中国映画の展開――サイレント期から第五世代まで @ 国立映画アーカイブ


張暖忻『青春祭』1985年

 

中国映画の展開――サイレント期から第五世代まで
2021年1月5日(火)- 1月31日(日)
国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU(2階)
https://www.nfaj.go.jp/
休館日:月
定員:310名(各回入替制・全席指定制)※伴奏付上映の日は301名
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/chinesecinema202012/

 

国立映画アーカイブでは、中国電影資料館との共催により、戦争と革命に揺れ動きつづけた20世紀の中国で製作された計29作品(24プログラム)を上映する企画『中国映画の展開――サイレント期から第五世代まで』を開催する。

市場開放と経済成長により世界有数の市場規模を誇る中国映画だが、20世紀におけるその道のりは、日中戦争や国共内戦をはじめ、1949年の中華人民共和国の建国以降も、反右派闘争や文化大革命といった戦争と革命に揺れ動きつづけた中国社会の変動とともにあった。また、その時々の製作上の制限と葛藤しながらも。中国映画の作り手は、社会や個人に迫る矛盾や困難を観察・記録し、物語として昇華してきた。

本企画は、現存最古の中国映画『八百屋の恋』(1922)から、張芸謀、田壮壮、陳凱歌ら北京電影学院出身で若くして国際的に高い評価を受けた「第五世代」の作品まで、上海アニメーション作品や舞台劇映画といった独特のジャンルも交えながら、中国映画の歴史を回顧していく。

 


特偉、銭家駿『牧笛』1963年

 

上海を中心に先進的な映画文化が花開いた1930年代に製作された作品から、1930年代前半を席巻した映画俳優の阮玲玉の代表作『女神』(1934)、武芸に長けた花木蘭が男装の武者となり、武勲を上げて故郷に錦を飾るという唐代の伝説で、京劇の演目でもある物語を映画化した『木蘭従軍』(1939)などを上映する。また、戦争の傷跡と新中国建設への希望を描いた1940年代後半から50年代に製作された作品からは、2005年に中国映画誕生100周年を記念して香港電影金像奨が募った中国映画ベスト100の第1位に選ばれた『田舎町の春』(1948)、魯迅の同名小説を映画化し、緻密に再現したセットや、降りつづく雪など、美術の精巧さが目を引くカラー作品『祝福』(1956)、京劇と並ぶ中国二大演劇のひとつである越劇の戯曲の映画化で、すべての役を女性が演じている『追魚』(1959)などを上映する。

 


謝晋『紅色娘子軍』1961年


王為一『雑居アパート大騒動』1963年

 

産業が拡大、発展を遂げていった1950年代後半から1960年代前半の作品からは、上海で作られた舞台喜劇を、中国=香港合作で映画化した群衆喜劇の傑作『雑居アパート大騒動』(1963)や同時代を代表する監督、謝晋の『紅色娘子軍』(1961)、『舞台の姉妹』(1965)を上映。1980年代以降の作品からは、第五世代を育てた監督としても知られる呉天明の『標識のない河の流れ』(1983)、内蒙古出身で第四世代の代表的監督として知られる女性監督の張暖忻による『青春祭』(1985)、そして、第五世代の陳凱歌の監督デビュー作『黄色い大地』(1984)、田壮壮の単独監督デビュー作『狩り場の掟』(1985)、張藝謀のヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作で主演の鞏俐が同主演女優賞を受賞した『秋菊の物語』(1992)などを上映する。

なお、1月22日の『女神』(1934)は上屋安由美の伴奏、1月23日の『嵐の夜』(1925)は長谷川慶岳の伴奏による伴奏付上映を行なう。

 

 


 

 

同時開催
川本喜八郎+岡本忠成 パペットアニメーショウ2020
2020年12月19日(土)- 2021年3月28日(日)
国立映画アーカイブ 展示室(7階)
開室時間:11:00-18:30(金曜は11:00-20:00)入室は閉室30分前まで
休室日:月、年末年始(12/28-1/4)、2/1-2/8
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/puppetanimashow/

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