三菱地所アルティアムが2021年8月に閉館

 

2020年5月25日、福岡・天神の三菱地所アルティアムが2021年8月31日をもって閉館することを発表した。昨年、三菱地所は福岡市の同地区の再開発構想を踏まえ、ビルの建て替えを行なうため、同館のある商業施設「イムズ」の営業を2021年8月末に終了すると発表していた。

三菱地所アルティアムは、1989年4月12日の開館当初より、現代美術を中心にデザイン、建築、ファッションなどジャンルを限定することなく、さまざまな表現を紹介してきた。これまでに開催した展覧会は324本、来場者は累計140万人にのぼる。とりわけ現代美術においては、1990年代より既に国際的な評価を確立したアーティストの個展だけでなく、展覧会当時は30代だった奈良美智や会田誠ら中堅アーティストの作品発表の場となり、近年も志賀理江子、エキソニモ、目【め】、石川竜一、近藤聡乃らが個展を開催している。同じく90年代より、中国や台湾をはじめとするアジア地域の現代美術を紹介し、グループ展のほか、モンティエン・ブンマー、マイケル・リン、ユェン・グァンミン[袁廣鳴]らの個展を実現、2007年には『アジアン・クイア・フィルム&ビデオ・フェスティバル・イン・ジャパン』を開催している。また、九州出身や九州を拠点とする若手・中堅アーティストを紹介する「イントロダクション・シリーズ」(1991-1999)、国内外の若手アーティスに門戸を開いた公募展「For Rent! For Talent!」(2005-2009)、九州・沖縄とその周辺地域を拠点とする作家を毎年決められたテーマの下に紹介する「Local Prospects」シリーズ(2015-2018)などの企画展を通じて、同地域の現代美術を活性化する役割も務めてきた。

現在は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために休止していた営業を5月20日に再開し、造本作家の駒形克己のグラフィックデザインや絵本制作などこれまでの足跡をたどる九州初の個展を開催している。

 


駒形克己『Little Tree』 ワンストローク 2008年

 

『小さなデザイン 駒形克己展』
2020年3月14日(土)- 6月21日(日)
三菱地所アルティアム
http://artium.jp/
開館時間:10:00-19:00
休館日:6/16

2020年の展覧会プログラム:http://artium.jp/exhibition/years/2020/

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