはシアターコモンズ ’21にて《鍼を打つ》(SHIBAURA HOUSE、東京、2021)を上演している。

 


百瀬文《山羊を抱く/貧しき文法》2016年

 

関連イベント
対談「身体の管理/抑圧と欲望の関係について」
百瀬文 x 清水知子(文化理論家/筑波大学准教授)
2021年9月25日(土)14:00–15:30
会場:横浜市民ギャラリー4階アトリエ
定員:25名(応募多数の場合は抽選)
申込締切:9月5日(日)既に申込終了
※参加無料、手話通訳付き

対談「肖像写真とスナップショット」
田代一倫 x 倉石信乃(写真批評家/明治大学教授)
2021年10月2日(土)13:30–15:00
会場:横浜市民ギャラリー4階アトリエ
定員:25名(応募多数の場合は抽選)
申込締切:9月12日(日)
※参加無料、手話通訳付き

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