言葉と美術-平出隆と美術家たち @ DIC川村記念美術館


平出隆「private print postcard 011-z」1975年 個人蔵 Photo: Kenji Takahashi

 

言葉と美術-平出隆と美術家たち
2018年10月6日(土)-2019年1月14日(月・祝)
DIC川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、10/8、12/24、1/14は開館)、10/9、12/25-1/1
展覧会企画:赤松祐樹(DIC川村記念美術館学芸員)

 

DIC川村記念美術館では、詩人、平出隆の観点から「言語」と「美術」が鋭く交差するところに生まれる「対話」の多様な形態に注目し、美術作品に固有の思考や言語に光を当てる展覧会『言葉と美術-平出隆と美術家たち』を開催する。

平出隆(1950年福岡県生まれ)は、数々の詩集や各国語に翻訳された小説『猫の客』で広く知られる。近年は執筆のみならず、封筒入りで手紙のように読者に直接届けられる「via wwalnuts 叢書」や、自身の著作にまつわる写真を使ってデザインし印刷するポストカードのプロジェクト「private print postcard」といった最小限の形態による出版物を手がけるなど、本そのもののあり方の探究も続ける。『胡桃の戦意のために』(思潮社、1982)、『左手日記例言』(白水社、1993)、『ベルリンの瞬間』(集英社、2002)、『伊良子清白』(新潮社、2003)のほか、ドナルド・エヴァンズ、河原温、加納光於とのあいだに成る美術関連書など著書多数。また、「遊歩」をキーワードに詩学以前の渾沌状態の思考のありようを犀利な知性で分析した『遊歩のグラフィスム』(岩波書店、2007)には、本展のベースといえる言語や書物に関する思索が収録されている。現在は、多摩美術大学図書館館長、教授、芸術人類学研究所所員を務める。

平出は2015年にDIC川村記念美術館で開かれた『絵の住処-作品が暮らす11の部屋-』の関連企画として、「コーネルとその数式」と題した講演を行ない、同館所蔵のコーネル作品に対する独自の解釈を披露した。本展では、同館の収集作家を含む美術家、ジョセフ・コーネル、ドナルド・エヴァンズ、加納光於、河原温、中西夏之、奈良原一高、岡崎和郎、瀧口修造、若林奮らについて、作品に関わる言葉や出版物などとともに新たな光を当てる。

会場構成は、建築家の青木淳が担当。言葉が造形性を伴いながら拡散してゆく平出独自の概念「空中の本」を踏まえ、全長約12mの「透明梁」を用い、詩人と美術家たちが、あるいは言葉と形象が重力から解き放たれて交差する空間をつくりだす。

 


青木淳「透明梁アイディアスケッチ」2018年

 

関連企画
トークイベント①
平出隆 x 青木淳(建築家)
2018年10月13日(土)13:30-15:00
定員:50名(要予約:9/21 10:00受付開始)入館料のみ
予約方法は下記URLを参照
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/next.html#event

トークイベント②
平出隆 x 郡淳一郎(オルタナ編集者)x 澤直哉(ロシア文学者)
2019年1月13日(日)13:30-15:00
定員:50名(要予約:11/30 10:00受付開始)入館料のみ
予約方法は下記URLを参照
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/next.html#event

詩の音読とギター演奏
平出隆 x 伊藤ゴロー(作曲家、ギタリスト)
2018年11月24日(土)閉館後
要予約:10/26受付開始
※時間・料金・予約方法などの詳細は10月中旬発表予定。

その他の関連イベントは公式ウェブサイトを参照

 


ドナルド・エヴァンズ「Domino, 1934. Domino」1974年 個人蔵 ©The Estate of Donald Charles Evans Photo: Kenji Takahashi


ジョゼフ・コーネル「鳥たちの天空航法」1961年頃 DIC 川村記念美術館 ©The Joseph and Robert Cornell Foundation / VAGA at ARS, NY / JASPAR, Tokyo C2340

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