ヒューマンライツ&リブ博物館-アートスケープ資料が語るハストリーズ @ 京都精華大学ギャラリーフロール

 

ヒューマンライツ&リブ博物館-アートスケープ資料が語るハストリーズ
2019年6月14日(金)-7月12日(金)
京都精華大学ギャラリーフロール
http://www.kyoto-seika.ac.jp/fleur/
開館時間:11:00-18:00
休館日:日
監修:山田創平(京都精華大学人文学部准教授)
展示ディレクション:石谷治寛(京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)

 

京都精華大学ギャラリーフロールでは、1990年代初頭に京都に設立された美術関係者によるシェアオフィス「アートスケープ」に残された資料の調査に基づき、当時、既存の性を越境しようとした人々の声を通して、人権と人間性の解放について考え直す企画展『ヒューマンライツ&リブ博物館-アートスケープ資料が語るハストリーズ』を開催する。

本展では、京都精華大学ギャラリーフロール内に、1990年代の京都で盛り上がったジェンダーやセクシュアリティにまつわる出来事を軸に「ヒューマンライツ&リブ博物館」を一時的に仮設する。同博物館では、資料展示のみならず、「アートスケープ」を拠点に展開した、エイズやセクシュアリティについてアートを通して社会に訴える活動に参加したアーティストらによる近年の創作の展示に加え、トークイベントやライブイベントも開催する。本展タイトルにある「ハストリー[Herstory]」は、従来の歴史[History]が、多くの場合、彼[his]の視点から語られてきたのに対し、彼女[her]の立場からも過去を語り直すべきだとの主張から1970年代に生まれた造語。

 


#そして私は誰かと踊る、APP制作のスライド

 

本展出品作家として資料展示を行なう#そして私は誰かと踊るは、2016年に京都市立芸術大学芸術資源研究センターが取り組んだ古橋悌二「LOVERS―永遠の恋人たち」の修復、展示の際に、当時の文脈を明らかにする必要性を痛感した石谷治寛が、資料を保管していたブブ・ド・ラ・マドレーヌに相談し、資料のアーカイブ化の再開を目的に発足。コレクティブ名はAIDSの頭文字を読み替えた当時のキャッチフレーズ「And I Dance with Somebody」に由来する。これまでに、HIV/エイズに関する当時の活動「エイズ・ポスター・プロジェクト(APP)」に関する展示やシンポジウム、そして、森美術館の『MAMリサーチ006:クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る』を実現している。

そのほか、友人たちと結成したダムタイプの活動に平行し、90年代に「アートスケープ」や「ウィークエンドカフェ」などの企画を通じて共有空間の開発を探求した小山田徹とその娘香月、ダムタイプのパフォーマンス「S/N」(1994-96)への出演をはじめ、パフォーマンス、映像、テキスト等による作品の発表と同時に、HIV/AIDSと共に生きる人やセックスワーカー、女性、セクシュアルマイノリティ等の健康と人権に関する市民運動に携わるブブ・ド・ラ・マドレーヌ、絵画、アニメーション、編みぐるみ、詩などの制作から、The OK GIRLSや音楽ユニット山/完全版としての活動など、多彩な活動を展開し、2020年3月初演のダムタイプの新作への参加も予定している薮内美佐子、院生時代に「アートスケープ」の活動に参加し、95年以来、オランダを拠点に異なる国や文化、コミュニティーを訪れ「地元の人に何かを教えてもらう」ということをキーワードに様々な形態の作品を制作する渡部睦子が展示に参加。また、当時、関西で新しいパーティーを模索していた故ミス・グローリアスとDJ LaLaが、シモーヌ深雪に声を掛け、ドラァグクイーンをメインに据えてはじまり、現在も続くクラブパーティーダイアモンズ・アー・フォーエバーが特別展示室の空間を演出し、会期中にはライブイベントも開催する。

 


小山田徹+香月「お父ちゃん弁当」(プレート・かざん)2017年


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ「甘い生活」2001年

 

関連プログラム
オープニングトーク&レセプション
「アーカイブってなんだろう?〜アートスケープ・アーカイブから考える〜」
出演:あかたちかこ、石谷治寛、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、山田創平
2019年6月14日(金)16:00-17:00
会場:京都精華大学ギャラリーフロール
レセプション会場:京都精華大学iC-Cube〈明窓館M-101〉
※参加無料、申込不要

トークイベント
「ウーマンズダイアリーってなんだったんだろうミーティング」
ゲスト:城田亮介、鈴木洋子、塚本まこと、山元彩乃
進行:あかたちかこ
2019年6月22日(土)15:00-18:00
会場:京都精華大学iC-Cube〈明窓館M-101〉
※参加無料、申込不要

トークイベント
「星見るひとたちと出会う旅−アートスケープ、アムステルダム、そして能勢妙見山へ」
出演:渡部睦子、山田創平
2019年6月29日(土)14:00-16:00
会場:京都精華大学iC-Cube〈明窓館M-101〉
※参加無料、申込不要

 


薮内美佐子『喫茶たんす/雑音の界隈の鼻歌が 雑音の彼方の鼻歌に 変わるさま』展示風景 016年 撮影:草本利枝


渡部睦子「Name Shiritori」2011年

 

ライブイベント
「フロールに捧げる3つのエクスキー」
2019年7月6日(土)19:00-(開場:18:30)
会場:京都精華大学ギャラリーフロール
Act.1 ゴーダ企画 presents ゴシックモダン「妖花アルラウネ」
出演:合田有紀/野村香子、辻本佳
構成&演出:シモーヌ深雪
Act.2 DIAMONDS ARE FOREVER presents シャンソンライブ「倒錯のギロチンシアター」
出演:シモーヌ深雪
Act.3 DIAMONDS ARE FOREVER presents LIVE「Decades〜Like Si-Fi Magazine (re-make, remix)」
出演:山中透(DJ LaLa)
※参加無料、要申込

予約方法:氏名、電話番号、人数を記載の上、件名を「ライブイベント申込」として、fleur*kyoto-seika.ac.jpまで申し込み(*を@に変更)
※定員超過および開演時間以降の入場は不可の場合あり
※終演予定時刻(21:30頃)にはスクールバスの運行はすでに終了

 


ダイアモンズ・アー・フォーエバー(シモーヌ深雪+DJ LaLa+DJ kor)

Copyrighted Image