アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018 船出の前に——もう一度アピチャッポン映画を見る @ シアター・イメージフォーラム


『ブンミおじさんの森』©Kick the Machine Films

 

アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ2018
船出の前に——もう一度アピチャッポン映画を見る

2018年8月11日(土)-9月7日(金)
シアター・イメージフォーラム
http://www.imageforum.co.jp/theatre/
公式ウェブサイト:http://www.moviola.jp/api/api2018.pdf

 

シアター・イメージフォーラムでは、故郷であるタイ東北部の伝説や民話、個人や土地の記憶、夢、時事的な問題への言及などを織り込んだ映像作品を中心に、映画と現代美術の両領域で国際的な実績を重ねるアピチャッポン・ウィーラセタクンの代表的な長編映画3作の特集上映を開催する。

アピチャッポン・ウィーラセタクン(1970年バンコク生まれ)は、2010年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞をはじめ、世界各地の映画祭で高い評価を受けるとともに、1998年頃より現代美術においてもその卓越した空間構成による映像インスタレーションを世界各地の美術館や国際展で発表しており、2016年にはチェンマイのMIIAM現代美術館でタイ初の大規模個展を開催している。日本国内では99年の山形国際ドキュメンタリー映像祭で短編映画『第三世界』が上映されるなど、早くから注目されており、これまでに数多くの上映プログラムが組まれ、美術館やギャラリーでの展示も多数。2016年には『光りの墓』の全国公開や東京都写真美術館での個展『亡霊たち』をはじめ、年間を通じて日本各地で作品の展示や上映が実施された。また、2017年は国際舞台芸術ミーティングin横浜2017(TPAM2017)で初のパフォーマンス作品「フィーバー・ルーム」を発表、2018年も豊田市美術館の企画展『ビルディング・ロマンス』に出品し、森美術館のMAMプロジェクトにて久門剛史と共同制作した映像インスタレーション「シンクロニシティ」を発表している。

 


『世紀の光』©Kick the Machine Films


『光りの墓』©Kick The Machine Films / Illuminations Films (Past Lives) / Anna Sanders Films / Geißendörfer Film-und Fernsehproduktion /Match Factory Productions / Astro Shaw (2015)

 

初期作品から2015年に製作した『光りの墓』に至るまで、故郷であるタイを舞台に映画を製作してきたアピチャッポンだが、次回作『MEMORIA』はタイを離れて南米のコロンビアで撮影することが決定している。また、デレク・ジャーマン作品からハリウッド映画まで数多くの映画に出演し、アカデミー助演女優賞受賞経験をはじめ、数々の受賞歴を誇るティルダ・スウィントンが出演することも決定している。スウィントンとアピチャッポンは昔から親交があり、映像インスタレーション作品に出演したこともある。

本プログラムでは、また新たな映画へのアプローチが期待される中で、これまでに発表された代表的な長編映画3作、ヴェネチア国際映画祭公式出品の『世紀の光』(2006)、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品の『ブンミおじさんの森』(2010)、カンヌ国際映画祭ある視点部門公式出品の『光りの墓』(2015)を上映する。また、『光りの墓』の上映の前には、アピチャッポンがタイの映画館における映画本編を上映する前に国歌が流れ、観客が起立する慣習に応答した短編『国歌』(2006)の上映も試みる。上映タイムテーブルなど詳細は公式ウェブサイトを参照。

 


『国歌』©Kick the Machine Films


『国歌』©Kick the Machine Films

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