
当事者のことを想いながら
現場に立った時、
私は夢を見ているような気分になる
展覧会概要
兵庫県立美術館では、2010年 度 より「注目作家紹介プログラム チャンネル」を継続して開催してきました。第 16回となる 2025年では、版画家・美術家として活動する 松元悠 1993- )の個展を開催します。なお本展は、「瀬戸芸美術館連携 」 プロジェクトの一環としても行われるものです。
松元は実際にあった事件をとりあ げたリトグラフ制作を続けてきました。他方、実際の事件を とりあ げ ると言えども、松元は自らがその事件の当事者にはなりえない「情報の受け手」であることを強調し、事件の現地に赴いたり、法廷画家の仕事で得られた情報を、自らの身体や想像を通した限り の 自画像として描いていきます。
本展示において松元は、当事者や自分自身が見る「夢」について考えようとします。当事者が見る夢、作家自身が見る悪夢、夢のような物語。
事実の報道とは一見すると対極にある、夢の交錯するリトグラフは、むしろ生々しく、当事者たちの現実を描きみせるでしょう。そこには、日々起こる事件や出来事に目を背けずにい続けるための一つの鍵が示されているはずです。
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本展のみどころ
✓新進気鋭のリトグラフ作家の、公立美術館初の個展です。
実際の事件を基にする松元の制作は、事件が凄まじい速度で拡散してゆく現代において、ますますその注目度を高めています。
2018 年に京都市立芸術大学を卒業後、2021 年より法廷画家としても活動しながらその制作を深めてきた松元。7 年間続けてきたその制作の営みを、初期から最新作まで、一挙に展示します。
✓松元悠の作品を「夢」という新たな視点から考えます。
事件をリサーチして制作された作品とは一見対極に見える「夢」というキーワード。そこから松元の版画を考えると、一体どんな景色が見えるでしょうか?ぜひ、一緒にお考え下さい。
✓新作も多数展示予定!
事件と向き合い制作を続ける作家の今の姿をお見せします。
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2022年、リトグラフ・BFK紙
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2018年、リトグラフ・かきた紙
作家紹介
松元悠│まつもと・はるか
1993年 京都府生まれ
2015年 京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース 卒業
2018年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画 修了
2021年から 関西をベースに法廷画家としても働く
<近年の主な展示>
2024年 「サラバ化物(憶測の追跡)」(茨木市立ギャラリー、大阪)
2023年 「出来事との距離─描かれたニュース・戦争・日常」(町田市立国際版画美術館、東京)
2023年 「版画報、道が動く」(越後妻有里山現代美術館、新潟)
2021年 「架空の竜にのって海をこえて幻の島へ」(kara-Sギャラリー、京都)
2019年 「活蟹に蓋」(三菱一号館美術館、東京)
<受賞>
アートアワードトーキョー 丸の内2018 a.a.t.m.2018 三菱地所賞
Kyoto Art for Tomorrow 2020 ―京都府新鋭選抜展― 京都新聞賞
関連イベント
■アーティスト・トーク
日時:2025年4月19日(土)14:00-15:00 ※開場は30分前から
会場:当館レクチャールーム
定員:80名 ※先着順
料金:無料
※その他のイベントや情報については、詳細が決まり次第、当館ホームページにてお知らせします。
開催情報
展覧会名: 注目作家紹介プログラム―チャンネル16 松元悠 夢
会 期:2025年4月18日(金)~ 5月25日(日)
開館時間:10時~18時
休 館 日: 月曜[ただし5月5日(月・祝)は開館、5月7日(水)は休館]
会 場: ギャラリー棟1階 アトリエ1(〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内])
観 覧 料:無料
主 催: 兵庫県立美術館、「瀬戸芸美術館連携」プロジェクト実行委員会、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協 賛:公益財団法人伊藤文化財団
助 成:公益財団法人中内力コンベンション振興財団