山下麻衣+小林直人『自然観察』@ Takuro Someya Contemporary Art


山下麻衣+小林直人「積み石」2018年 ©Mai Yamashita + Naoto Kobayashi, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art

 

山下麻衣+小林直人『自然観察』
2018年5月12日(土)-6月23日(土)
Takuro Someya Contemporary Art
http://tsca.jp/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:日、月、祝
オープニングレセプション:5/12(土)18:00-20:00

 

Takuro Someya Contemporary Artでは、無意味と思われる作業の遂行や、コントロール不可能な自然や動物への関与を記録した映像や彫刻を通じて、固定観念から外れたときに見えてくる視点を提示してきたアーティスト・ユニット、山下麻衣+小林直人の、2011年以来7年ぶりとなる個展『自然観察』を開催する。

山下麻衣(1976年千葉県生まれ)と小林直人(1974年千葉県生まれ)は、高校時代に出会い、2001年から公式にユニットとしての活動をはじめる。ともに東京藝術大学大学院を修了し、2004年にドイツに渡り、ベルリンを拠点に世界各地で滞在制作、作品発表を展開。現在は千葉を拠点に活動している。2000年前半より、キアズマ現代美術館(2006)やベルリンの世界文化会館[HKW](2008)、あいちトリエンナーレ2010、ヨコハマトリエンナーレ2011など、数多くの展覧会や国際展に参加。ドイツのクンストハレ・リンゲン(2007)やクンストフェライン・ゲッティンゲン(2011)、ウィーンのAsifakeil MusumesQuartier(2014)などで個展を開催。2015年には日本国内の美術館初の個展『ノートとノートの中』を小山市立車屋美術館で開催。同年、水戸芸術館現代美術ギャラリーの『カフェ・イン・水戸R』にも出品。2018年は既にスペインのポンピドゥーセンター・マラガの企画展『Hors Pistes:El estadio del arte』に出品している。

 


山下麻衣+小林直人「海の声を山に聞かせる」2017年 ©Mai Yamashita + Naoto Kobayashi, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art

 

「自然観察」と題した本展において、山下+小林は、自然を人間の対義語として捉えるのではなく、人間も宇宙も流れゆく自然の一部とし、石、海、山、犬、星、人を同等のモチーフとして解釈し、観察しながら制作した新作の映像作品4点を発表する。「海の声を山に聞かせる」(2017)では、山を登りながら、ふたりが海で録音した波の音をスピーカーで流し、木々や鳥、連なる山々に聞かせる様を記録した2チャンネルの映像作品。また、ふたりがうずくまって重なり合い、動かない石を演じる映像作品「積み石」(2018)は、「もの」と「生きもの」との境界あるいは連続性に問いを投げかける。そのほか、作家の愛犬アンが海に向かって吠え続ける「犬か海か」(2018)、星空を撮影し、北極星が映る数ピクセルのみを拡大した映像作品「北極星」(2018)と、近年の山下+小林のアニミズム的観念を色濃く表した展示となる。

 


山下麻衣+小林直人「犬か海か」2018年 ©Mai Yamashita + Naoto Kobayashi, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art


山下麻衣+小林直人「北極星」2018年 ©Mai Yamashita + Naoto Kobayashi, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art

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