利部志穂『マントルプルーム−イザナミ、ペレの怒り。』@ KAYOKOYUKI


利部志穂「Hina’s way」2019年

 

利部志穂『マントルプルーム − イザナミ、ペレの怒り。』
2019年9月7日(土)- 10月6日(日)
KAYOKOYUKI
http://www.kayokoyuki.com/
開廊時間:12:00-19:00(日曜は17:00まで)
休廊日:月、火、祝
※オープニングレセプション:9月7日(土)18:00-20:00

 

KAYOKOYUKIでは、さまざまなモノの日常的な意味や機能を解体し、組み合わせ接合することによって新たな関係性を形成するインスタレーションで知られる彫刻家、利部志穂の個展『マントルプルーム − イザナミ、ペレの怒り。』を開催する。本展は、文化庁新進芸術家海外研修制度の助成を受け、2年間のミラノ滞在を経て帰国した利部による同画廊では約4年ぶりの個展となる。

利部志穂(1981年神奈川県生まれ)は、作品を構成するモノと自分自身は、どちらも同じく地球上の法則に従って存在しているのであり、その意味で、両者はつながっていると考え、モノに近づき、モノが発する声を聞きながら、その一部となって、自然の摂理とも言える生成や循環の構築を試みている。2007年に多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。これまでに『VOCA展2010 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち』(上野の森美術館)、個展『公開制作51:返る 見る 彼は、川を渡り、仕事へ向かう』(府中市美術館、2010)、『発信//板橋//2011 けしきをいきる』(板橋区立美術館)、『アーティスト・ファイル2013−現代の作家たち』(国立新美術館)、『引込線2015』(旧所沢市立第2学校給食センター)、個展『クリティカルポイント−critical point−』(gallery21yo-ji、東京、2017)、『Dipende』(Tempio del Futuro Perduto、ミラノ、2018)、『Piazza del Paradiso プロジェクト#04:利部志穂』(アズマテイプロジェクト、神奈川、2019)、『愛と風ーキッチンでホックニー』(Art Center Ongoing、東京、2019)などで作品を発表している。

「人間が定義したルールは疑うけれど、地球的・宇宙的なルールを信じる」と言う利部は、意味が解体され、機能を持たなくなったモノを新たに発見し、自然界の法則のもとに関係性を再構築していくという彫刻制作のプロセスを、マントルプルームが、地球の内部で重力に抵抗し、様々な美しい柱を形作りながら噴き出すというプロセスになぞらえる。本展のタイトル「マントルプルーム − イザナミ、ペレの怒り。」は、地殻から発生する流動化したマントルの柱が地表に吹き出す火山活動が、日本とハワイに伝わる火山の女神であるイザナミとペレのように、嫉妬や怒りから人々を焼き尽くす女性になぞらえて神話化されていることに由来する。タイトルが示すように、本展において、利部は物理的な自然現象という側面と、人間的な物語性という側面の双方向からのアプローチを試みる。

 


利部志穂、個展『Piazza del Paradiso』2019年、アズマテイプロジェクト、神奈川、撮影:若林勇人


利部志穂、個展『Piazza del Paradiso』2019年、アズマテイプロジェクト、神奈川、撮影:若林勇人


利部志穂、個展『Piazza del Paradiso』2019年、アズマテイプロジェクト、神奈川、撮影:若林勇人

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