桑久保徹 A Calendar for Painters Without Time Sense. 12/12 @ 茅ヶ崎市美術館


桑久保徹《エドヴァルド・ムンクのスタジオ》2019年 個人蔵 all images: ©️Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery photo by Kenji Takahashi

 

桑久保徹 A Calendar for Painters Without Time Sense. 12/12
2020年12月12日(土)- 2021年2月7日(日)
茅ヶ崎市美術館
http://www.chigasaki-museum.jp/
開館時間:10:00-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、1/11は開館)、冬季休館(12/29-1/3)、1/12
担当:鈴木伸子(茅ヶ崎市美術館学芸員)

 

茅ヶ崎市美術館では、こんにちでは古典的ともとれる油絵具の厚塗り技法で、心象風景を物語性豊かに描いた絵画で知られる画家、桑久保徹の公立美術館初の個展『桑久保徹 A Calendar for Painters Without Time Sense. 12/12』を開催する。

桑久保徹(1978年神奈川県生まれ)は、いかにして「絵を描く」という方法で現代美術に立ち向かうかを思考する中で、自分の中に架空の画家を見いだし「彼に描かせる」というアプローチをとることで制作活動をはじめる。これまでに、小山登美夫ギャラリーやトーキョーワンダーサイト(現・トーキョーアーツアンドスペース)のほか、ニューヨーク、ロンドン、ベルリン、コペンハーゲン、シンガポール、ソウル、台北などで個展を開催、『サイト -場所の記憶、場所の力-』(広島市現代美術館、2013)、『東京画 ll:心の風景のあやもよう』(東京都美術館、2013)、『アーティスト・ファイル 2010-現代の作家たち』(国立新美術館、2010)などに参加している。また、2011年に第3回絹谷幸二賞、2012年にVOCA展2012で奨励賞を受賞している。

 


桑久保徹《フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ》2015年 木俣博文氏蔵

 

本展では、桑久保がムンクやゴッホ、モディリアーニらへのオマージュとして、それぞれの画家をそれぞれカレンダーの「月」に見立て、その生涯をひとつのキャンバスに込めて描いた「カレンダーシリーズ」を発表する。2014年に開始した同シリーズは試行錯誤を重ね、遂に完結にいたり、本展ではシリーズ全作のほか、関連するドローイングも一堂に会する初の機会となる。過去の画家の生きた時代・制作の時間、そして、現在の私たちが生活する時間、さまざまな時間の概念を捉えるために選びとられた「カレンダー」の形式の下、美術史に名を残す画家たちのスタジオが桑久保の解釈を交えた空想的、壮大な異次元空間として表現される。

 


桑久保徹《ピエール・ボナールのスタジオ》2019年 林郁氏蔵


桑久保徹《アメデオ・クレメンテ・モディリアーニのスタジオ》2019年 個人蔵


桑久保徹《ヨハネス・フェルメールのスタジオ-3月》2016年 作家蔵

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