第16回イスタンブール・ビエンナーレ


 

2019年9月14日、30年以上の歴史を誇る第16回イスタンブール・ビエンナーレが、キュレーターのニコラ・ブリオーの掲げる「7番目の大陸(The Seventh Continent)」というタイトルの下、旧倉庫から美術館へと改装したアントレポ5、ペラ博物館、ビュユック島を会場に開催する。

「7番目の大陸」は、海洋に漂流する大量のプラスチックゴミが形成する、広さ340万平方キロメートル(深さ30メートル)に及ぶ「太平洋ゴミベルト」など、プラスチックで汚染された海域を指す言葉として使用されている。ブリオーは、7番目の大陸を我々が拒絶してきたあらゆるものから成る大陸、人新世の時代の究極の象徴として捉え、本トリエンナーレのタイトルに掲げた。そして、56人/組の参加アーティストとともに、長い歴史の中で、さまざまな人々と思想が出会い、形を変えてきたイスタンブールという都市で、その新しい「脱中心化」した世界を「人類学者」として探求し、新しい文化の再発明を目指す。(ニコラ・ブリオーによるステートメント

当初は、1455年にオスマン帝国第7代スルタン、メフメト2世が築いて以来、一時は世界有数の造船所としてオスマン帝国海軍を支えた金角湾のイスタンブール造船所の大規模再開発プロジェクトの一環として建設される予定だったメイン会場だが、同地区でアスベストの存在が明らかになり作業が遅れることとなり、8月に会場の変更を発表。8月中旬、トプハーネ地区のボスポラス海峡に面した再開発地区で、かつて倉庫として使用されていた建物を8年間をかけて美術館への改修を続けてきたアントレポ5(2020年にミマール・スィナン芸術大学イスタンブール絵画彫刻美術館として開館予定)をメイン会場に使用すると決断した。

 


Anne Bella Geiger Circa (2006/2019) Courtesy the artist. Presented with the support of Consulate General of Brazil in Istanbul, Photo: Sahir Ugur Eren


Charles Abery, Installation view, Photo: ahir Ugur Eren


Ursula Mayer, Installation view, Photo: ahir Ugur Eren

 

ふたつ目の会場となるのは、オリエンタル絵画、アナトリアの度量衡、トルコ西部キュタヒヤのタイルや陶器の充実したコレクションを誇るペラ博物館。そして、もうひとつの会場となるのがマルマラ海に浮かぶビュユック島。ビザンティン時代に皇子や皇女が幽閉された歴史をはじめ、数々の逸話を残すこの島では、それぞれに興味深い歴史を持つ4つの建物が展示会場となっている。以上の3箇所に加えて、シシュリ地区のマチュカ・サナート公園には、本ビエンナーレのコミッション作品として、モンスター・チェットウィンの制作した「Gorgon’s Head Playground」が恒久設置される。

なお、同時期のイスタンブール市内では、ドラプデレ地区に移転、新設したAlter(アルテル)が最初の企画として、コレクションを中心としたふたつの企画展と4つの個展を開催する。また、イスタンブール・モダンでは、コレクションを使った企画展や昨年亡くなった報道写真家のアラ・ギュレル、版画や絵画を中心に発表するキャナン・トロンの個展、SALT(サルト)では、ベイオールとガラタのふたつの会場で、トルコ初のフォトリアリズムの画家と呼ばれるヌル・コチャックの回顧展が開催される。

 

第16回イスタンブール・ビエンナーレ「7番目の大陸」
2019年9月14日(土)-11月10日(日)
https://bienal.iksv.org/en/16th-istanbul-biennial/the-seventh-continent
キュレーター:ニコラ・ブリオー

 


Monster Chetwynd The Gorgon’s Playground Photo: David Levene

 

参加アーティストリスト

デニズ・アクタシュ|Deniz Aktaş
エズレム・アルトゥン|Özlem Altın
アンソ(ホセ・イランソ・アルモナシド)|Anzo (José Iranzo Almonacid)
ピア・アーケ|Pia Arke
コラクリット・アルナーノンチャイ|Korakrit Arunanondchai
オザン・アトラン|Ozan Atalan
チャールズ・エイブリー|Charles Avery
ラドクリフ・ベイリー|Radcliffe Bailey
レベッカ・ベルモア|Rebecca Belmore
ドラ・ブドー|Dora Budor
ヨハネス・ビュットナー|Johannes Büttner
チョウ・エンマン[張恩滿]|En Man Chang
モンスター・チェットウィン|Monster Chetwynd
ノーマン・デイリー|Norman Daly
マリーチェン・ダンツ|Mariechen Danz
ジョナタス・ジ・アンドラージ|Jonathas de Andrade
エルマス・デニズ|Elmas Deniz
ダヴィド・ドゥアール|David Douard
エヴル/スシュ|Evru/Zush
フェラル・アトラス・コレクティブ|Feral Atlas Collective
サイモン・フジワラ|Simon Fujiwara
アンナ・ベラ・ガイガー|Anna Bella Geiger
エルンスト・ヘッケル|Ernst Haeckel
エロイーズ・ハウザー|Eloise Hawser
マルゲリータ・ユモー|Marguerite Humeau
スザンヌ・ハスキー|Suzanne Husky
ラシッド・ジョンソン|Rashid Johnson
サナム・ハティビ|Sanam Khatibi
エヴァ・コチャットコヴァ|Eva Kot’átková
アニエシュカ・クラント|Agnieszka Kurant
グレン・ライゴン|Glenn Ligon
アーミン・リンケ|Armin Linke
タラ・マダーニ|Tala Madani
ジャレド・マデーレ|Jared Madere
トゥリア・マガデラ|Turiya Magadlela
クラウディア・マルチネス・ガライ|Claudia Martínez Garay
ウルスラ・マイヤー|Ursula Mayer
メルヴィン・モティ|Melvin Moti
パクイ・ハードウェア(ウグニス・ゲルグーダ&ネリンガ・チェルニアスカイテ)|Pakui Hardware (Ugnius Gelguda & Neringa Černiauskaitė)
グラウコ・ロドリゲス|Glauco Rodrigues
ミカ・ロッテンバーグ|Mika Rottenberg
マックス・フーパー・シュナイダー|Max Hooper Schneider
ルイジ・セラフィニ|Luigi Serafini
ポール・シーツェマ|Paul Sietsema
イルヴァ・スネフリード|Ylva Snöfrid
サイモン・スターリング|Simon Starling
ジェニファー・ティー|Jennifer Tee
ハーレ・テンゲル|Hale Tenger
ギュネシュ・ターコル&ギュチュル・エズテキン|Güneş Terkol & Güçlü Öztekin
スザンヌ・トレイスター|Suzanne Treister
ピョートル・ウクランスキー|Piotr Uklański
アンベラ・ウェルマン|Ambera Wellmann
へギュ・ヤン|Haegue Yang
ミュゲ・ユルマズ|Müge Yılmaz
フィリップ・ザッハ|Phillip Zach
アンドレア・ジッテル|Andrea Zittel

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