澤田知子 狐の嫁いり @ 東京都写真美術館


澤田知子《ID400》#001-100 1998年 自動証明写真機で撮影したオリジナルプリント
ゼラチン・シルバー・プリント(100枚組4点/4枚組1点) 東京都写真美術館蔵

 

澤田知子 狐の嫁いり
2021年3月2日(火)- 5月9日(日)※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止における東京都の緊急事態宣言による要請をふまえ、4/25から臨時休館のため展覧会中止
東京都写真美術館 2階展示室
http://www.topmuseum.jp/
開館日時:10:00-18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5/3は開館)
企画担当:遠藤みゆき(東京都写真美術館学芸員)
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う催物の開催制限、施設の使用制限など、諸般の事情により変更が生じる可能性あり。

 

東京都写真美術館では、ポートレイトの手法を軸に「外見と内面の関係」という問いを一貫して探究してきた澤田知子の国内初となる公立美術館における大規模個展『澤田知子 狐の嫁いり』を開催する。初期作品から最新作まで25年間におよぶ制作活動の網羅的な紹介を通じて、「セルフィー」や「自撮り」といった行為が一般化する近年において、セルフポートレイトが人々を惹きつける理由を再検証する。

澤田知子(兵庫県生まれ)の代表作《ID400》(1998)は、一般的にパスポートや履歴書用の写真撮影を目的とする自動証明写真機を使って、「変わらないはずの内面と簡単に変わる外見」というコンセプトの下、自ら400回もの変装をして撮影した写真からなる。大学の卒業制作として発表された同作は、2000年度キヤノン写真新世紀特別賞を受賞。以来、澤田は「外見と内面の関係」というテーマをシリーズ毎に切り口を変えながら考察し続けている。2004年には2003年度木村伊兵衛写真賞やNY国際写真センターヤングフォトグラファー賞を受賞、写真集『ID400』(青弓舎)を出版。国内外の数々の展覧会で作品を発表し、近年は『Performing for the Camera』(テートモダン、2016)、第9回恵比寿映像祭(東京都写真美術館、2017)、『Vigilance, Struggle, Pride: Through Her Eyes』(2018-2019、欧州複数都市を巡回)、『Your Mirror:』(ICP国際写真センター、ニューヨーク、2019)などに参加している。

 


澤田知子《cover / Face》部分 2002年 発色現像方式印画(20点組)作家蔵

 

本展は、《ID400》の貴重なオリジナルバージョンの約20年ぶりとなる展示のほか、《ID400》以前の大学在籍時に制作した澤田にとって初のセルフポートレイト作品《Untitled》(1996)といった初期作品から、ここ数年にわたって考察する「どうやって人は人を判断するのか」という疑問の下に生まれた映像作品《影法師》(2018)と、本展が初の発表機会となる最新作の写真作品《Reflection》(2020)まで、新旧の代表作を澤田自身が新たな視点で編みなおした構成となる。

 


澤田知子《FACIAL SIGNATURE》部分 2015年 発色現像方式印画(300点組)
タグチ・アートコレクション


澤田知子《影法師》2018年 シングル・チャンネル・ヴィデオ、B&W、サイレント、ループ 東京都写真美術館蔵

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