『マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在』@ 東京都現代美術館


マーク・マンダース《マインド・スタディ》2010-11年 ボンネファンテン美術館蔵 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp 
Photo: Peter Cox / Bonnefanten

 

『マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在』
2021年3月20日(土)- 6月20日(日)※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止における東京都の緊急事態宣言による要請をふまえ、4/25から5/31は臨時休館
東京都現代美術館 企画展示室3F
https://www.mot-art-museum.jp/
開館日時:10:00-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5/3は開館)、5/6

 

東京都現代美術館では、「建物としての自画像」という独自のコンセプトを30年以上にわたって追求するオランダを代表するアーティスト、マーク・マンダースの国内美術館初の個展『マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在』を開催する。

マーク・マンダース(1968年オランダ、フォルケル生まれ)は、1986年、自伝執筆の試みを契機に自身が架空の芸術家として名付けた「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みの下に構築する「建物としての自画像」というコンセプトを着想する。以来、過去の美術史や私的な記憶に基づくイメージ、彫像や言葉、家具など、さまざまなオブジェの組み合わせからなるそのすべての作品は、この「建物としての自画像」の一部となり、それは長年にわたり、改変、更新をつづけている。これまでに、サンパウロ・ビエンナーレ(1998)やドクメンタ11(2002)をはじめ数多くの国際展や企画展に参加し、2007年から2008年にかけて、自身初の回顧展『The Absence of Mark Manders』がハノーバーやゲント、チューリッヒを巡回する。また、2010年から2012年にかけて、回顧展『Parallel Occurrences/Documented Assignments』がハマー美術館を皮切りに、アスペン美術館、ウォーカー・アートセンター、ダラス美術館を巡回。2013年には第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのオランダ館代表として、個展を開催。近年はあいちトリエンナーレ2016への参加のほか、ローキンスクエア(2017年、アムステルダム)やパブリック・アート・ファンド・プログラム(2019年、セントラル・パーク、ニューヨーク)で屋外彫刻も発表している。

 


マーク・マンダース《舞台のアンドロイド(88%に縮小)》2002-14年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp Photo: Peter Cox


マーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》2011-15年 東京都現代美術館蔵 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo

 

昨年9月より、金沢21世紀美術館で画家のミヒャエル・ボレマンスとの二人展『ダブル・サイレンス』を開催しているマンダースだが、本展のために約2年前から、1000㎡の展示空間をひとつの作品=想像の建物のインスタレーションとして構築するという展示プランを温めてきた。本展では、ヴェネツィア・ビエンナーレのオランダ館にも出品されたオランダのボンネファンテン美術館が所蔵する代表作《マインド・スタディ》(2010-2011)や、ゲント現代美術館が所蔵する《夜の庭の光景》(2005)といった近年のマンダースの個展の重要な構成要素となっている作品を海外から借用し、東京都現代美術館が所蔵する《椅子の上の乾いた像》(2011-2015)などと併せて、「建物としての自画像」を構築する。展覧会タイトルにある「不在(Absence)」は、そのインスタレーションに見られる時間が凍結したような感覚や静寂、既に立ち去った人の痕跡、作家本人と架空の芸術家との間で明滅する主体など、マンダース作品を理解するためのキーワードとして複数の意味を担うものである。また、それと同時に、マンダースが作品をつくり、それを架空の建物に残していくことで常に変化を遂げてきた「建物としての自画像」が、マンダースの不在においても、常に作品として自律的に存在しつづけていることを言い表すものである。

 


マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》2017-19年
Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York
and Gallery Koyanagi, Tokyo Photo: Maris Hutchinson


マーク・マンダース スタジオ風景

 


 

同時開催
『Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展』
2021年3月20日(土)- 6月20日(日)
東京都現代美術館 企画展示室1F

『ライゾマティクス_マルティプレックス』
2021年3月20日(土)- 6月20日(日)
東京都現代美術館 企画展示室地下2F

『MOTコレクション コレクションを巻き戻す』
2021年3月20日(土)- 6月20日(日)
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