レポート:「第2回 ウィキペディアタウン山口」

4月24日(日)インターネット上の百科事典・ウィキペディアに、街の⽂化財や観光名所などの情報を書き込む編集イベント「第2回 ウィキペディアタウン山口」を開催しました。

撮影:谷康弘

2月の開催に引き続いて2回目の開催となる今回も、前回に引き続き、ウィキペディア日本語版管理者のあらいしょうへいと、研究者で香川短期大学教授の中俣保志を講師に迎え、YCAMが所在する山口市中園町周辺のトピック、具体的には「兄弟山(おとどいやま)」「湯田温泉白狐まつり」「中園町」の3つを題材にウィキペディアの新規記事の作成を目指していきました。

今回のイベントの参加者は10代〜60代の幅広い年代の山口市民8名。イベントでは、講師からウィキペディアとウィキペディアタウンについての簡単なガイダンスをおこないました。ウィキペディアは個人の主張や研究成果を発表するものではありません。情報の出どころがちゃんとわかるように出展元や何ページに載っているのかをきちんと記載していくなど、ウィキペディアのルールがあり、そうした基本的な事柄を共有していきました。その後、トピックに関連する場所でフィールドワークを実施。道中で気になる石碑や史跡、建物など巡りながら、およそ2時間半、歩数にして10,000歩にも及ぶフィールドワークを終えました。

撮影:谷康弘

YCAMに戻ってからは、いよいよ記事作成が始まります。参加者は3つのグループに分かれて、隣接する山口市立中央図書館で、記事作成の出典元になるいくつもの文献を調べ、それらを元に記事をまとめ、ウィキペディアにアップロードしていきます。先述のウィキペディアのルールは、個人で運用するブログやSNSなどでの作法とは異なるため、参加者の多くは悪戦苦闘していましたが、チームで協力しながら、なんとか3つの記事を作成し、講師からのフィードバックを得ながらアップロードすることができました。記事はウィキペディアでご覧いただけますので、この機会にぜひご覧ください。

兄弟山
湯田温泉白狐まつり
中園町

ウィキペディアは、記事が一旦作成されても編集可能であることから、後からでも記事を追加できたり修正できます。また、誰かが作った記事にも手を加えることができます。つまり、記事をアップロードしても常にリアルタイムでどこかの誰かが修正を加えるなどの手が加えられていきます。こうしてウィキペディアの記事は日々育っていくのです。今回のイベントの参加者も、今回作った記事に今後もどんどん修正や追加を差し込みながら、手を加え、記事を充実させていきたいと口を揃えていました。

フィールドワークも含めて過酷なスケジュールの中、参加者には疲れの色も見え隠れしていましたが、誰もがよく知るウィキペディアに、自らが作成した記事がアップロードされている様子を確認した時は、感慨もひとしおだったようです。

本イベントは、山口市中園町の空き家を舞台にYCAMが市民と協働しながら実施するアートプロジェクト「meet the artist 2022:メディアとしての空間をつくる」の一環として開催しました。「ウィキペディアタウン山口」は、このプロジェクトと連動しながら、今後も開催していく予定です。また、「meet the artist 2022」でも今後、様々なイベントを予定しているとともにプロジェクトメンバーを募集しています。いずれもYCAMのウェブサイトなどでお知らせしますので、チェックしてみてください。

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