マニフェスタ13、ヴィニー・マースとMVRDVに事前リサーチを依頼


Winy Maas ©️Barbra Verbij

 

2018年8月31日、マニフェスタ財団ディレクターのヘドウィグ・フィジェンは、2020年にマルセイユで開催するマニフェスタ13に向けて、展覧会の枠組みの基点としてマルセイユとその近郊に関する学際的な都市研究を進めるために、ヴィニー・マースとロッテルダムを拠点とする建築事務所MVRDVを協力者として招聘すると発表した。

マニフェスタでは、現在パレルモで開催しているマニフェスタ12の展覧会制作のプロセスに、建築家のイッポリート・ペステリーニ・ラパレーリとOMAを招いて、「 Palermo Atlas」というプロジェクトを展開した。隔年ごとに開催都市を移るマニフェスタに建築の調査や都市研究を導入することで、都市への理解を深めるとともに、その都市や市民に開催期間を超える長期的な影響をもたらす試みとなった。

マルセイユで開催するマニフェスタ13もまた、展覧会制作の初期段階でMVRDVの協力を得ることで、地元の大学や組織をより包括的に巻き込んだ方法でビエンナーレの開催を目指す。また、ビエンナーレに先んじてプロジェクトを展開することで、その都市研究やマニフェスタが、美術界隈だけに留まらない新しいソーシャル・コモンズの形成を促進するとともに、キュレーターや参加アーティストなどに制作の枠組みや実験の自由を与えることが期待されている。ヴィニー・マースが所属するMVRDVは、徹底的なリサーチを基に持続可能な解決策を重視したアプローチで、現代建築や都市が抱える問題に取り組むことで知られており、マルセイユでは、マースが2008年にデルフト工科大学に設立した、未来の都市のための研究機関「The Why Factory」や、エクス=マルセイユ大学の学生と密接な連携をとりながら事前リサーチを進めていく。リサーチの結果は2019年春に公開される予定。

建築家、都市計画家のヴィニー・マース(1959年オランダ・スケインデル生まれ)は、1991年にヤコブ・ファン・ライス、ナタリー・デ・フリイスとともにMVRDVを設立。ハノーヴァー万博オランダ館(2000)、ロッテルダムの集合住宅と市場が一体となった「マルクトハル」(2014)、アムステルダムのシャネルのクリスタルハウス(2016)、ソウルのソウル路7017スカイガーデン(2017)などで知られ、日本国内でもまつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」(2003)や東京・表参道のGYRE(2007)を手がけている。

 

マニフェスタ13
2020年6月7日-11月1日
https://www.manifesta13.org/

マニフェスタhttps://manifesta.org/

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