アートバーゼル香港2026、プログラム詳細を発表

Art Basel Hong Kong, Courtesy of Art Basel

 

2026年3月27日から3月29日の3日間にわたり、アジア太平洋地域を中心に世界41カ国・地域から240軒のギャラリーが参加するアジア屈指の現代美術のアートフェア「アートバーゼル香港」が、香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC)で開催される(内覧会は26日、27日)。本年度は、「エンカウンターズ(Encounters)」、「フィルム(Film)」、「カンバセーションズ(Conversations)」のキュレーションを一新、新たな出展部門として「エコー(Echoes)」を新設、さらに、昨年12月のマイアミビーチでお披露目となったアートバーゼル発のデジタルアートの実践における展示と収集のためのプラットフォーム「Zero 10」がアジア初登場となる。

5年目を迎えるアートバーゼルとM+との共同委嘱作品(提供:UBS)を手がけるは、日本でも福岡アジア賞を受賞(2022)、福岡アジア美術館や東京都現代美術館への作品収蔵により、その名を知られるパキスタン系アメリカ人のシャジア・シカンダー。東インド会社の彩色写本から着想を得て、グローバルな交流を形成してきた歴史的あるいは現代の交易路をたどり直した水彩のドローイングによるアニメーション《3 to 12 Nautical Miles》をフェア開幕に先立つ3月23日からM+のファサードで発表する。ジャカルタのヌサンタラ近現代美術館(MACAN)のディレクター、ヴィーナス・ラウをキュレーターに迎えた「カンバセーションズ」では、M+アーティスティック・ディレクター兼チーフ・キュレーターのドリアン・チョンとの対談も行なわれる。

「エンカウンターズ」のキュレーションは、森美術館館長の片岡真美を筆頭に、M+視覚芸術部門キュレーターのイザベラ・タム、ジャカルタを拠点に活動するアリア・スワスティカ、森美術館シニア・キュレーターの徳山拓一の4名が担当。「五大元素(地、水、火、風、空)」をテーマに、法貴信也(タカ・イシイギャラリー)、安永正臣(Lisson Gallery)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(SCAI THE BATHHOUSE)などの作品をHKCEC、また、クリスティーン・サン・キム(White Space)のデジタルアニメーション《A String of Echo Traps》(2022–2026)をパシフィック・プレイスのパークコートで紹介する。一般に無料公開されているパブリック・プログラムの「フィルム」のキュレーターには、香港のアートシーンにおける映像表現の先駆的な存在で、アジアにおけるメディアアートの画期的なプラットフォーム「Videotage」の共同設立者としても知られるエレン・パウが就任。韓国芸術経営支援センター(KAMS)の助成およびArtReview誌との連携の下、キム・アヨンの《Al-Mather Plot 1991》(2025)、イキバウィクルルの《Dances with Trash 》(2024)の特別上映のほか、「In Between Magic and Reality 」のタイトルの下に選ばれた数々の映像作品を上映する。

 

Suki Seokyeong Kang, Mountain — autumn #23-02 (2023) Courtesy of the artist and Tina Kim Gallery.
Nobuya Hoki, Untitled (2024) Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery.

 

アートフェアの核となる「ギャラリーズ(Galleries)」には、世界各地から182軒のギャラリーが参加。日本からは、オオタファインアーツ、カイカイキキギャラリー、KOTARO NUKAGA、小山登美夫ギャラリー、思文閣、シュウゴアーツ、SCAI THE BATHHOUSE、タカ・イシイギャラリー、Take Ninagawa、東京画廊+BTAP、NANZUKA、日動画廊、MAHO KUBOTA GALLERY、MISAKO & ROSEN、ミヅマアートギャラリー、TARO NASUが出展するほか、昨年は「インサイツ(Insights)」部門への出展だったYoshiaki Inoue GalleryやYutaka Kikutake Gallery、さらに、アートバーゼル香港初参加となるア・ライトハウス・カナタも同部門に出展する。

賞金5万米ドル(アーティストと出展ギャラリーで分配)とマカオでの展示機会が与えられるMGMディスカバリーズ・アートプライズの対象部門として、新進アーティストによる個展形式を条件とする「ディスカバリー(Discoveries)」には25軒がエントリー。HAGIWARA PROJECTSが今井俊介の個展形式で出展するほか、Galerie Allen(パリ)がナツコ・ウチノ、Proyectos Ultravioleta(グアテマラシティ、ロンドン)が池添彰、Vin Gallery(ホーチミン)が後藤亜子の個展で出展するなど、海外拠点のギャラリーによる日本出身のアーティストのプレゼンテーションにも注目が集まる。

世界5都市で実施されるアートバーゼルにおけるアートバーゼル香港の特色のひとつ、アジア太平洋地域に焦点を当てた展示内容を条件とする「インサイツ(Insights)」には、日本から参加する8軒を含む20軒が参加。テーマ性を踏まえた展示内容を条件とする「キャビネット(Kabinett)」にエントリーした35のプロジェクトのうち、23軒の展示内容が同地域のアーティストを取り上げる。また、出品作家を3名以内、出品作品を過去5年以内に制作された作品に限定した展示内容を条件とする新設部門「エコー」には、ティファニー・チュンの香辛料の交易路を刺繍で表現した作品やミラー・ラゴスの書籍を素材に構成した立体作品を出品するマドリードのMax Estrellaや、青木野枝今津景衣川明子の作品を出品するANOMALYなど、13軒がエントリーしている。

 

アートバーゼル香港2026https://www.artbasel.com/hong-kong

 

Akira Ikezoe, Clam and the Sun (2025) Courtesy of the artist and Proyectos Ultravioleta, Guatemala.
Jeongsu Woo, The Rowers I

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