デニス・オッペンハイム 映像作品上映

「コレクション展2025-Ⅱ」に関連し、同展の出品作家であるデニス・オッペンハイムの映像作品を上映します。同展に出品されている作品は、1960年代終わり、ランド・アートの作品を記録写真と文章で構成する作風を確立した時期に発表されたものですが、じきにその関心は自らの肉体にも向けられるようになります。

今回は、オッペンハイムが70年から71年にかけて撮影した5本の映像をご紹介します。空気圧によって手肌の表面がなびくさまを映す《Air Pressure (Hand)》、爪を研ぎ続ける場面が続く《Nail Sharpening》では、人間の肉体がさまざまに変容するようすが、丹念に観察するかのようなまなざしで捉えられています。《Lead Sink For Sebastian》では、パフォーマーの左脚に固定された小型トーチが、右脚の義足代わりに装着された鉛パイプを溶かしていくさまと、それに伴う姿勢や身体のバランスの変化が映し出されます。これらは、ある種の身体的変容の境界を探究しようとする作家の関心をよくあらわしていると言えるでしょう。人型のジンジャーブレッドを食す《Gingerbread Man》では、その探究の目は体内の消化作用に向けられ、また《Fusion: Tooth And Nail》では、歯と爪を重ね合わせた上から塗料を塗るという、なんとも不可思議な行為を介した実験が繰り広げられています。

上映作品
1. 《Air Pressure (Hand)》1971、カラー/サイレント、5分25秒
2. 《Lead Sink For Sebastian》1970、カラー/サイレント、4分42秒
3. 《Nail Sharpening》1970、カラー/サイレント、6分02秒
4. 《Gingerbread Man》1970-71、モノクロ/サイレント、8分45秒
5. 《Fusion: Tooth And Nail》1970、カラー/サイレント、12分03秒

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デニス・オッペンハイム 映像作品上映

会期|  2025年11月18日(火) — 2026年2月1日(日)
開館時間|10:00-17:00
休館日| 月曜日(ただし11/24、1/12は開館)、11/25(火)、年末年始(12/27-1/1)、1/13(火)
会場|  広島市現代美術館 メディアライブラリー
観覧料| 無料

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