美術関係者有志による「art for all」が「美術への緊急対策要請書」を公開し、賛同署名の募集を開始。


art for all「美術への緊急対策要請」委員会のウェブサイトより

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けた文化芸術活動への文化庁をはじめとする国からの支援策に対し、美術分野からの意見を反映すべく、美術関係者有志が立ち上げたart for all「美術への緊急対策要請」委員会が要請書を作成、公開し、その趣旨に賛同する署名を呼びかけている。

緊急事態宣言発令以前から解除後の現在に至るまで、さまざまな文化芸術活動が新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大を防ぐためにその活動の規模縮小、延期、中止などの対応に追い込まれている。その間、国の文化支援やその助成に関する意見が、映画界、演劇界、音楽界などから挙がり、「#WeNeedCulture」として文化芸術復興基金の設立を目指す行動に繋がっている。今回のart for all「美術への緊急対策要請」委員会による要請書は、美術に携わる人々からの具体的な意思表明であるとともに、文化芸術活動全体の大きな流れの一環として捉えることもできる。

緊急対策要請書には、国の支援策「持続化給付金」や地方自治体が対象とする支援制度と、表現、活動方法が多様化する美術分野を支える個人や小規模団体の多くがさまざまな就業形態をもって収入を得ながら活動しているという実態のズレを踏まえ、現時点で美術に携わる人々が抱えた損失、及び国内外での活動制限が今後も長期的に続くことから増大する損失への補填を求める「実態に即した緊急支援」。今回の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症のみならず、自然災害や経済危機、及び有事などの「不測の事態に備えた美術分野の環境整備」。また、時代とともに変容、複層化していく美術の創造活動に対し、政策形成から決定への一連の過程に美術分野の当事者たちの意見を反映するための「国の文化芸術政策の決定プロセスへの恒常的な参加」といった事項が含まれ、短期的なものだけでなく、中長期的な対策を通じて、今後の日本の美術に携わる活動環境の再検討、更なる美術分野の活性化を求めるものとなっている。

「美術への緊急対策要請書」の全文や賛同署名フォームは下記の公式ウェブサイトを参照。署名募集期限は7月6日まで。

 

art for all「美術への緊急対策要請」委員会https://sites.google.com/view/artforall-jp/

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