泉太郎|コドクエクスペリメント

オープニング・レセプション:2022年3月12日(土)午後5時 – 7時

©Taro Izumi, courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

 

Take Ninagawaでは、来年1月に東京オペラシティ アートギャラリーでの個展を控えた泉太郎の新作展を「コドクエクスペリメント」と題し、3月12日(土)から4月9日(土)まで開催いたしますことご案内申し上げます。

今展では泉が強烈に惹かれてやまない「不認知のプロセス」について言及した作品を、映像インスタレーション、VR、平面において展開します。センターピースとなるVRを用いた映像インスタレーションは、空き地の背高泡立草をモチーフに、認知する・されるプロセスを紐解くための装置として提示されます。

東京オペラシティ アートギャラリーでの個展は、パレ・ド・トーキョー「Pan」(2017)、ティンゲリー美術館「ex」(2020)に続く美術館での個展となり、東京では初めての美術館の個展となります。ぜひ併せてご高覧ください。

 足元にボールがあるとする。左右には巨大な壁が建っている。壁の表面は凸凹していて、衝撃が加わるたびに凸凹の形はずっと変わり続けるようだ。右側の壁に向かって蹴られたボールは凸凹のせいで奇妙な形の弧を描いて跳ね返り、左側の壁の凸凹のおかげで思ってもない方向から右側の壁に帰ってきて、壁と壁のあいだで行き来し続ける。やがて大きく軌道を外して左右の壁の隙間に消えたとしても、また別の壁と出会うかもしれない。ややこしく変化し続ける軌道の跡を出来うる限り覚えておくことで、凸凹の形をしつこく探り続ける。ボールの弾力は保たれていないといけない。 
 aのことを考えるためにbを生み出し、bのことを考えるためにaを改造し、改造されたaのことを考えるためにbをズラして、ズレたbのことを考えるためにaを壊し、壊れたaのことを考えるためにbを耕して、耕したbのことを考えるためにaを眺める、aを眺めて考えたことをbに伝える。伝えられたbはaを理解できるだろうか。cにも聞いてみたい。

泉太郎
バイオグラフィー

泉太郎(いずみたろう)
1976年奈良県生まれ。2002年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。
主な個展に「ex」ティンゲリー美術館 (2020、バーゼル)、「Pan」パレ・ド・トーキョー (2017、パリ)、「突然の子供」金沢21世紀美術館 (2017) など。
主なグループ展に、東京都現代美術館 開館15周年記念展 (2019)、金沢21世紀美術館 リニューアル・オープン記念展 (2019)、原美術館ARC (2018・2017)、ダイムラー・コンテンポラリー (2018)、ポンピドゥー・センター・メッス (2017)、ミネアポリス美術館 (2017)、六本木クロッシンング (2013)、国立国際美術館 (2012)、ヨコハマトリエンナーレ (2011)、第6回ソウル・メディアシティ・ビエンナーレ (2010)、水戸芸術館 現代美術ギャラリー (2007) など。主なパブリック・コレクションに金沢21世紀美術館、国際交流基金、国立国際美術館、東京都現代美術館、JINS、ダラス美術館、FDAC セーヌ・サン・ドニ県現代美術コレクション、FMAC パリ市立現代美術コレクション、M+、ジャン・ピゴッツィ・コレクション、フランソワ・ピノー財団、スペンサー美術館 (カンザス大学)、Kadist Art Foundation など。
2023年1月から、東京オペラシティ アートギャラリーにて個展を開催予定。

泉太郎|「コドクエクスペリメント」
会期:2022年3月12日 – 4月9日 *東京都のまん延防止等重点措置3月6日までの延長を受けて、会期を変更致しました。
開廊時間:午前11時 – 午後7時
休廊日:日,月,祝日
オープニング:2022年3月12日 (土) 午後5時 – 7時

協力: 東京スタデオ、長瀬夕子、平和合金、眞船峻、奥多摩美術研究所、田中航、李旭、伊阪柊、スタジオ L.A.B 神田

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