リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真 @ 東京都写真美術館


マレイ・クラーク《ロング・ジャーニー・ホーム2》2018年 ©Maree Clarke, courtesy of Vivien Anderson Gallery

 

リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真
2021年8月24日(火)- 10月31日(日)
東京都写真美術館 3階展示室
https://topmuseum.jp/
開館時間:10:00-18:00
休館日:月(ただし、8/30、9/30は開館)、9/21
共同企画:ナタリー・キング(メルボルン大学教授)
参加アーティスト:マレイ・クラーク、ローズマリー・ラング、ポリクセニ・パパペトロウ、ヴァル・ウェンズ、石内都、片山真理、畠山直哉、横溝静

 

東京都写真美術館はメルボルン大学の協力の下、同大学教授のナタリー・キングとの共同企画『リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真』を開催する。日本とオーストラリアの現代写真を通して、現代を生きる私たちに共通する問題意識を考察する本展は当初、2020年度の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響のために開催延期となっていた。

想像をはるかに超える出来事が起こる現代において、写真表現はどのような意味を持つのだろうか。オーストラリアにおける植民地時代の先住民の放逐、近代から発達した多文化主義への指向、大陸の40%を非居住地域が占める自然環境、そして、日本における原爆投下の記憶、東日本大震災に代表される大規模な災害の経験。写真を通して、いかにこうした問題や出来事に向き合うことができるのだろうか。本展では、日本とオーストラリアの二国間における歴史的背景、文化、環境などの差異を拾い上げながら、二項対立と思われているもの―過去と未来、経験と未知、記憶と忘却、生と死―の間を行き来し、その循環から、可逆的な思考という新たな視座の発見を目指す。会期中には、国際シンポジウムをオンラインで開催予定。詳細は後日、公式ウェブサイトに掲載される。

 


ポリクセニ・パパペトロウ《私を生む》〈私の心―まだ彼女のことでいっぱい〉より 2018年 ©Polixeni Papapetrou, courtesy of Michael Reid Gallery, Jarvis Dooney Galerie


ヴァル・ウェンズ《カワァ・イジェン4(イジェン火山の噴火口、インドネシア)》〈バニュワンギ〉より 2018年 ©Val Wens, courtesy of KRONENBERG MAIS WRIGHT

 

本展共同企画者のナタリー・キングは、第57回ヴェネツィア・ビエンナーレのオーストラリア館で、同館初のアボリジナルのアーティストとなったトレイシー・モファットの個展のキュレーターを務めるなど、国内外で数々の展覧会を手掛けてきた同国を代表するキュレーターのひとり。日本でも1998年に佐賀町エキジビット・スペースでオーストラリアからの滞在作家4名による成果展を企画し、1999年には国立国際美術館で本展出品作家のローズマリー・ラングの個展が開かれた際にゲストキュレーターを務めた。東京都写真美術館でも2004年にモファットら9組のオーストラリアのアーティストを紹介する『世界は歪んでいる。─Supernatural Artificial』、2006年に『オーストラリア現代作家 デスティニー・ディーコン展』のキュレーションを手掛けた。モファットやディーコン、そして、本展出品作家のマレイ・クラークもそうであるように、アボリジナルのアーティストとの協働も数多く、現代アボリジナルアートの批評家兼アーティストの第一人者として知られるジョン・ムンダインとともに『Shadowlife』(2012-13)やタラワラ・ビエンナーレ2014などの共同キュレーションも手掛けている。さらに、来年2022年の第59回ヴェネツィア・ビエンナーレのニュージーランド (アオテアロア)館で開かれる同館初の太平洋諸島出身のインディジナスのアーティスト、ユキ・キハラの個展のキュレーターにも任命されている。そのほか、書籍、カタログ、雑誌への寄稿も多数あり、本展出品作家のポリクセニ・パパペトロウも取り上げた、オーストラリアの女性アーティストを紹介する「Mini monograph」シリーズ(テムズ&ハドソン・オーストラリア)の編集も手がけている。

 


石内都《ひろしま #88 donor: Okimoto, S.》2010年 ©Ishiuchi Miyako,
courtesy of The Third Gallery Aya


横溝静《That Day / あの日》2020年 ©Yokomizo Shizuka, courtesy of Wako Works of Art

 

 


 

同時開催
山城知佳子 リフレーミング
2021年8月17日(火)- 10月10日(日)
東京都写真美術館 地下1階展示室

宮崎学 イマドキの野生動物
2021年8月24日(火)- 10月31日(日)
東京都写真美術館 2階展示室

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