走水水源地2026 @ 旧走水小学校

片岡純也+岩竹理恵《Atopon》2021年片岡純也+岩竹理恵《Atopon》2021年

 

走水水源地2026
2026年10月31日(土)–11月3日(火・祝)
旧走水小学校(神奈川県横須賀市走水2-2-2)
https://bankart1929.com/
開館時間:10:00–16:30
会期中無休
観覧料:無料(イベントは一部有料)
主催:BankART1929
展覧会URL:https://bankart1929.com/project/hashirimizu-water-sourse-2026/
出品作家:大巻伸嗣、片岡純也+岩竹理恵、チャチャ、保良雄、水戸部春菜、ルカ・レグリーズ、原口典之

 

BankART1929は、横須賀市走水地区の旧走水小学校を舞台に、水と土地をめぐる4日間のアートプロジェクト「走水水源地2026」を開催する。

2004年から20年間、横浜を拠点に歴史的建造物や遊休空間を活用しながら、アートを通して都市と人、人と場の新たな関係を探ってきたBankART1929は、現在、特定の拠点にとどまらず、さまざまな土地や空間と関わりながら活動を展開している。今年2月には、横浜市の稼働中の下水処理施設である港北水再生センターで保良雄の個展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」を開催し、都市の見えない循環と暮らしについての考察を深めた。

今回舞台となる走水はしりみずは、豊かな湧水に恵まれ、都市化が進んだ東京湾岸にあって、海と山とがつながる三浦半島本来の地形の記憶を残す土地であり、古事記や日本書紀にもその地名が刻まれている。会場となる旧走水小学校は、1873年に開校し「海に一番近い小学校」として親しまれてきたが、2025年3月に横須賀市立馬堀小学校に統合され、151年の歴史に幕を下ろした。タイトルの由来となった、この地に実在する「走水水源地」の「水源」を、BankART1929は、目には見えない循環や蓄積が重なり、新たな流れとして姿を現す場所として捉える。本展は、地域を中心としたイベント「Through the Water 2026 Autumn」(主催:Through the Water 実行委員会)と連動し、展示、ワークショップ、トークを通して、走水という土地に流れてきた文化の水脈をたどるとともに、人々が土地と出会い、対話し、未来を思い描く場をひらく試みとなる。

 

大巻伸嗣《Waltz》2024年 Photo:choccat.cc 林劭柏 Courtesy of Mind Set Art Center大巻伸嗣《Waltz》2024年 Photo:choccat.cc 林劭柏 Courtesy of Mind Set Art Center
チャチャ《Waterphase.04》2025年チャチャ《Waterphase.04》2025年
保良雄《TOTEM ORGA(H)》2026年保良雄《TOTEM ORGA(H)》2026年

 

大巻伸嗣(1971年岐阜県生まれ)は、「存在」とは何かをテーマに制作活動を展開している。環境や他者といった外界と、記憶や意識などの内界、その境界である身体の関係性を探り、三者のあいだで揺れ動く、曖昧で捉えどころのない「存在」に迫るための身体的時空間の創出を試みる。近年の主な展覧会に、「SPRING わきあがる鼓動」(ポーラ美術館、神奈川、2025–2026)、個展「Open the Box 2025: Bloom of Light」(大館美術館、香港、2025)、個展「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」(国立新美術館、東京、2023)などがある。

片岡純也+岩竹理恵は、ともに2010年に筑波大学大学院芸術専攻を修了し、2013年のパリでの滞在制作を機にユニットとしての発表を開始した。身の回りのささやかな出来事から着想し、シンプルな現象へと置き換えるキネティック作品と平面作品を組み合わせ、事物や図像のあいだに潜む関係をたどりながら、個々の作品の題材がゆるやかに響きあう場をつくる。近年の主な展覧会に、個展「カエルの痙攣、レモンの光ー位相する運動」(カスヤの森現代美術館、神奈川、2026)、「Yokohama Re:Portside Project Vol.1」(横浜クリエーションスクエア、神奈川、2025–2026)、「岩竹理恵+片岡純也×コレクション 重力と素材のための図鑑」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、2025)などがある。

チャチャ(2000年中国・福建省生まれ)は、2023年より東京に在住し、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程に在籍している。水滴、気泡、風に舞うビニール袋といった目的を持たない複雑な自然運動や物理現象を起点に、人間の「自覚なき能動性」や生きている状態そのものを探求するインスタレーションを制作する。近年の主な展覧会に、「SICF27」(スパイラル、東京、2026)、二人展「そっと揺れる現象に目をこらす」(ギャラリー準備中、東京、2025)などがある。

保良雄(滋賀県生まれ)は、福島をはじめとする複数の地域で定点的なフィールドワークを行い、土地や物質への直接的な接触を重視する。生物、無生物、人間を横並びの存在として捉え、自然環境や都市空間のなかにある、見えるもの/見えないものを含めた多様な存在との関係性を探求している。現在は千葉県を拠点に活動。近年の主な展覧会に、個展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」(港北水再生センター、神奈川、2026)、「第36回リュブリャナ・グラフィック・ビエンナーレ」(スロベニア、2025)、「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ」(銀座メゾンエルメスフォーラム、東京、2024)などがある。

 

水戸部春菜《river》2019年水戸部春菜《river》2019年
ルカ・レグリーズ © Lucas Legliseルカ・レグリーズ © Lucas Leglise
原口典之 © Yoko Hida原口典之 © Yoko Hida

