注目作家紹介プログラム -チャンネル13- 吉村宗浩 画家とアトリエーメチエの修行場


《問題神父》 2009-2017年 個人蔵

展覧会概要

吉村宗浩(1961- )は神戸市にアトリエを構える画家です。吉村は一般大学を卒業した後、画家への夢を捨てきれず東京の武蔵野美術大学に改めて入学し、そこで油絵を学びました。その当時はニュー・ペインティングと呼ばれる奔放な描線が大画面を覆うようなスタイルの画風が日本を含む世界を席捲しており、吉村もそうした時代の様式に添うような作品を描いていました。しかし大学卒業後ほどなく故郷の神戸にもどってからは、そうした一過性の様式とは無縁の自身の絵画、美術を淡々と追及することを選びます。吉村自身も自分の絵が描けるようになったと思えるようになったのは、それから20年ほどが経った2010年代に入ってからでした。

美術の道を志してから30年をかけてたどりついた現在の吉村の絵画はオーソドックスで古典的な肖像画や風景画です。「絵は内容ではない」「長い時間の中で残るのは美だ」と語る吉村の絵画には特に奇をてらったところはありませんが、どこか現実離れした光景が広がり、独特の魅力をはなち、この10年の間に静かに、そして着実に注目を集めてきました。本展は画家にとっては初の美術館での個展となります。流行や新しさとは無縁の絵画、しかもなお他に替えるもののない美の表現である吉村宗浩の作品をお楽しみください。

なお、会期中、ほとんどの時間を吉村は展覧会場である兵庫県立美術館アトリエ1での制作に費やす予定です。画家の創作の秘密を垣間見ることができるかも知れません。

見どころ

〇美術館が画家のアトリエに変身。吉村はほとんどの時間、会場に滞在して絵画制作を行う予定です。つまり、画家に会える(かも知れない)展覧会なのです。

〇展覧会場の様子は日々更新されます。制作が進むにしたがい、会場の展示の様子も変化するはずです。

〇流行とは無縁、我が道を行く独特な絵画作品。不気味でどこかユーモラスな世界観は癖になるような不思議な魅力を放ちます。

〇画家が広く注目を集めるようになったのは50歳を過ぎた頃から。それから10年の間にその作品への注目は全国的にますます高まっています。

開催情報

会期            2022年10月8日(土)― 11月6日(日)
開館時間    10時-18時
休館日        月曜日 ※ただし10月10日(月・祝)は開館し、翌11日(火)休館
会場            ギャラリー棟1階 アトリエ1
観覧料        無料
主催            兵庫県立美術館
協賛            公益財団法人伊藤文化財団
助成            公益財団法人中内力コンベンション振興財団

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