あざみ野コンテンポラリーvol.9 今もゆれている @ 横浜市民ギャラリーあざみ野


石垣克子「ガジャンビラ公園からの眺め」2018年 油彩、キャンバス

 

あざみ野コンテンポラリーvol.9 今もゆれている
2018年9月29日(土)-10月21日(日)
横浜市民ギャラリーあざみ野
http://artazamino.jp/
開館時間:10:00-18:00
会期中無休

 

横浜市民ギャラリーあざみ野では、美術という枠や社会的評価にとらわれず、さまざまなジャンルのアーティストの表現活動に目を向けたシリーズ展「あざみ野コンテンポラリー」を開催する。9回目の開催となる本展では「今もゆれている」を副題に、特定あるいは不特定の「風景」をモチーフとした石垣克子、今井智己、露口啓二、西村有、山城知佳子の5名の作品を紹介する。

石垣克子(1967年沖縄県生まれ)は、1990年代前半より「黄色い人」をモチーフとした絵画を中心にさまざまな表現に取り組み、2008年以降は沖縄市・コザのアトリエ兼ギャラリースペース「sksk」を拠点に活動している。近年は、「基地のある風景」シリーズと題し、未だに基地のある地域、基地が返還された地域、新たに開発されていく地域など、沖縄の移りゆく風景を絵に留め、絵を描くことで風景を見つめ直している。沖縄を中心とした発表のほか、近年は東京のeitoeikoや遠藤水城がキュレーションを手がけた奈良の「はならぁと2016 こあ」などでも作品を発表している。

今井智己(1974年広島県生まれ)は、都市や森、室内など日常的な風景ながらも静謐さを湛えた写真作品を制作、主な写真集として、『Semicircle Law』(マッチアンドカンパニー、2013)、『真昼』(青幻舎、2001)などがある。近年は第二次大戦時に異なる立場で写真に携わった写真家たち仕事をリサーチするプロジェクト「In Their Eyes」(2016)を発表している。東日本大震災以後に取り組みはじめた「Semicircle Law」では、福島第一原子力発電所より30km圏内から原発の方角をフレームの中心に据えるというルールの下で撮影を続けている。近年はタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムでの個展や『19th DOMANI・明日展』などで作品を発表している。

 


今井智己「Semicircle Law #35 2015.9.21 / 21km」2018年 ©️Tomoki Imai, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film


露口啓二「福島原子力発電所事故被災地 帰還困難区域 N 37°29′ 23″ E 141°00′ 23″ _2015」(「自然史」より)2015年

 

露口啓二(1950年徳島県生まれ)は、1990年代後半より、同じ場所から視点をずらして撮影した組写真による「地名」シリーズをはじめ、大半の地名がアイヌ語を元にしている北海道の風景と歴史に着目した写真の発表をはじめる。2010年に「自然史」シリーズを構想し、2011年より北海道の空知炭鉱地帯、沙流川中流域、漁川上流域だけでなく、吉野川中流域、東日本大震災の被災地である青森、岩手、宮城、福島を対象に撮影を行なう。近年は札幌国際芸術祭2014や『もうひとつの眺め(サイト)』(北海道立近代美術館)への出品のほか、上述したシリーズを写真集『自然史』(赤々舎、2017)、『地名』(赤々舎、2018)として発表している。

西村有(1982年神奈川県生まれ)の絵画作品は、その制作行為や画面の中で見えてくるものに重きを置きながら、日常生活の断片を複雑に重ね合わせることにより、物語性を帯びた風景を生み出している。近年はKAYOKOYUKIでの個展のほか、トーキョーワンダーサイト本郷のTWS-Emerging(2013)、東京オペラシティアートギャラリーのProject N(2015)で個展を重ね、昨年は絹谷幸二賞を受賞。2018年10月より、金沢21世紀美術館のアペルトでの個展が控えている。

山城知佳子(1976年沖縄県生まれ)は、2000年代前半より、沖縄戦の記録と記憶の継承、在沖米軍基地によって引き起こされる問題などといった主題を扱った映像、写真を発表している。歴史や現在の置かれた状況などの類似性から沖縄と済州島を繋ぎ、声/音を効果的に使った映像インスタレーション「土の人」をあいちトリエンナーレ2016で発表。「土の人」(劇場版)はドイツのオーバーハウゼン国際短編映画祭でゾンタ賞を受賞。2018年10月に開催されるKYOTO EXPERIMENT2018では、京都芸術センターで「土の人」の展示と新作パフォーマンス「あなたをくぐり抜けて-海底でなびく 土底でひびく あなたのカラダを くぐり抜けて-」を発表する。

 


西村有「scenery passing」2016年 油彩、キャンバス


山城知佳子「土の人(2017年劇場版)」協力:あいちトリエンナーレ2016 ©️Chikako Yamashiro, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 

関連イベント
アーティストトーク#1
石垣克子、露口啓二
2018年9月29日(土)13:30-16:30
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野3階アトリエ
定員:80名(要事前申込、先着順)
申込URL:https://artazamino.jp/contemporary-mousikomi1/
※往復はがき、直接来館(2階事務室)での申込も可能
※参加無料、保育あり

アーティストトーク#2
西村有、今井智己
2018年10月13日(土)13:30-16:30
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野3階アトリエ
定員:80名(要事前申込、先着順)
申込URL:https://artazamino.jp/contemporary-mousikomi1/
※往復はがき、直接来館(2階事務室)での申込も可能
※参加無料、保育あり

アーティストトーク#3
山城知佳子
2018年10月14日(日)15:00-16:30
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野3階アトリエ
定員:80名(要事前申込、先着順)
申込URL:https://artazamino.jp/contemporary-mousikomi1/
※往復はがき、直接来館(2階事務室)での申込も可能
※参加無料、保育あり

アートなピクニック-視覚に障がいがある人とない人が共に楽しむ鑑賞会
2018年10月20日(土)14:00-16:00
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野展示室1・2
定員:10名(要事前申込 ※応募者多数の場合は抽選)締切:10月10日(水)必着
申込URL:https://artazamino.jp/art-na-picni-mousikomi/
※往復はがき、直接来館(2階事務室)での申込も可能
※参加無料、保育あり

その他の関連イベントは公式ウェブサイトを参照

 

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