ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」−森村泰昌 ワタシガタリの神話 @ アーティゾン美術館


森村泰昌《ワタシガタリの神話》2021年(映像作品)より 作家蔵

 

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌
M式「海の幸」-森村泰昌 ワタシガタリの神話
2021年10月2日(土)– 2022年1月10日(月・祝)
アーティゾン美術館 6階展示室
https://www.artizon.museum
開館時間:10:00–18:00(金曜は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(1/10は開館)、12/28-1/3
企画担当:田所夏子(アーティゾン美術館学芸員)、伊藤絵里子(アーティゾン美術館学芸員)
※日時指定予約制

 

アーティゾン美術館では昨年の鴻池朋子に続いて、森村泰昌を迎え、石橋財団コレクションとアーティストの共演により生み出される新たな視点でつくりだす企画展『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」−森村泰昌 ワタシガタリの神話』を開催する。

森村泰昌(1951年大阪府生まれ)は、1985年に制作したゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真以降、絵画の登場人物や映画女優、歴史上の人物に変装し、独自の解釈を加えて再現する「自画像的作品」をテーマに制作を続けている。これまでに国内外の数多くの展覧会で作品を発表しており、近年の主な個展に『Theater of the Self』(アンディ・ウォーホル美術館、2013-2014)、『森村泰昌:自画像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき』(国立国際美術館、2016)、『森村泰昌:エゴオブスクラ東京 2020―さまよえるニッポンの私』(原美術館、2020)、『ほんきであそぶとせかいはかわる』(富山県美術館、2020)などがある。2018年には大阪の北加賀屋に『モリムラ@ミュージアム』を開館。制作活動のみならず、ヨコハマトリエンナーレ2014ではアーティスティック・ディレクターを務め、『自画像のゆくえ』(光文社新書、2019)をはじめとする数多くの著書を出版している。

 


青木繁《自画像》1903年 石橋財団アーティゾン美術館蔵


森村泰昌《自画像/青春(Aoki)》2016/2021年 作家蔵

 

これまでに数々の人物に扮してきた森村が本展で向き合うのは、日本近代美術史を代表する洋画家のひとりである青木繁。森村はこれまでにも《自画像》(1903)の青木に扮したセルフ・ポートレイト《青春の自画像(青木繁/若者)》(2016)や、《海の幸》(1904)にインスピレーションを得た映像作品《海の幸・戦場の頂上の旗》(2010)を制作するなど、石橋財団が所蔵する青木作品に取り組んでいた。本展では、青木の代表作のひとつですぐれた構想力と大胆な表現法によって注目され、完成か未完成かの議論を呼ぶなど大きな反響を呼んだ《海の幸》に、改めて向き合い、同作品が制作された明治期以降の日本の文化、政治、思想などの変遷史を“森村式”、略して“M式”「海の幸」として形象化し、青木への熱い想いを新たなる作品シリーズへと昇華する。

 


青木繁《海の幸》1904年(重要文化財)石橋財団アーティゾン美術館蔵


森村泰昌《M式「海の幸」習作(色合わせ01:假象の創造)》2020年 作家蔵

 

序章を含む全5章で構成される本展には、石橋財団コレクションの青木作品約10点と、そのほとんどが本展のために制作された新作となる森村作品約60点が出品される。序章では、前述した青木の《自画像》と、青木に扮した森村作品《自画像/青春(Aoki)》(2016/2021)が対面。第1章には《海の幸》をはじめ、《海》(1904)、《わだつみのいろこの宮》(1907)など、「海」や「神話」に関する青木作品を、森村独自の作品解釈やコメントともに紹介する。第2章では、森村が《海の幸》をテーマに10点の連作を制作するプロセスを、スケッチや資料、記録映像などで紹介。第3章では明治から21世紀に至るまでの世相を反映した絵巻物的な世界を《海の幸》の変装(奏)曲として表現し、幅約3メートルのM式「海の幸」10 点が円環状に構成される大規模なインスタレーションで展開。さらに最終章の第4章では、青木に扮した森村によるワタシガタリの映像作品が上映される。

 


森村泰昌《M式「海の幸」第2番:それから》2021年 作家蔵


森村泰昌《M式「海の幸」第7番:復活の日2》2021年 作家蔵


森村泰昌《M式「海の幸」第9番:たそがれに還る》2021年 作家蔵


森村泰昌《ワタシガタリの神話》2021年(映像作品)より 作家蔵

 


 

同時開催
石橋財団コレクション選
「印象派ー画家たちの友情物語」「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」
2021年10月2日(土)– 2022年1月10日(月)
アーティゾン美術館5階(印象派— 画家たちの友情物語)
4階展示室(特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン)

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