さわひらき『/home』@ オオタファインアーツ


さわひらき《/home》2017-21年、シングルチャンネルビデオ(ステレオ、カラー)9分24秒

 

さわひらき『/home』
2021年2月20日(土)- 4月3日(土)
オオタファインアーツ
http://www.otafinearts.com/
開廊日時:11:00-18:00
休廊日:日、月、祝

 

オオタファインアーツでは、日常的な風景に寓話的イメージをそっと重ねた幻想的な情景を描き出す映像作品で知られるさわひらきの同画廊7年ぶりとなる個展『/home』を開催する。

さわひらき(1977年石川県生まれ)が描き出す幻想的な情景は、鑑賞者がそれぞれの日常で経験しているにもかかわらず、はっきりとした形で定着していない記憶と共鳴し、重なり合い、新たなイメージをつくりだす。2000年代前半にロンドン大学スレード校在学時に発表した映像作品《dwelling》で注目を集めたさわは、以来、シングルチャンネルの映像作品のみならず、マルチスクリーンや音響効果という要素を加えた展示構成を試行するなど、さまざまな仕方で映像表現の可能性を探究している。これまでに、ビクトリア国立美術館(メルボルン、2006)、チゼンヘール・ギャラリー(ロンドン、2007)、東京オペラシティ現代アートギャラリー(2014)、KAAT神奈川芸術劇場(2018)、ナバーラ大学美術館(スペイン、2019)などで個展を開催、横浜トリエンナーレ2005やアジア・パシフィック・トリエンナーレ6(ブリスベン、2009)、『アーティスト・ファイル 2008―現代の作家たち』(国立新美術館)、第17回シドニー・ビエンナーレ(2010)、第12回リヨン・ビエンナーレ(2013)、『六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声』(森美術館)、第11回恵比寿映像祭(2019)『開館30周年記念展 ふたつのまどか ー コレクション×5人の作家たち』(DIC川村記念美術館、2020)など国内外の企画展や国際展に数多く参加している。

 


さわひらき《/home》2017-21年、シングルチャンネルビデオ(ステレオ、カラー)9分24秒

 

本展タイトルと同名の映像作品《/home》は、2017年にさわの両親の転居を機に家具がすべて取り払われたかつての実家で撮影が行なわれた。壁紙のシミや家具の跡など、かつての生活の面影が色濃く残る空間は、さわだけでなく、鑑賞者もまたそこに自分自身の記憶を重ね、それぞれが経験してきた時間を想起させるものとなるだろう。さわは、海外に拠点を移し、長く活動する間も心の拠り所としていた「家(home)」の喪失を経て、自身を近代にはじまったニュータウン的幻想の中で生まれ育ったと位置づけるようになったという。本展では、上述した映像作品《/home》(2017-2021)だけでなく、そのニュータウン的幻想に着目した新作の平面作品も発表する。

 


さわひらき《/home》2017-21年、シングルチャンネルビデオ(ステレオ、カラー)9分24秒


さわひらき《/home》2017-21年、シングルチャンネルビデオ(ステレオ、カラー)9分24秒

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