シドニー・ビエンナーレ2020


Barbara McGrady, Sister Girls stylin up, Mardi Gras (2013)

 

ニューサウスウェールズ州西部の先住民のウィラドゥリ語の「NIRIN」をタイトルに冠した第22回シドニー・ビエンナーレが、ニューサウスウェールズ州立美術館やアーツスペースなど同市内の複数会場を舞台に2020年3月14日から6月8日まで開催される。アーティスティック・ディレクターを務めるのは、展覧会企画のみならず自身もアーティストとして活動するウィラドゥリ出身の母を持つブルック・アンドリュー。

本ビエンナーレでは、現代社会が置かれている切迫した状態や未解決のままに積み残された過去の懸念事項、超自然的なものの隠された層に光をあて、世界を再び語り直す力を持ったアーティストやその他の参加者の実践を通じて考察していく機会を目指す。アーティスティック・ディレクターのアンドリューは、ウィラドゥリ語で「周縁(edge)」を意味するタイトル「NIRIN」について、「NIRINは周縁ではなく私たちの中心であり、その言葉が示すのは声高に語りづがれてきた太古からの現存する力強い実践である。それは2020年という年をジェームズ・クック船長航海250年として語るような、オーストラリアにおける支配的な語りを脱中心化し、その正統性を疑い、その語りに変化をもたらしていくもの。それは無視され、隠蔽される場に光を当て、西洋式に作成された地図を再設定する試み。NIRINとは、物語やグラスルーツの実践によって駆動する霊的な旅であり、捻れた認識、移動の時間、相互につながった世界の感覚を通じて実現するものである」との想いを込める。このような展覧会タイトルの選択は、本ビエンナーレ準備期間の2019年が国際先住民言語年であったことを反映するもので、その姿勢は作家選考や「NIRIN WIR」と題した会期中の関連イベントにも強く現れている。日本からはアイヌの伝統歌の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループ、マレウレウのメンバーで、札幌国際芸術祭でもアイヌ文化コーディネーターを務めるマユンキキが参加。

 

第22回シドニー・ビエンナーレ「NIRIN」
2020年3月14日(土)- 2020年6月8日(月)
https://www.biennaleofsydney.art/
アーティスティック・ディレクター:ブルック・アンドリュー
会場:ニューサウスウェールズ州立美術館、アートスペース、キャンベルタウン・アーツセンター、コッカトゥー島、シドニー現代美術館、シドニー国立美術学校

 


Anna Boghiguian, Woven winds. Exhibition view (2016) at Santa Fe biennial, ‘much wider than a line.’

 

参加アーティスト
アドリフト・ラボ|Adrift Lab
トニー・アルバート|Tony Albert
シャーロット・アリンガム|Charlotte Allingham
マリア・テレーザ・アルベス|Maria Thereza Alves
ローラ・アミラ|Lhola Amira
ジョエル・アンドリアノメアリソ|Joël Andrianomearisoa
ArTreeネパール|ArTree Nepal
サミー・バロジ|Sammy Baloji
デニウソン・バニワ|Denilson Baniwa
バンクスタウン・ポエトリー・スラム|Bankstown Poetry Slam
BE.|BE.
ナミラ・ベンソン|Namila Benson
シセル・M・ベルイ|Sissel M Bergh
フマー・バーバ|Huma Bhabha
ブラックタウン・ネイティブ・インスティテューション|Blacktown Native Institution
カリム・ブルー|Karim Bleus

アンナ・ボヒジャン|Anna Boghiguian
モハメド・ブーロイサ|Mohamed Bourouissa

ブレイキング・ブレッド|Breaking Bread
エリック・ブリッジマン&Hasu Yuriyal|Eric Bridgeman and Haus Yuriyal
タニア・ブルゲラ|Tania Bruguera
ヴァジコ・チャッキアーニ|Vajiko Chachkhiani Georgia/Germany

Club Ate:ジャスティン・ショルダー&ベンジー・ラー|Club Ate: Justin Shoulder and Bhenji Ra
コレクティボ・アイリュ|Colectivo Ayllu
ビクトリア・サンタ・クルス|Victoria Santa Cruz (1922-2014)
ランディ・リー・カトラー|Randy Lee Cutler
ホセ・ダヴィラ|Jose Dávila
デミアン・ディネヤツェ&R.I.S.E.:ラディカル・インディジナス・サヴァイヴァンス・エンパワーメント|Demian DinéYazhi´ and R.I.S.E.: Radical Indigenous Survivance & Empowerment

 


Karla Dickens, Cruel buffoonery (2019) Courtesy of the artist and Andrew Baker Art Dealer, Brisbane; Photograph: Mick Richards


Nicholas Galanin, Tsu Heidei Shugaxtutaan Part II [We Will Again Open This Container of Wisdom That Has Been Left In Our Care Part II] (2006) Courtesy the artist

