チウ・ジージエ 書くことに生きる @ 金沢21世紀美術館


チウ・ジージエ「心経」2005-2018年、Cプリント、作家蔵

東アジア文化都市2018金沢 コア事業連携企画
チウ・ジージエ 書くことに生きる
2018年9月8日(土)-2019年3月3日(日)
金沢21世紀美術館 展示室7〜12、14、ほか
https://www.kanazawa21.jp/
開館時間:10:00-18:00(金、土は20:00まで)
休館日:月(ただし、9/17、9/24、10/8、10/29、12/24、1/14、2/11は開場)、9/18、9/25、10/9、12/25、1/15、2/12、年末年始(12/29-1/1)
展覧会担当:黒澤浩美(金沢21世紀美術館チーフ・キュレーター)
立松由美子(金沢21世紀美術館キュレーター)

 

金沢21世紀美術館では、90年代以降の新しい時代の中国現代美術を担ってきた世代を代表するアーティストのひとり、チウ・ジージエの個展『チウ・ジージエ 書くことに生きる』を開催する。2018年の「東アジア文化都市」に選定された金沢では、本展会期中にコア事業のひとつとして金沢21世紀美術館が企画する展覧会『変容する家』を9月15日から市内の3つのエリア(広坂、石引、寺町・野町・泉)で開催。チウ・ジージエも参加アーティストのひとりに名を連ねている。

チウ・ジージエ[邱志杰](1969年中国福建省生まれ、北京および杭州在住)は、幼少から学んだ「書」を表現の中心に、書くことを通じて、普遍的で根源的な人間の存在について問い直してきた。また、書以外にも絵画、写真、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを取り入れ、伝統的な表現と現代美術を結びつけた表現を展開している。2009年には北京のユーレンス現代美術センターで、国家的モニュメントへのアプローチをもとに、近代化の大きなうねりのなかで国家と個人の夢と現実が交錯するさまを明らかにした「南京長江大橋プロジェクト」を発表。2度のヴェネツィア・ビエンナーレへの参加をはじめ、サンパウロ・ビエンナーレ、光州ビエンナーレ、上海ビエンナーレなどといった国際展、展覧会に数多く参加。2008年から2009年にかけて、上海、シンガポール、北京、ベルリンと『A Suicidology of The Nanjing Yangzi River Bridge』と題した一連の個展を開催。昨年はオランダ・アイントホーフェンのファンアッベ美術館で個展『Journey without Arrivals』を開催している。制作活動のみならず、キュレーターとしても1999年と2001年の『Post-sense Sensibility』展や2012年の第9回上海ビエンナーレ、そして、2017年の第57回ヴェネンツィア・ビエンナーレ中国館の展覧会『Continuum – Generation by Generation』などを手がけている。また、文筆家としても多数の著作を刊行している。

 


チウ・ジージエ「暗がりの伝道者」2008年、リトグラフ、金沢21世紀美術館蔵

 

日本国内では、『風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから』(国立国際美術館、2011)や大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2009、第4回福岡アジア美術アートトリエンナーレ2009、横浜トリエンナーレ2005といった国際展、『札幌アーティスト・イン・レジデンス』(CAI現代芸術研究所、2000)、第14回アジア国際美術展覧会(福岡アジア美術館、1999)、『中国現代写真&ビデオ』(立川国際芸術祭’99)、埼玉・越谷のギャラリーgenでの個展(2001)で作品を発表している。そのほか、金沢21世紀美術館では、チウ・ジージエは2015年の『誰が世界を翻訳するのか』に上述した南京長江大橋プロジェクトから5点の作品を出品し、昨年はトークプログラム〈In a Grove〉のゲストとして、これまでの制作活動や当時開催中だった第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ中国館の展覧会について語っている。

本展では、世界の有り様を俯瞰し、人と物事の関係を記述することに自身の存在を重ねてきたチウ・ジージエの創造とその魅力を代表作から最新作までを通じて紹介する。

 


左から:チウ・ジージエ「目の前を過ぎる雲のように儚いものでもあるが、万物でもあった」2009年、紙、墨、作家蔵. 
「九死に一生を得ていた」2009年、紙、墨、作家蔵. 「一つのリンゴに何本の木があるか数えよ」2009年、紙、墨、作家蔵. 

 

関連イベント
アーティスト・トーク
出演者:チウ・ジージエ
2018年9月8日(土)14:00-15:30(開場:13:15)
会場:金沢21世紀美術館レクチャーホール
定員:70名(先着順、申込不要)、無料
※逐次通訳付(中国語-日本語)
※進行の都合のため途中退場不可

 

東アジア文化都市2018金沢
変容する家
2018年9月15日(土)-11月4日(日)
https://altering-home.com/
会場:広坂エリア、石引エリア、寺町・野町・泉エリア
開場時間:10:00-17:00(※会場により異なる場合あり)
休館日:月(ただし、9/17、9/24、10/8は開場)、9/18、9/25、10/9

 

作家名のカタカナ表記は主催者資料に基づき、「チゥ・ジージェ」ではなく「チウ・ジージエ」と表記。

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