「コンニチハ技術トシテノ美術」展示風景（せんだいメディアテーク、2017年）写真撮影：小岩勉
⻘野⽂昭 ものの，ねむり，越路⼭，こえ
2019年11月2日（土）- 2020年1月12日（日）
せんだいメディアテーク 6階ギャラリー4200
https://www.smt.jp/
公開時間：11:00-20:00 入場は閉室30分前まで
休館日：11/28、年末年始（12/29-1/3）
展覧会担当：清水建人（せんだいメディアテーク学芸員）
特設サイト：https://www.smt.jp/projects/aono_ten/
せんだいメディアテークでは、空き地や海岸などに打ち捨てられ、傷つき、壊れたモノの断片、あるいは被災物を素材に、モノの持つテクスチャーや形態を⼿がかりに「なおす」という行為を探究してきた⻘野⽂昭の初期作品から最新作までを紹介する個展『⻘野⽂昭 ものの，ねむり，越路⼭，こえ』を開催する。
⻘野⽂昭（1968年宮城県生まれ）は、宮城教育大学大学院在学中より「なおす」を主題に一貫した表現活動を行なってきた。自身も被災者となった2011年3月の東日本大震災後は、津波により破壊された被災物を使用した作品制作にも集中的に取り組んでいる。青野にとっての「なおす」とは、壊れたモノを再び使えるように修理することではなく、時を経たモノの履歴を物語のように紡ぎだすことを意味する。使い込まれた家具の使用痕跡や、浜辺の漂流物の欠損箇所などからイメージをふくらませ、全体像を想像で復元したり、異なる種類のモノと接合してみせることで、道具としてではないモノのかたちを照らし、そこに宿った人の念を引き出してきた。1990年代前半より仙台や東京を中心に個展を重ね、近年は『パランプセスト 記憶の重ね書き vol.7』（gallery αM、2015）、『⻘野⽂昭個展』（ギャラリーターンアラウンド、2016年）といった個展や、あいちトリエンナーレ2013、『いま、被災地から −岩⼿・宮城・福島の美術と震災復興−』（東京藝術⼤学⼤学美術館、2016）、『Royal Academy of Arts Summer Exhibition 2016』（ロンドン、2016）、『コンサベーション_ ピース ここからむこうへ part A 青野文昭展』（武蔵野市立吉祥寺美術館、2017）、コンニチハ技術トシテノ美術（せんだいメディアテーク、2017）、『六本木クロッシング2019展：つないでみる』（森美術館、2019）などといった企画展に出品している。
「コンサベーション＿ピース ここからむこうへ」展示風景（武蔵野市立吉祥寺美術館、2017年）写真撮影：山中慎太郎、画像提供：武蔵野市立吉祥寺美術館
出身地である宮城県での初の大規模個展に際し、青野は市民から提供されたタンス数十棹を使った巨大な新作インスタレーションを中心に、初期作品も紹介する回顧的な意味あいを持つ展示を構成する。新作インスタレーションの中核には、青野の生誕地である仙台市八木山が過去から続く死者の空間「越路山」として据えられ、本展の帰結点および、展示されるすべての物語の出発点を為す。
会期中には、⻘野と学芸員によるギャラリーツアーが複数回実施されるほか、美術批評家の福住廉、同じく美術批評家の椹木野衣をゲストに⻘野との対談をそれぞれ行なう。12月14日には、青野と同じく宮城県を活動拠点に『息の跡』などの映像作品で知られる小森はるかが撮影した、青野の制作を追ったドキュメンタリーをせんだいメディアテーク7階スタジオシアターで上映。同日には、シネマてつがくカフェも開催する。なお、本展の写真記録とあわせ、青野の初期作品の写真なども網羅的に掲載し、青野本人のテキスト、椹木、福住の寄稿も収録したカタログがT&M Projectsより2020年3月に出版される予定。
「六本木クロッシング2019展：つないでみる」展示風景（2019年、森美術館）写真撮影：木奥惠三、画像提供：森美術館
関連イベント
作家と学芸員によるギャラリーツアー
2019年11月2日（土）16:00-17:00
11月16日（土）、11月23日（土）、12月7日（土）
会場：せんだいメディアテーク 6階ギャラリー4200
定員：各回先着20名程度
※申込不要、要観覧券（当日分）、開始時間前に6階ギャラリー入口に集合
福住廉 x 青野文昭 対談
2019年11月16日（土）15:30-17:30
会場：せんだいメディアテーク 7階スタジオa
定員：30名程度
青野文昭による作品解説
2019年11月23日（土）15:30-17:30
会場：せんだいメディアテーク 7階スタジオa
定員：30名程度
椹木野衣 x 青野文昭 対談
2019年12月7日（土）15:30-17:30
会場：せんだいメディアテーク 7階スタジオa
定員：30名程度
小森はるかによる青野文昭のドキュメンタリー上映
【上映会】
2019年12月14日（土）11:30-、14:00- 入場は上映の20分前から
会場：せんだいメディアテーク 7階スタジオシアター
【シネマてつがくカフェ】
ファシリテーション：西村高宏（臨床哲学、福井大学准教授）
ファシリテーション・グラフィック：近田真美子（精神看護学、福井医療大学准教授）
2019年12月14日（土）15:30-17:30
会場：せんだいメディアテーク 7階スタジオa
連携企画
青野文昭―その思考の変遷を辿る―1989〜2019
2019年11月26日（火）- 2020年1月11日（土）
主催・会場・問い合わせ：Gallery TURNAROUND
http://turn-around.jp/
開廊時間：11:00-19:30（日曜は17:00まで）
休廊日：月、年末年始（12/31-1/5）
第1期｜11/26（火）- 12/8（日） テーマ：初期・その他
第2期｜12/10（火）- 12/22（日） テーマ：無縁－有縁 修復
第3期｜12/24（火）- 1/11（土） テーマ：異界交流 合体
※ゲストを招いてのトークイベント等予定、その他 青野文昭―関本欣哉対談報告会
※各会期は変更の可能性あり