岡本太郎「犬」1954年 川崎市岡本太郎美術館蔵
アーツ前橋開館5周年記念企画展
岡本太郎と『今日の芸術』 絵はすべての人の創るもの
2018年10月5日（金）-2019年1月14日（月・祝）
アーツ前橋
https://www.artsmaebashi.jp/
開館時間：11:00-19:00
休館日：水、年末年始（12/28-1/4）
アーツ前橋では、開館5周年記念企画展として、国内各美術館が所蔵する岡本太郎の代表作50点や映像資料、太郎に影響を受けたアーティストの作品を通して、著書『今日の芸術』の再構成を試みる展覧会『岡本太郎と『今日の芸術』 絵はすべての人の創るもの』を開催する。
岡本太郎（1911-1996／神奈川県生まれ）は、既成の価値観を否定し、圧倒的な行動力と批判精神で作品制作や執筆活動を展開し、TVやラジオなどマスメディアにも精力的に出演し多方面にわたり活躍した。岡本太郎は1911年に漫画家の岡本一平と歌人・小説家の岡本かの子の長男として生まれる。1929年に東京美術学校（現・東京藝術大学）に入学し、翌年からパリに滞在し、当時最新の美術動向に触れると同時に、民族学やジョルジュ・バタイユの思想に触れる。1940年に帰国した後、中国にて自動車隊の輜重兵として軍隊生活を送る。戦後は東京・世田谷にアトリエを構え、絵画・立体作品とともに多数の著作を発表。1970年、日本万博博覧会のテーマ館プロデューサーを務め、「太陽の塔」を制作（2018年より塔の内部が一般にも公開されている）。1996年1月死去。
左：岡本太郎「憂愁」1947年 一般財団法人草月会蔵（東京都現代美術館寄託）. 右：岡本太郎「足場」1952年 一般財団法人草月会蔵（東京都現代美術館寄託）©️内田芳孝
本展が着目する代表的著書『今日の芸術』では、中学２年生にもわかるやさしい言葉遣いと熱を帯びた筆致で、美術作品との向き合い方、日本文化や生活文化を打ち立てるための心がまえを説いており、1954年の刊行以来、現在に至るまで度重なる再刊と再録によって読み続けられている。
本展では、『今日の芸術』に収められた「今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」などの「ことば」を随所にちりばめ、初期の代表作「コントルポアン」や「犬」などの絵画作品のほか、「太陽の塔」の模型など広く知られるパブリックアートに関わる資料などを通して、同書の再構成を試みる。また、横尾忠則や赤瀬川原平、ヤノベケンジなど、太郎の作品や思想に触れて、挑むように作品を発表してきたアーティストや、前橋出身で第15回岡本太郎現代芸術賞受賞者の関口光太郎の新作なども併せて展示する。そのほか、アーツ前橋と同じ建物内にある映画館、前橋シネマハウスでは、太郎が出演した『誘惑』（監督／中平康、1957年）や登場する怪獣のキャラクターデザインを担った『宇宙人東京に現わる』（監督／島耕二、1956年）、全国公開がはじまったばかりの『太陽の塔』（監督／関根光才、2018年）の上映。山下裕二が基調講演を務めるシンポジウムや本展企画協力の春原史寛の記念講演会などを実施する。また、12月2日には、2018年3月に前橋・広瀬川河畔に設置した「太陽の鐘」を特別に鳴らすことができるイベントを開催する。
岡本太郎「コントルポアン」1935/54年 東京国立近代美術館蔵
「太陽の鐘」 撮影：木暮伸也
関連イベント
岡本太郎と『今日の芸術』関連シンポジウム
芸術なんて、なんでもない
2018年10月7日（日）14:00-17:00
第1部｜基調講演｜14:00-15:00
山下裕二「岡本太郎・縄文・日本美術史」
第2部｜トークセッション｜15:30-17:00
「岡本太郎とは何だったのか」
登壇者：山下裕二、タナカカツキ、ANI（スチャダラパー）、春原史寛
会場：前橋テルサ２階ホール（群馬県前橋市千代田町2-5-1）
参加費：無料
申込：アーツ前橋へ電話（027-230-1144）
記念講演会「岡本太郎と読む『今日の芸術』」
ゲスト：春原史寛（本展企画協力）
2018年11月11日（日）14:00-16:00
会場：アーツ前橋 １階スタジオ
定員：40名、無料
申込：アーツ前橋へ電話（027-230-1144）
前橋に太陽の鐘が鳴る
※前橋市の広瀬川河畔に設置された「太陽の鐘」を特別に鳴らすことができる。
2018年12月2日（日）13:00-14:00
定員：100名
申込：アーツ前橋へ電話（027-230-1144）
学芸員によるギャラリーツアー
2018年10月21日（日）、11月17日（土）、12月15日（土）
各日14:00-14:30
会場：アーツ前橋 ギャラリー
無料（11/17と12/15は要観覧券）
映画館で太郎に出会う
※岡本太郎自らが出演し、また、登場するキャラクターデザインを担当した映画を上映。
上映作品：『宇宙人東京に現わる』（監督／島耕二、1956年）12月8日（土）14:00-
『誘惑』（監督／中平康、1957年）１２月1日（土）11:00-、14:00-
会場：前橋シネマハウス（アーツ前橋と同じ建物の３階）
同時上映：『太陽の塔』（監督／関根光才、2018年）
2018年10月13日（土）-11月２日（金）
※上映情報の詳細は下記、前橋シネマハウスウェブサイトを参照
https://maecine.com/
アーツ前橋開館5周年記念企画展
つまずく石の縁 －地域に生まれるアートの現場－
2018年10月12日（金）-11月4日（日）※各週週末金土日曜日に開場
会場：前橋中心商店街ほか
開場時間：11:00-18:00
観覧料：600円（パスポート制）