髙柳恵里「デモンストレーション」@ タリオンギャラリー


髙柳恵里 、デモンストレーション(イメージ)、2021年

 

髙柳恵里「デモンストレーション」
2021年6月5日(土)- 7月4日(日)
タリオンギャラリー
https://taliongallery.com/
開館時間:11:00-19:00
休館日:月、火、祝

 

タリオンギャラリーでは、日常的な事物や状況に微細な作用を加えることで、物の見方に変化をもたらす作品で知られる髙柳恵里の新作個展「デモンストレーション」を開催する。同ギャラリーでは2017年の『事実』以来4年ぶりの個展となる本展は、当初、5月8日から6月6日の開催を予定していたが、緊急事態宣言の延長および東京都による休業協力依頼を受け、会期を変更しての開催となる。

髙柳恵里(1962年神奈川県生まれ)は、事物や状況と分かちがたく結びついた認識のテクスチュアリティを解きほぐす一貫した制作態度で、30年以上にわたってラディカルかつ脱臼的な制作を試みている。1990年代に『第10回ハラアニュアル』(原美術館、1990)、『彫刻の遠心力-この十年の展開』(国立国際美術館、1992)、『MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム』(東京都現代美術館、1999)などに出展し、2003年には国立国際美術館の「近作展」シリーズで個展『近作展28 髙柳恵里』を行なう。その後も『油断』(上野の森美術館ギャラリー、2014)など、国内の複数のギャラリーで個展を重ねつつ、『20世紀美術探検—アーティストたちの三つの冒険物語—』(国立新美術館、2007)、『彫刻と呼ばれる、隠された場所􏰁墓は語るか』(武蔵野美術大学美術館、2013)、『MOTコレクション特別企画 クロニクル1995-』(東京都現代美術館、2014)、『MOMATコレクション 特集:「今」とかけて何と解く?』(東京国立近代美術館、2020)などの企画展、コレクション展に出品している。

実演、立証、論証といった意味を持ち、恣意的行動を含意する言葉である「デモンストレーション」を展覧会タイトルとする本展。最小限の身振りや演出、配置によって、所与の世界を塗り替える実践を積み重ねてきた髙柳は、本展において、作品を展示することを「デモンストレーション」と捉え、そこに示されるあからさまな現実に直面することを企図する。実物を用いてリアリティを証し立てることがデモンストレーションであるとするなら、そこで実演されているものとは、その機能とは、そして、その立証をどこに見るのだろうか。また、そのように意識を差し向けられた展示とはいかなるもので、その作品とは何であり得るのだろうか。

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