開館30周年記念 ザ・ベスト・セレクション @ 名古屋市美術館


フリーダ・カーロ「死の仮面を被った少女」1938年

 

開館30周年記念 ザ・ベスト・セレクション
2018年10月6日(土)-11月25日(日)
名古屋市美術館
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
開館時間:9:30-17:00(祝日を除く金曜は20:00まで) 入場は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は直後の平日)

 

名古屋市美術館では、開館30周年記念を契機に6,000点以上に及ぶコレクションから厳選した作品を紹介する展覧会『ザ・ベスト・セレクション』を開催する。

名古屋市美術館は1988年に名古屋市中区の白川公園内に開館。建物の設計は愛知県出身の建築家、黒川紀章が手がけており、世界建築ビエンナーレ銀賞を受賞した黒川の代表作のひとつとしても知られている。美術品の収集は、開館準備期間の83年に開始。本展のメインヴィジュアルに使用されているアメデオ・モディリアーニの「おさげ髪の少女」は、85年に東京国立近代美術館と愛知県文化会館美術館で開催されていた『モディリアーニ展』の出品作品のひとつで、翌86年にコレクションの目玉として購入。「エコール・ド・パリ」、「メキシコ・ルネサンス」、「現代の美術」、そして、「郷土の美術」を収集方針にコレクションを構築、地元ゆかりの作家には、稲沢出身でパリの風景を50年以上描き続けた荻須高徳、青年期をメキシコで過ごし、戦中、戦後は瀬戸を拠点に活動した北川民次、刈谷出身の河原温、名古屋出身の桑山忠明、愛知県立旭丘高等学校美術科出身の荒川修作赤瀬川原平らが挙げられる。また、現在渋谷駅に設置されている岡本太郎の壁画「明日の神話」の下絵がメキシコに残されているとの知らせを99年に受け、現地での調査、応急処置を経て日本に輸送、2000年に関係者より寄贈を受けた。さらに、日本の美術館で唯一、メキシコの女性画家、フリーダ・カーロの作品を所蔵。532点というメキシコの近代美術の充実は国内に並ぶ美術館はない。

本展では、1998年の10周年記念展、2008年の20周年記念展と同じく、これまでを振り返り約35年間の収集の成果を作品のみならず、収集や保存にまつわる学芸員の調査研究、作家や作品にまつわる資料などと併せて紹介する。なお、美術講座「コレクション解析学」では、同館コレクションのなかから1点を選び、学芸員がその魅力を紹介している。本展開催中には、井口智子(名古屋市美術館学芸課長)がマグダレーナ・アバカノヴィッチの「黒い立像」(1988)を解説する。

 


アメデオ・モディリアーニ「おさげ髪の少女」1918年頃

 

コレクション解析学 第3回
「沈黙の人間像が問い続けること」
作品:マグダレーナ・アバカノヴィッチ「黒い立像」1988年
講師:井口智子
2018年10月28日(日)14:00-
会場:名古屋市美術館2階講堂
定員:180名(申込不要、先着順)、無料

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