 

水戸部春菜(1995年神奈川県生まれ)は、状態の記録や保存をテーマに、何らかの背景による痕跡が残った環境や、人間の行動の本質的なリアリティを求めたインスタレーションやドローイングを制作している。東北芸術工科大学デザイン工学部グラフィックデザイン学科を卒業し、現在は横須賀市を拠点に活動。近年の主な展覧会に、個展「蝶の名前」(nanamica MOUNTAIN、2026)、個展「1&1」(galleryN、2025)、「SENSE ISLAND/LAND 感覚の島と感覚の地」(神奈川県横須賀市、2024)、「往古来今/見えない泉をさまよいさがす」(横須賀美術館、神奈川、2024)などがある。

ルカ・レグリーズ(1992年フランス生まれ)は、写真イメージそのものの物質性と、それが立ち現れる条件について探究を続けている。とりわけアナログ写真のプロセスにおいて、現実世界とそのイメージのあいだを往還しながら、フィルムに光が刻み込むものと、写真がその被写体(参照対象)と結ぶ関係の双方を考察する。パリ国立高等美術学校を卒業。

原口典之(1946-2020/神奈川県生まれ)は、横須賀市に生まれ、戦後から激動の1960年代から70年代という時代を背景に、原寸大の軍用機を作品化した立体をはじめ、鉄、廃油、ポリウレタンなどの工業素材を用いた作品を制作した。絵画や彫刻の既成概念を再考し、事物の表層ではなく構造に目を向けながら、素材と空間の関係を際立たせる表現を展開。代表作《オイル・プール》は1977年の「ドクメンタ6」(カッセル)に出品され、国際的な評価を確立した。主な個展に「原口典之ー社会と物質」(BankART Studio NYK、横浜、2009)などがある。

また、会期中の11月1日から3日にかけては、地域とアートをめぐるイベントプログラムを開催する。美術家の山本愛子が走水で採集した植物から染料を抽出し、さまざまな色彩を生みだす公開ラボ「色のみなもと」をはじめ、水戸部春菜、山本愛子と横須賀市自然・人文博物館学芸員の山本薫による走水の植生をめぐるフィールドワーク、走水でとれた海藻を用いたルカ・レグリーズによるサイアノタイプ(日光写真)のワークショップを実施。トークでは、横須賀で地域に根ざしたアートの実践を続ける「YOKOSUKA ART VALLEY HIRAKU」と「やとと」の活動報告や、海と人との関わりを起点に学びの可能性を探る対話、海を隔てた対岸の房総半島で土地の地形や自然環境を起点に展開される「干潟と芸術」(木更津)と「小さな地球」(鴨川)の活動紹介を行う。

 

関連イベント
染色ラボ「色のみなもと」
2026年11月1日(日)–11月3日(火・祝)各日11:00–16:00
ラボ運営:山本愛子(美術家)
会場:旧走水小学校 1階 給食室
参加費:無料
※作家が不在の時間帯あり

植生と巡る走水フィールドワーク
2026年11月1日(日)10:15–12:00(受付開始:10:00)
ゲスト:水戸部春菜(美術家)、山本愛子(美術家)、山本薫(横須賀市自然・人文博物館学芸員)
集合場所:旧走水小学校 2階 特別支援室
対象:中学生以上
定員:20名
参加費:1,500円(オリジナル冊子付き)
※雨天時は屋内のみで実施

海藻とサイアノタイプ(日光写真)のワークショップ
2026年11月1日(日)14:00–15:30
講師:ルカ・レグリーズ(アーティスト、写真家)
会場:旧走水小学校 4階 家庭科室
対象:どなたでも(10歳未満は保護者同伴)
定員:20名
参加費:2,000円

トーク「足元のことー横須賀の実践」
2026年11月1日(日)13:00–13:45
登壇:牧野颯紀(横須賀市まちなみ景観課、YOKOSUKA ART VALLEY HIRAKU)、藤原香奈(株式会社やとと代表)
会場:旧走水小学校 2階 特別支援室
定員:40名
参加費:1,000円(横須賀市民は500円)

トーク「走水から見えてくる、海を通じた学びの可能性」
2026年11月3日(火・祝)10:30–12:00
登壇:田口康大(一般社団法人3710Lab代表理事、「MOON―海をつなぐミュージアム」)、金澤等(一般社団法人ひとひろ代表、かねよ食堂、「海とミライのがっこう」)
会場:旧走水小学校 2階 特別支援室
定員:40名
参加費:2,000円(横須賀市民は500円)

トーク「対岸のこと」
2026年11月3日(火・祝)13:00–15:00
登壇:槙原泰介(美術作家、「干潟と芸術」主宰)、塚本由晴(建築家、「小さな地球」)
聞き手:田村聖輝(建築家)、細淵太麻紀(BankART1929代表、アーティスト)
会場:旧走水小学校 2階 特別活動室
定員:40名
参加費:2,000円(横須賀市民は500円)

※各イベントの申込:https://hashirimizu-water-sourse-2026-event.peatix.com/

 


 

同時開催
Through the Water 2026 Autumn
2026年10月31日(土)–11月3日(火・祝)
旧走水小学校、走水水源地公園、かねよ食堂
https://throughthewater2026.umitomirai.jp

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