原美術館、2020年12月に閉館、活動拠点を群馬・渋川に集約


原美術館(外観)

 

2018年11月22日、公益財団法人アルカンシエール美術財団は、2020年12月末をもって東京・品川の原美術館を閉館し、2021年より群馬・渋川のハラ ミュージアム アークを「原美術館ARC」と改称し活動していくと発表した。

原美術館は日本国内の現代美術専門館の草分けとして1979年に開館。同美術館は1938年に建築家の渡辺仁が設計した現・財団理事長の原俊夫の祖父である実業家・原邦造の邸宅を利用しており、開館以来、その特色のある空間で数々の展覧会企画が実現してきた。一方、アルカンシエール美術財団の今回の発表によれば、竣工から80年を経た建物の老朽化が進むなかで、今後、美術館として一般公開するには適さない状況に至ると予想されること、また、公共性を持った施設として、ユニバーサルデザインやバリアフリーの観点からも看過できない問題があること、そして、建替えにおける法規制上の制約も厳しくのしかかる状況などに直面し、それらをふまえて検討した結果として、活動拠点を「原美術館ARC」に集約するという決断に至った。

なお、原美術館では現在、リー・キットの個展『僕らはもっと繊細だった。』を開催中(12月24日まで)。同展カタログも明日11月23日に原美術館内のミュージアムショップで販売を開始する。また、同展終了後も、2019年1月5日より、『ソフィ カル-限局性激痛 原美術館コレクションより』(3月28日まで)、2010年に同館で個展『アショカの森』を開催したチェ ジェウン[崔在銀]構想による『未来の過去(仮題)』(4月13日-7月28日)、加藤泉の個展といった企画展が予定されている。

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