兵庫県立美術館20周年記念 李禹煥

李禹煥、鎌倉にて、2022年 Photo©Lee Ufan, Photo by Shu Nakagawa

展覧会概要

国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の 待望の日本での 大規模な回顧展を開催します。東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、 60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引しました。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく、著述においても展開しました。
李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。奇しくも私たちは、新型コロナウィルスの脅威に晒され、人間中心主 義の世界観に変更を迫られています。李の思想と実践は、未曾有の危機を脱するための啓示に満ちた導きでもあります。本展では、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた〈 関係項 〉シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会します。また、李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す新作も出品される予定です。

見どころ

〇西日本では初めての大回顧展
「もの派」を代表する美術家、李禹煥の大規模な回顧展は、西日本では初めての開催となります。 ※本展は 2022年 8月 から国立新美術館で開催された展覧会が巡回するものです。 ただし出品作品は 一部異なります。

〇兵庫県立美術館だけで見られる新作を設置
安藤忠雄設計による兵庫県立美術館の建築に合わせ、屋外にも新作が設置されます。

〇李禹煥が自ら展示構成を考案
本展は、李禹煥が自ら展示構成を考案しました。1960年代の最初期の作品から最新作まで、李の仕事と経過と性格を網羅的に浮き彫りにするものです。本展は、彫刻と絵画の2つセクションに大きく分かれています。彫刻と絵画の展開の過程が、それぞれ時系列的に理解できるように展示されます。

〇音声ガイドは中谷美紀さん
俳優の中谷美紀さんがナビゲーターを務める音声ガイドは、なんと無料。お手持ちのスマートフォンで簡単にご利用頂けます。世界各地で李禹煥の作品をご覧になっている中谷美紀さんが、鑑賞ポイントをご案内。作家本人や本展担当キュレーターによる解説のほか、時折、李禹煥と中谷美紀さんとの対話も繰り広げられます。ぜひお楽しみください。

開催概要

会期                        2022年12月13日(火) - 2023年 2月12日(日)
開館時間                10:00-18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日                    月曜日、年末年始[12月31日(土)-1月2日(月)]
※ただし1月9日(月)は開館、1月10日(火)は休館
主催                         兵庫県立美術館、朝日新聞社、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協力                         SCAI THE BATHHOUSE
協賛                         公益財団法人伊藤文化財団
助成                         一般財団法人安藤忠雄文化財団
特別協力                 公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
観覧料     一般1,600(1,400)円、大学生1,200(1,000)円、高校生以下無料、70歳以上800円、
障がいのある方・一般400円、障がいのある方・大学生300円

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