 

カルラ・ディケンズ|Karla Dickens
レウリ・エシュラギ|Léuli Eshrãghi
アンドレ・ユジェーヌ|André Eugène
FAFSWAG|FAFSWAG
ジェス・ファン|Jes Fan
ファースト・ドッグ・オン・ザ・ムーン|First Dog on the Moon
ブライアン・フアタ|Brian Fuata
ファンパーク・コーリション|FUNPARK Coalition
ニコラス・ガラニン|Nicholas Galanin
スチュアート・ゲデス&トレント・ウォルター|Stuart Geddes and Trent Walter
ファティマ・ロドリゴ・ゴンザレス|Fátima Rodrigo Gonzales
ホセプ・グラウ=ガリガ|Josep Grau-Garriga (1929-2011)
ラミン・ハエリザデ、ロクニ・ハエリザデ、へサム・ラフマニアン|Ramin Haerizadeh, Rokni Haerizadeh and Hesam Rahmanian
ローレンス・アブ・ハムダン|Lawrence Abu Hamdan
アズィズ・ハザラ|Aziz Hazara
リリィ・ヒバート|Lily Hibberd
ルーカス・アイリーン&キム・ウイリアムス|Lucas Ihlein and Kim Williams
ナマジラ美術学校|Iltja Ntjarra / Namatjira School of Art
アーサー・ジェイファ|Arthur Jafa
ハンナ・キャサリン・ジョーンズ|Hannah Catherine Jones
エミリー・カラカ|Emily Karaka
ブロンウィン・カッツ|Bronwyn Katz
カイリー・クォン|Kylie Kwong
タレク・ラクリッシ|Tarek Lakhrissi
バーバラ・マグレディ|Barbara McGrady
イブラヒム・マハマ|Ibrahim Mahama
ストーン・クリモヤンガ・マカ|Stone Kulimoe’anga Maka
ムンドゥクル・マラウィリ|Noŋgirrŋa Marawili Darrpirra/Yirrkala
テレサ・マルゴレス|Teresa Margolles
ミシェック・マサンブ|Misheck Masamvu
カタリナ・マティアセク|Katarina Matiasek
マユンキキ|Mayunkiki
ジョン・ミラー&エリサペタ・ヘタ|John Miller and Elisapeta Heta
ジョタ・モンバサ|Jota Mombaça
モスタフ・ムチャワヤ|Mostaff Muchawaya

 


Zanele Muholi © Zanele Muholi. Courtesy of Stevenson, Cape Town/Johannesburg and Yancey Richardson, New York


Lisa Reihana, In Pursuit of Venus [infected] (2015–17) (detail) Courtesy the artist and New Zealand at Venice

 

ザネレ・ムホリ|Prof Sir Zanele Muholi
ザ・ムルカ・プロジェクト|The Mulka Project Yirrkala
MzRizk|MzRizk
エリクラ・チウアイラフ・ナウエルパン|Elicura Chihuailaf Nahuelpán
パウロ・ナザレス|Paulo Nazareth
S.J ノルマン|S.J Norman
ムサ・N・クマロ|Musa N Nxumalo
マヌエル・オカンポ|Manuel Ocampo
エルカン・オズケン|Erkan Özgen
パラマタ・フィーメイル・ファクトリー&PYTフェアフィールド|Parramatta Female Factory & PYT Fairfield
タクラリック・パトリッジ|Taqralik Partridge
ホザナ・パウリーノ|Rosana Paulino
ローラ・プロヴォスト|Laure Prouvost
リーディング・オセアニア|Reading Oceania
リサ・レイハナ|Lisa Reihana
アンドリュー・リワルド|Andrew Rewald
シャヒード / ウィットネス / カシミール|Shaheed / Witness / Kashmir (India/Kashmir)

STARTTS|STARTTS (NSW Service for the Treatment and Rehabilitation of Torture and Trauma

Survivors)
エイドリアン・スティムソン|Adrian Stimson
アンデシュ・スンナ|Anders Sunna
スオパンテラー|Suohpanterror
エル=メイジャ・テイルフェアーズ|Elle-Máijá Tailfeather
ラタイ・タウモエペアウ|Latai Taumoepeau

テナント・クリーク・ブリオ|Tennant Creek Brio

ワーウィック・ソーントン|Warwick Thornton
ジーナ・アセーナ・ユリシー|Gina Athena Ulysse

アフマド・ウマル|Ahmed Umar
アンバウンド・コレクティブ|Unbound Collective
クンマナラ・ウイリアムス|Kunmanara Williams (1952-2019)

ペドロ・ウォナイミリ|Pedro Wonaeamirri

 


Rupert Betheras and Fabian Brown, Warriors Journey (2016), Tennant Creek, photograph by Rupert Betheras, courtesy of the artists and Nyinkka Nyunyu Arts

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