彼女たちは歌う @ 東京藝術大学 美術館陳列館


山城知佳子《チンビン・ウェスタン『家族の表象』》2009年

 

東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020
彼女たちは歌う
2020年8月18日(火)- 9月6日(日)
東京藝術大学 美術館陳列館
展覧会URL:https://listen-to-her-song.geidai.ac.jp/
開館時間:12:00-18:00
休館日:月
キュレーター:荒木夏実(東京藝術大学美術学部准教授)

 

身体やコミュニケーション、社会的な出来事に言及した作品を通じて、自分と他者の間にあるさまざまな違いを尊重し、物理的・心理的距離を超越して異なるものたちが出会い、交流し、理解しあうことはできるのかという問いに向き合う展覧会『彼女たちは歌う』が、東京藝術大学美術館陳列館で開催される。

本展のキュレーションを手がけるのは、荒木夏実(東京藝術大学美術学部准教授)。男と女、人間と非人間、過去の人物や家族をユニークな観点から見つめなおし、性や種、場所や時代を超越した新たな関係性を探求すべく、森美術館時代に手がけた展覧会でも共に仕事をしてきた鴻池朋子金仁淑小林エリカ百瀬文を含む11人のアーティストによる「境界」の曖昧さと揺らぎに焦点を当てた作品群を紹介する。スプツニ子!は女性の生理を体験したいと望む少年のストーリーを描き、遠藤麻衣と百瀬文の共同作品は男女やペアという括りを超えた新しいセックスの形について言及する。また、菅実花副島しのぶは人間と人形の間、鴻池朋子は人、獣、自然との境界を行き来しながら「生」について問いかけ、小林エリカ、金仁淑、山城知佳子は場所や歴史を超えた人や事柄との交流の可能性に迫る。ともに東京藝術大学大学院に在学中の乾真裕子ユゥキユキは「変身」という手段を通して他者を自分のなかに取り込み、世代間に横たわる問題にアプローチする。

 


小林エリカ《彼女たちの戦争1:マリア・スクウォドフスカ=キュリー》
(『ちくま 2020.1. No.586』デザイン:名久井直子)2020年

 

展覧会に先立ち、キュレーターと参加アーティストは、新型コロナウイルス 感染症(COVID-19)の影響で実際に会うことが難しいなかでオンラインミーティングを通して、女性として日々感じてきた疑問や体験についての議論を重ねてきた。本企画では、その中でさまざまな話題を通して話し合われたジェンダーをめぐる個人と社会との関係についても、アーティストたちの言葉を冊子やイベントなどで紹介していく。会期中には参加アーティストと社会学者の上野千鶴子が登壇するトークイベントを予定している。

 

参加アーティスト
乾真裕子、遠藤麻衣、菅実花、金仁淑、鴻池朋子、小林エリカ、スプツニ子!、副島しのぶ、百瀬文、山城知佳子、ユゥキユキ

 

関連イベント
トークイベント
ゲスト:上野千鶴子(社会学者/東京大学名誉教授)
2020年8月30日(火)14:00- ※予定
※登壇予定の参加アーティスト3名など、詳細は公式URLに掲載予定。

 


金仁淑《Between Breads and Noodles: Grandfather and I》2014年


遠藤麻衣x百瀬文《Love Condition》2020年

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