野村佐紀子 写真展『GO WEST』@ 藤井達吉現代美術館


photo by Sakiko Nomura

 

野村佐紀子 写真展『GO WEST』
2019年12月21日(土)- 2020年2月24日(月・祝)
藤井達吉現代美術館
http://www.city.hekinan.lg.jp/museum/
開館時間:10:00-18:00 入場は観覧時間終了の30分前まで
休館日:月(ただし、1/13、2/24は開館)、年末年始(12/29-1/3)、1/14

 

愛知・碧南市の藤井達吉現代美術館では、施設の増築・改修工事による長期休館前の最後の展覧会として、写真家、野村佐紀子の個展『GO WEST』を開催する。本展は、同館のこれまでの活動を振り返る事業「ECHO/回向」のタイトルの下に、同館所蔵の作品および栃木県在住の片山照子・繁夫妻から寄贈を受けた作品群で構成したコレクション展と同時開催となる。なお、リニューアルオープンは2021年秋を予定。

淡い光と深い闇の狭間にほのかに浮かび上がる男性の裸体をとらえた写真で知られる野村佐起子(1967年山口県生まれ)。野村は1991年に九州産業大学芸術学部写真学科を卒業し、翌年より荒木経惟に師事。以来、東京や福岡を中心に国内外で作品を発表し、1997年に初の写真集『裸ノ時間』(平凡社)を出版する。2013年には20年以上にわたり撮影した大量の写真から選んだ、長年モデルを務めた友人の遺影を含むさまざまな写真をまとめた写真集『NUDE / A ROOM / FLOWERS』(マッチアンドカンパニー、2012)により、さがみはら写真新人奨励賞を受賞。2017年には先行する写真集『黒闇 Black Darkness』(Akio Nagasawa Publishing、2008)などのイメージをソラリゼーションなどの手法で制作したシリーズ『もうひとつの黒闇 Another Black Darkness』(Akio Nagasawa Publishing、2016)で、写真の町東川賞新人作家賞を受賞している。同年、20年間にわたってライフワークとして撮影を続ける男性ヌードをまとめた写真集『愛について』(ASAMI OKADA PUBLISHING)、翌年には、グラフィックデザイナー兼パブリッシャーの町口覚が、野村の写真と坂口安吾の『戦争と一人の女』を編集した『Sakiko Nomura: Ango』(bookshop M)を出版している。

 


photo by Sakiko Nomura

 

本展タイトルの「GO WEST」は、野村が故郷・山口を起点に、台湾、中国、インド、フランス、スペインなどの旅先で撮影した写真や本展のために碧南で取材した新作写真を辿り、西へと旅する展覧会の構成を伝える。闇の奥に、言葉も音も届かない遠い世界を想像させる野村の写真を通じて、感覚を研ぎ澄まし、彼方の見えない光に想いを馳せ、いまここにある生の実相に思いを巡らせる。

会期中には、野村が碧南で取材した宗教哲学者、清沢満之(1863-1903)の人と思想について、親鸞仏教センター研究員の長谷川琢哉が語るレクチャー「清沢満之の信と知をめぐって」や、野村によるアーティストトーク、野村とアーティストの渡辺英司が講師を務めるワークショップ「碧南 やって美りん!」なども開催。また、本展に合わせて、同名写真集『GO WEST』がリブロアルテから出版される。

 


photo by Sakiko Nomura

 

関連事業
レクチャー「清沢満之の信と知をめぐって」
講師:長谷川琢哉(親鸞仏教センター研究員)
2019年12月21日(土)14:00-15:30
定員:60名

アーティストトーク
講師:野村佐起子(写真家)
2019年12月22日(日)14:00-(約30分)
※予約不要

碧南 やって美りん!
講師:野村佐起子(写真家)→渡辺英司(アーティスト)
写真撮影、プリント|2020年2月23日(日)10:00-15:00
本づくり|2020年2月24日(月・祝)10:00-12:00
講評会|2020年2月24日(月・祝)13:00-(30分ほど)
定員:15名(小学生以上)

ギャラリートーク
案内:北川智昭(藤井達吉現代美術館学芸員)
2019年12月24日(火)、2020年1月12日(月、祝)、2月15日(土)
14:00-(約30分)
※予約不要、2階ロビー集合

 


photo by Sakiko Nomura

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