マックスマーラ アート・プライズ・フォー・ウィメン2020


Emma Talbot, Portrait in the artist’s studio, Pictured with When Screens Break (2020) Photo: Thierry Bal

 

2020年3月10日、ロンドンを拠点に活動するエマ・タルボットが、マックスマーラ、ホワイトチャペル・ギャラリー、コレツィオーネ・マラモッティが協賛するマックスマーラ アート・プライズ・フォー・ウィメンを受賞した。

エマ・タルボット(1969年ウスターシャー生まれ)は、ドローイングや絵画、彫刻、インスタレーションを通じて、個人的な思索、感情、物語といった心象風景を探求しながら、そうした個人的な主観性をより広範な物語へと流し込み、普遍的な同時代的事象に取り組んでいる。テキスタイルに描かれるドローイングや絵画には、彼女自身の言葉や他からの引用が取り入れられ、「個人的なことは政治的なこと」、社会のありようをめぐる政治、ジェンダー、自然、技術や言語との親密な関係といった彼女の関心事をうかがうことができる。1995年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートを修了して以来、ジョン・ムーア絵画賞に複数回入選するなど、ヨーロッパを中心に展覧会を重ねてきたタルボットは、今回の受賞に際し、「本当に絶妙なタイミングで賞をいただくことができました。長年、ひとり親として家族を支えるために教育仕事に従事し、ここ最近ようやく自分自身の制作に集中できるようになってきたところです。この受賞は私が大きな一歩を踏み出す助けになるでしょう。まさにこのようなタイミングで、制作に没頭し、広範な現地調査に取り掛かることのできる機会をいただき、これは私の人生を変えるようなものになるでしょう」と感謝の意を表した。また、審査員を務めたホワイトチャペル・ギャラリー ディレクターのイヴォナ・ブラズヴィックは、「エマ・タルボットは、色鮮やかなドローイングや色彩豊かな彫刻を大規模に展開し、言葉とイメージを組み合わせて叙情性や主体的な痛みを表現してきました。審査員一同、イタリアでの経験が彼女の美学にどのような影響をもたらすのか楽しみにしています」と期待を述べた。

 


Emma Talbot, Installation view from “Sounders of the Depths, showing the work Your Birth – the epic historical moment you can’t remember” 26 October 2019 – 16 February 2020, Curated by Yasmijn Jarram, GEM Museum Voor Actuele Kunst, The Hague Photo: Peter Cox


Emma Talbot, Do You See Yourself Projected? (2019), Art Night commission, Courtesy the artist, Photo: Thierry Bal

 

同賞は2005年の設立以来、未だ大規模な個展開催経験を持たない英国を拠点に活動する女性のアーティストを対象に隔年で実施されている。受賞者は最終審査に提出した新作案のためにイタリア国内で半年間滞在制作を行ない、翌年にホワイトチャペル・ギャラリーとレッジョ・エミリアのコレツィオーネ・マラモッティで個展を開催する権利を得る。歴代受賞者のロール・プルーヴォやヘレン・カモックは同賞受賞後にターナー賞を受賞、マーガレット・サーモンがヴェネツィア・ビエンナーレ、アンドレア・ビュットナーがドクメンタに参加するなど、更なる飛躍を果たしている。8度目となった今回はエマ・タルボットのほか、アリソン・カッツ、ケイティ・シュワブ、タイ・シャニ、ハンナ・トゥーリッキが最終選考に残っていた。審査員はブラズヴィックのほか、フローレンス・イングルビー(イングルビー・ギャラリー、エジンバラ)、シャンタル・ジョフィ(アーティスト)、へティ・ジュダ(美術批評家)、ファティマ・マレキ(コレクター)が務めた。

 

マックスマーラ アート・プライズ・フォー・ウィメン
https://www.whitechapelgallery.org/about/prizes-awards/max-mara-art-prize-women/

 

歴代受賞者
2017-19|ヘレン・カモック
2015-17|エマ・ハート
2013-15|コリン・スウォーン
2011-13|ロール・プルーヴォ
2009-11|アンドレア・ビュットナー
2007-09|ハンナ・リッカーズ
2005-07|マーガレット・サーモン

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