レポート:「藤元明緒監督トークイベント」

4月20日(水)、現在開催中の特集上映「映画を観て、ミャンマーを知る」の上映作品「白骨街道ACT1」と「僕の帰る場所」を手がけた藤元明緒監督と渡邉一孝プロデューサーのオンライントークイベントが開催されました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。


撮影:塩見浩介

まずイベントでは、短編ドキュメンタリー「白骨街道ACT1」の背景が語られました。本作は、藤元監督が、ミャンマーに初めて行った時に出会ったおばあさんから、第二次世界大戦での戦争体験を聞いたことがきっかけで制作されたとのこと。過酷な体験をしたにも関わらず、監督の映画を作りたいという想いに対してお祈りをしてくれたことや、何も知らなかった過去を現地で体験談として聞かせてもらったことで、巻き込まれた側の思いや体験、戦争の記憶を届けたいと強く思ったそうです。
「僕の帰る場所」については、本作のモデルとなる家族の辿った時間をベースに作っているとのこと。また、本作では子どもたちの演技に賞賛の声が多く寄せられていますが、出演した子どもたちとお母さんが、本当の親子であることからの親密さから、一見ドキュメンタリーのようにも見える自然な演技に繋がったのではないかと藤元監督は推測していました。

そもそも、ミャンマーを主題にした映画を撮ることになったきっかけについて、渡邉プロデューサーの会社がミャンマー映画を撮る人を募集していて、それに応募したことが始まりだったとのこと。
ミャンマーのことは、監督もプロデューサーの渡邉さんも全くそれまで知らなかったそうで、それこそ、新しいバンドをつくるような気持ちで、ミャンマーでの制作に臨んだそうです。その過程でミャンマーをより深く知っていくことにより生まれた思いや出会い……。
「クーデターから1年経ったが、いまだ混乱がつづくミャンマーのことを知り、考え、支援するための期間を今回は全国で18館と交渉しつくった。今後も継続的にミャンマーの作品も紹介していきたいと思っているので、今回の上映もたくさんの人に見てほしい」と藤元監督と渡邉プロデューサー。
YCAMシネマでは5月22日まで上映していますので、この機会にぜひご覧ください。

YCAMシネマでは今後も上映に併せ、トークイベントを開催していきます。次回は、5月1日(日)16:25〜と5月2日(月)12:15〜の2回、「ぼけますから、よろしくお願いします。」+「ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえりお母さん〜」を手がけた信友直子監督によるトークイベントを開催します。

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